高齢者における情報格差(デジタルデバイド)の問題

おばあちゃんたちは、ググれないという当たり前の事実

日中に地元のカフェに行くと、おばあちゃんやおじいちゃんたちが集って盛り上がっています。先日こんな会話を聞いてハッとしました。

おばあちゃんA「この後、カラオケに行こうかねえ」
おばあちゃんB「あんた、カラオケたって、どこにあるのよ」
おばあちゃんA「駅前歩いてれば、見つかるでしょうよ」

このやり取りを聞いた時に、ハッとしました。私たちは、日常、何処かに行きたいと思ったら呼吸をするがごとくググるわけです。あまりにも自然にググることが日常生活にあるために「そうか、おばあちゃんは検索できないんだ。」という当たり前の事実に、その時リアルに遭遇した気がしたのでした。

この「ググれない」ことに関する不利益を考えると、こんなことがあります。

1.行きたい場所がどこにあるか分からない。
2.行きたい場所への行き方が分からない。
3.買いたいモノをどこで買えるか分からない。
4.買いたいモノの価格や品質の比較が出来ない。

このうち、1〜3までは出来ることの範囲が狭くなるだけです。カラオケに行きたい場合は、自分が知っている範囲にあるカラオケ屋を探すことになります。もしくは、周りに人がいれば、その人に聞くことになります。
問題は4.の「買いたいモノの価格や品質の比較が出来ない。」です。今の時代、何かを購入する時はネットで検索して口コミなどを読み、それが適正価格で品質が担保されているのかを調べます。しかし、ググれない場合はそれが出来ないので、商品提供側の言い分を信じるか、もしくは周りに使ったことがある人がいれば、その人に聞くということになります。
ということは、商品提供側の手練手管が上手で悪意がある場合は、高齢者が不利益を被る温床になり得るということになります。
先日、PCデポにおいてデジタル端末のサポート支援に、高額の契約解除料が付帯されていた問題が発生しました。この場合も、自分で検索出来るリテラシーがあれば、お店の契約書を見た上で金額やサポート内容が適正なのかを調べられるわけです。
(PCデポ問題の顛末については、こちらの記事に詳しく書かれています。契約をしてしまった方は、認知症を患われていたそうで、この点もことを深刻にしています。)

PCデポ 高額解除料問題 大炎上の経緯とその背景
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoppy/20160823-00061403/

高齢者は、一度手に入れた情報をアップデートしづらい

さらにもう一点、高齢者の方に見られる傾向が問題をややこしくしている気がします。それは、一度手に入れた情報をなかなか更新しないということです。
駅前に、古くからやっている喫茶店があり、1日中高齢者の方々で賑わっていました。駅周りのいくつかの喫茶店は、高齢者の方々が毎日のように集い「そこに行けば、誰かしら顔見知りがいる」というコミュニティになっています。

その喫茶店は駅間の再開発のあおりを受けて閉店し、代わりにチェーン店のパン屋がオープンしました。店内には簡単なイートイン施設もありますが、喫茶店のように潤沢な座席数はありません。しかしパン屋のオープン後、喫茶店時代と同じく高齢者の方々が、イートインスペースに集っていたのです。そして、自分の親も含めですが、その店舗をパン屋とは決して呼ばず「喫茶店」と言い続けていました。

高額の治療器が飛ぶように売れていく理由

買いたいモノの価格や品質の比較が出来ず、一度手に入れた情報を更新しないということは、商品を販売する事業者側にとっては都合が良く、そういった傾向を利用して商品を販売しようとする企業もいます。高齢者を商店街の空きスペースなどに集めて行う体験販売などです。
家の近所に高圧電位治療器の体験店舗があります。「高圧電位治療器」という名前に聞き覚えが薄いのは、その商品の多くがこのような体験店舗にて高齢者向けに販売されているためと思われます。
体験の仕組みは、10分〜20分程度、高圧電位治療器を無料で何回も体験できるというものです。その体験店舗は、毎日一定の来場者数が来なければ閉店してしまうので、お友達を誘ってほしいと口コミでの集客を行います。そして、その過程で治療器を気に入ったら購入してほしいというものです。もちろん、治療器は高額で1台70万円程度します。
この体験店舗が大当たりしたようで、毎日200人以上の人たちが訪れていました。最近では人数が増えてきたので会場を駅前に移し、今でも毎日300人以上の人たちが訪れ、治療器も順調に売れていると聞きます。

