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仕事が出来る人と出来ない人の違いは、想像力にあった

「体系的思考」のファーストステップは想像力の有無

仕事が出来る人と出来ない人の違いは「体系的思考」の有無にあるというブログを書いたのですが、体系的思考のファーストステップは「想像力があるかどうか」です。

体系的思考とは、下記のように自分で思考の枠組みを作って、要素を当てはめて行くという思考ですが、要素をどのように構成し、枠組みに当てはめるかを決めるキーとなるのは「顧客に対する想像力」だからです。

 
体系思考とは、全体像を把握した上で各要素を分類すること。そして、分類した要素を抽象化して、別の要素と繋ぎ合わせて考えること。
 

この能力がずば抜けて高い人と仕事をすると、非常にプロジェクト進行がスムーズになります。以前一緒にお仕事をさせて頂いたYさんという人がいるのですが、この方はコンサル出身の技術畑の方で顧客に対する想像力が突出している方です。

私はよくテストプロダクトを作って知り合いにURLを送って使ってもらい、感想を聞くということをしていました。たいていの人はこういう返答になります。

相手「けっこう使いやすかったと思うよ」
わたし「どういったところが?」
相手「なんか、ボタンも大きかったし、見やすかったかも」
わたし「逆に使いにくいところは?」
相手「最初のところがちょっと文字小さいよね」

しかし、Yさんにも同じ様に「これテストプロダクトのURLなので、良かったら使ってみて感想をください」と送ったところ、以下のような返信が返ってきたのです。

Yさん「状況から察するに、このプロダクトを使ってどこで詰まったかという情報が欲しいかと推察しましたので、使った経緯とその時の心理をメモしておきました。使ってみた心理導線も含めてレポートします。」

そして、実際に自分がどのようにページを遷移して、その時何を思ったかというレポートをくれたのです。
私は「テストプロダクトを使ってみてください」というぼんやりとしたオーダーをしたのにも関わらず「何を欲しているか」を見抜いて私の需要にマッチしたレポートを送ってくれたのですね。

仕事が出来る人は常に「想像力」で先回りをしている

このように顧客に対する想像力が働く人は、常に相手の需要を読み取って先回りをしています。例えばあなたが広告代理店の営業だったとして、クライアントから「ディスプレイ広告」を配信したいと相談されたとします。ここで想像力が働く営業の場合は、ディスプレイ広告を打ちたいということは「認知を広げたい」のではないかと察することが出来ます。そこで
「もしかして、認知を広げるための広告キャンペーンを実施されたいのではないですか?それでしたらディスプレイ広告と合わせてこういった広告も組み合せると効果が高いですよ」などとアドオンで提案が出来るようになるのです。

ちなみにこの「想像力」が卓越しているメンバーがバックオフィスにいると、とても仕事がスムーズになります。例えばあなたの会社の総務の人が、コピー機から離れたところに積んであったコピー用紙のストック場所を、コピー機の近くに移したりしてくれたことはありませんか?これもコピー機の使用シチュエーションに想像力を働かせた結果ですよね。

さらに契約書や利用規約などを巡って、事業部はよく法務部とぶつかることが多いと思うのですが、もし法務部の人が想像力がある人材の場合は「現状で言うとこの利用規約はNGだけど、このようにやり方を変えて規約を書き直せばOKだと思う」という第3の提案をしてくれるようになるかもしれません。

ポイントは、冒頭のY氏のように顧客の本当の需要を見抜ける「想像力」があるかどうかです。顧客は「ディスプレイ広告を配信」したいのではなく「認知を広げたい」のだということが分かれば、本当の需要を満たすための様々な提案が出来るようになります。

ということで、仕事ができる人は常に「想像力」で先回りしているなというお話でした。

仕事が出来る人と出来ない人の決定的な違い「想像力」と「体系的思考」について

10年ぶりに集る会。飲み放題のコース料理か席だけの予約、どちらで予約すべき?

