余白がある世界について

選択肢の大半がふざけているゲーム「絶体絶命都市」

「絶体絶命都市」というゲームシリーズがあるのですが、これがとても面白いんです。ニコニコ動画などでも実況動画が多数アップされているのですが、水没しそうな新興の大都市から脱出するというシリアスなテーマでありながら、限りなく選択肢がふざけています。
例えば、いじめられっ子の高校生の女の子が、いじめていた女子生徒が崖から落ちそうになっている時に、「何も言わないでニヤリと笑う」とか「良い気味よと言う」とか、シュールな選択肢が出て来るんですね。しかも、そういうふざけた選択肢が8個中7個を占めていたりして、突っ込みが好きなネット民にとってはたまらないゲームなのです。
さらに、セリフの選択肢の他にもおふざけ要素があり、ゴミ袋とガムテープを組み合わせて、妙なコスチュームを作れたりもします。遊び心の伸びしろというか、突っ込みどころのある余白が多いなと思います。
ニコニコ動画のゲーム実況では、このように突っ込みどころの多いゲームが好まれる傾向にあるのですが、だいたいが2000年代に発売された据え置き型ゲームです。
余白の反対は、効率です。今のスマホのソーシャルゲームなどを見ると、とにかく効率が突き詰められて考えられています。例えば、「絶体絶命都市」のように選択肢が8個も用意されていて、しかもボイスがついていたら声優さんの稼働がかさみます。それが、課金率に還元されなければムダなものと判断されるでしょう。最近のゲームは、とにかく課金収益における効率性から逆算して作ったモノが多いなと思います。
ふざけていることを、許さないんですね。

突き詰められた効率。「ほぼ日刊イトイ新聞」のあえて作る余白

効率が突き詰められると、色んなことが最適化されるので、だいたいどれも似たようなものになります。今のappstoreの上位にいるのも似たようなライト系のパズルゲームだったり、クイズゲームがほとんどだと思います。
そこに余白が存在しないということは、突然変異が発生しないということなんですね。だいたいみんな80点前後の平均点を取れるコンテンツになり、100点を超えるような突然変異的なコンテンツを生む伸びしろが、少なくなるということなんです。
これは、今のウェブメディアにも言えることで、マーケティングというツールで効率と最適化を行なうと、まだまだSEOが有効なので検索クエリに引っかかりやすいページを量産しようということになります。さらに流行のキュレーションサイトのコンセプトは、いずれも「手に届くなんとか」とか「身近ななんとか」とか、似通ったものになって、似たような記事が量産されています。
糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」は、意識的に余白を大事にしてるなと思います。毎日更新される糸井さんのコラム「今日のダーリン」というコーナーがあるのですが、バックナンバーは読めません。SEO的に言ったら、ストックに記事にならないのでもったいないのですが、あえてそうしているのです。マーケティング的に解釈すると、1日で消えてしまうことによって、毎日アクセスしようというモチベーションを喚起しているということになりそうですが、おそらく糸井さんの心中はそういうところではなくて、あえてそういう伸びしろや余白を意図的に作ってるんじゃないのかなと思います。
▼今日のダーリンのバックナンバーについて。「ほぼ日刊イトイ新聞」より

「今日のダーリン」は、基本的には、

「毎日、更新されて、
毎日、消えていくコンテンツ」というふうに
とらえていただければ、と思います。

「いつか無くなるものを求めちゃいかんのだよ。
無くなるものは、求めるためではなく、
そいつで遊ぶために、この世にあるんだからな」
(『セフティ・マッチの金の言葉』より)



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