一度私も訪れてみたのですが、良い悪いは別としてその手法は見事でした。治療器を体験するには、自分の名前を書いて提出する必要があります。会場にいる専任の販売員は、すべての来場者の名前を記憶しており、20名ほどが治療器を体験している間、来場者の名前を呼びかけながら、その治療器がいかに効果的であるかということをアピールしていくのです。
会場はさながら学校のようになっており、来場者は販売員の問いかけに答えて笑いも起こるなど、一種のコミュニティが形成されていました。販売員の胸元には「よっちゃん(仮称)」というネームプレートがついていて、みんな販売員のことをニックネームで呼びます。

ちなみに、Wikipediaによると「高圧電位治療器」の効能としては、頭痛、肩こり、不眠、慢性便秘の寛解のみであるとあります。

日本では認証基準に適合する製品に関しては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬事法)により、頭痛・肩こり・不眠症や慢性便秘の寛解のみが効能として認められている
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E6%B2%BB%E7%99%82%E5%99%A8

しかし、想定できることではありますが、実際の会場ではもっとたくさんの効能がアピールされていました。このウィキペディアにもありますが、血液がサラサラになるとか、高血圧や心臓病にも効果があるなどです。さらには、来場者の方々が「目が見えやすくなった」とか「杖を使わないと歩けなかったけれど歩けるようになった」と口コミでアピールもしています。(これは、おそらくプラセボと同じ効果なのだろうなと思うのですが。)
いずれにせよ、会場で販売員の発言を録音したら、薬事法に抵触するのではないかという気がします。

ちなみにこのエリアに住む65歳〜89歳までのお年寄りの人口を割り出してみたところ約5万4千人でした。1日の来場者数が350人とすると1か月の述べ来場者数は1万500人。1人あたり月に3回通っているとすると、3,500人の人たちが月あたりのユニークユーザーになります。これは65歳〜89歳までの地域のお年寄りの人口割合に対して6.5%という高い数値になります。

そして、うちの親にAmazonのページを見せながら「高圧電位治療器」は家庭用であれば1万円台から買えることを説明したのですが、全く聞き入れてもらえませんでした。その時に印象的だったのが「よっちゃん(販売員)のところの商品は全然違うんだよ」と、販売員に対して絶大な信頼を寄せていたことです。

結局のところ、高圧電位治療器を購入してる顧客が何に価値を感じていたのかと言えば、それは販売会場というコミュニティにおける日々のコミュニケーションです。販売員のトークをお客さんである来場者たちとともに楽しむという、一種のイベントを楽しんでいたのです。その延長線上として、所得に余裕がある人は高額の治療器を購入していました。(そして、購入した治療器が自宅にあるのにも関わらず、会場に通い続けました。)

つまるところ、高齢者における情報格差を解消するための入り口に、インターネットは立てないのかもしれません。高齢者に対して、まずコミュニケーションを図って「この人(やサービス)が言うことは信頼できる」という確証を得てもらい、それを横に口コミしてもらう必要があるのです。つまりは、この問題を根本的に解決しようとすると、全国に講習会場を開くといったリアルな場づくりから始める必要があるのかもしれません。

チャットで簡単にスマホの使い方を聞けるアプリ

とりあえず今現在出来る何かをしようと考え、基本的なスマートフォンの使い方をiPhoneで質問出来るというチャットアプリをリリースすることにしました。チャットで使い方や気になることを質問すると、LINEのようなチャット画面で返答が来るという仕組みです。 総務省が平成26年に発表した資料(平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書※1)によると、60代のスマートフォン所有率は平成24年の4.7パーセントから平成26年には18.3パーセントまで上昇しています。スマホを使っている時点で、割合リテラシーが高い方々かとは思いますが、スマートフォンやインターネットについて気になることを何でも質問してもらえたらという気持ちです。
冒頭でPCデポの高額解約金の問題についても記述しましたが、デジタル機器やインターネットサービスの購入や契約についての疑問などにもお答え出来たらと思っています。

そして、このブログにも書きましたが、高齢者の方にはインターネットでいくら発信してもご本人には届きません。どうぞお母様やお父様、ご親戚の方は近所の方々など、iPhoneを使われている方がいらっしゃったら、このアプリのことを教えてあげてもらえると嬉しいです。

「スマホお悩み質問アプリfor iPhone」
▼紹介サイト
http://iphonesos.jp/
▼アプリダウンロードページ
https://appsto.re/jp/bv8Icb.i

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