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「進撃の巨人」に見る、メガヒットコンテンツは中身と外見のバランスが良い法則

大人気ゲーム「ダンガンロンパ」の中身は推理ゲーム?

先日、人気ゲーム「ダンガンロンパ」の最新作について、メインキャラクターモノクマの声優さんが大山のぶ代さんからTARAKOさんに代わるというリリースがありまして、話題になりました。
ダンガンロンパはこれまでにシリーズ2作品とスピンオフ作品が1作品作られ、アニメ化もされている大人気シリーズです。

ダンガンロンパの中身は完全に推理モノになっています。学校や無人島などクローズドサークルに閉じ込められて、キャラクターたちは仲間同士でコロシアイをするようゲームマスターであるモノクマに告げられます。犯行を行なった後に、一定の捜査時間を経て行なわれる学級裁判で犯人だと断罪されなければ脱出する事が出来るのというのです。主人公たちは、各ステージで起こる殺人事件を調査して、学級裁判で矛盾を暴いて犯人を追求していきます。

これが、ダンガンロンパというゲームコンテンツの中身です。その中身に「アニメ的にウケそうな個性豊かなキャラクター」という外見を与えています。以前にもブログで書いたのですが、推理系のゲームというのはごく一部の例外(逆転裁判等)を除いてマイナージャンルです。そういったゲームの外見は「実写に近いキャラクターイラスト」になっています。「ダンガンロンパ」と、正統派推理ゲームを並べてみるとよく分かります。

ダンガンロンパ

キャラクターのエッジが効いている「ダンガンロンパ」
出典:http://qq2q.biz/txfX
神宮寺三郎多くの推理ゲームは、このように写実的なイラスト
出典:http://qq2q.biz/txgb

しかし「ダンガンロンパ」は推理ゲームという中身に、アニメ的にウケそうなキャラクターという外見をかぶせたおかげで、本来推理ゲームに興味がなかった人たちにリーチして大ヒットしたのです。(プラス、タイトルにもなっている相手の矛盾を弾丸で打ち抜くというアクション要素も大事な要素のひとつ。)

ということで、コンテンツの中身もそうなのですが、どれだけの人たちにリーチするかという観点において、どういった外見にするかが重要なのですね。

外見を調整することで、ターゲットとする層をしぼる

逆に、外見を特定の層にリーチするようにコントロールすることもあると思います。秋葉系の方々にウケそうなアニメは、あえてあのような外見にすることによって「あなたのためのアニメですよ」というシグナルを発しているのです。
この外見によるコントロールが外れるのは、漫画やアニメが実写化する時です。絵が特徴的な漫画やアニメが実写化すると、汎用性を持つようになります。(逆に原作のコアなファンからは批判されます。)

と、考えると、実はコンテンツの中身は素晴らしいものの、外見によって一部の層にしかリーチできていない作品がたくさん眠っているのかもしれません。例えば、「魔法少女まどか☆マギカ」は、現在の世情を投影した評価の高い作品であると聞いたことがありますが、やはりその外見(いかにもアニメ的な女の子たち)からすると、観ようと思う層は限られます。
また、カイジやアカギシリーズで知られる漫画家の福本伸行先生の絵柄は、男性ファンには定評が高いのですが女子には受け入れずらいです。しかし、漫画を読んでみると本当に深いんですよね。
このあたりの作品が、もし汎用性のある外見を獲得するとリーチが広がるかもしれません。汎用性の高い見た目とは何かと言われると、こういった絵柄みたいな…。
ジブリ国民的汎用性を持った外見。

大ヒットを飛ばすコンテンツは、中身と外見のバランスが秀逸

ちなみに書いていて思ったのですが「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博さんの作品はこのバランスが秀逸なように思えます。「HUNTER×HUNTER」のキメラ=アント編をアニメで観ていて思ったのですが、最後の方は第三者視点のナレーターによるの解説が多くなり、まるでドフトエフスキーの小説のようです。よくよく考えると内容がけっこうシリアスなのですが、登場キャラクターの設定の秀逸さと、デフォルメされたアニメタッチのイラスト(ゴンやキルア)とシリアスなタッチ(ヒソカ)が混在することによって、バランスが取れているのですね。

という意味でいうと「進撃の巨人」が、講談社の前にジャンプに持ち込みをして断られたという逸話があります。作者の諫山創先生は、不器用で自分の画がひどいと思っていたと述懐されていますが、むしろ上手すぎなかったから良いんだと思います。もしも「進撃の巨人」の絵がもっとリアルで精密に(例えば「GANTZ」の奥浩哉先生のような)描かれていたら、ここまで万人受けしなかったと思います。実際「GANTZ」(全37巻)の累計発行部数は2000万部以上とありますが、「進撃の巨人」(19巻)は5000万部で、すでに2倍以上です。

ということで、コンテンツの中身と、そこをどう見せるかという外見のバランスによって、どこまでリーチするか決まるのではないかという話でした。

http://www.cinematoday.jp/page/N0067795
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%B2%E6%92%83%E3%81%AE%E5%B7%A8%E4%BA%BA
https://ja.wikipedia.org/wiki/GANTZ