以前、昔の会社関係者の人たちで集る会があったのですが、幹事の人が飲み放題付きのコース料理を予約しようとしていました。しかし、昔の会社関係者大勢に声をかけていたので「安いお店を時間予約だけして押さえる」が良いのではないかと提案しました。10年ぶりくらいに集まる会なのでドタキャンが出た時に会費を改修できないし、時間を経てそれぞれライフスタイルも変わっているので、6000円近くかかるコース料金を払いたくない人もいるからです。

その時にフッと、仕事が出来る人と出来ない人の違いとは「想像力があるかどうか」なのではないかと思いました。この飲み会の場合、3〜4人の気心知れた少人数での会食であれば、参加者の温度感やライフスタイル(お小遣い制かどうか)も把握出来ていますが、10年ぶりに不特定多数に声をかけるということは「時間があれば行ってもいい」という人もいれば「安かったら行ってもいい」という人も混在し、当然ドタキャンも想定されます。そういった参加者の状況を想像出来るかどうかが、「コース料理で時間制限のプランを予約」か「安いお店を席だけ予約」に繋がるのです。

これを言い換えると、顧客視点に立てる想像力があるか、ということになります。そして、この想像力という土台の上でさらに必要なのが体系的思考です。以前にも2回ほどブログにて体系的思考について書いているのですが、体系的思考を簡単に言うと下記のようになります。

 
体系思考とは、全体像を把握した上で各要素を分類すること。そして、分類した要素を抽象化して、別の要素と繋ぎ合わせて考えること。

大事なプレゼンに資料を忘れた!どうやって届ける?

例えば、客先にプレゼンに出掛けた課長のAさんから、会社に残っているBさんに電話がありました。「あと20分で重要な会議が始まるが、大事な資料を忘れてしまった。FAXで先方の会社まで送ってくれ」。これを要素に分類してみます。

 
  • 全体像:重要な会議に資料が間に合わない
  • Aさんのオーダー:FAXで先方の会社まで送ってほしい
  • 時間:20分以内
さて、BさんがFAXで送ろうとしたら故障中でした。ここで、必要になるのが抽象化です。Aさんのオーダーを抽象化してみましょう。

 
  • Aさんのオーダー:FAXで先方の会社まで送ってほしい
    ↓【抽象化すると…】
  • Aさんのオーダー:資料が欲しい
AさんはFAXで送って欲しいと言いましたが、オーダーを抽象化すると本当は資料が欲しいのです。ここで要素を抽象化出来ない人はファーストプランのやり方にこだわります。ではオーダーを抽象化した結果、どのような方法が考えられるでしょうか。

 
  • Aさんのオーダー:資料が欲しい
  • 考えられる方法:社内の人間が持っていく、バイク便で送付、メールで送付、客先にメールで送付して印刷してもらう
どの方法を取るのかにあたって、最初に分類した要素「時間:20分以内」の条件が関わってきます。時間がないので物理的に持って行くのは無理です。となると現実的な方法は「メールで送付」か「客先にメールで送付して印刷してもらう」の2つに絞られます。
ここで、仕事が出来る人は「想像力」を使って、以下の新たな要素が条件として関わって来ることに気づきます。

 
  • 条件となる新たな要素:先方の会社に使用可能なプロジェクタがあるか
 

もしメールで送付を選んだ場合、先方の会社にすぐに使用可能なプロジェクタがなければスクリーンに投影できないので、紙でプリントアウトしなければなりません。Bさんが「想像力」があって「体系的思考」が出来る優秀な人物であった場合は、数秒間でここまで思考を巡らせてAさんにこう提案します。

「FAXが故障中ですので資料をお送り出来ません。メールでA課長にお送りするか、先方の会社の方にメールをして印刷してもらうかが考えられますが、先方にプロジェクタのご用意があるか分かりませんので、念のためA課長と先方の会社の方、両方にメールさせて頂きます」

この2つのプランを同時に提案したのは、20分以内という条件の要素があるためです。限られた時間であれば、どちらかのプランがダメでも大丈夫なように同時進行させる必要があります。

体系的思考が出来ることのメリットとその養い方

以前にブログに書いた体系的思考が出来ることのメリットを再掲します。

 
■体系的思考のメリット
誰かから質問をうけたとき、どこの要素についての質問かが即座に理解できて議論がスムーズになります。また、ひとつの要素の条件が変わったとしても、全体像は理解できているため、その他の要素に影響を及ぼすかどうかというのが考えやすくなります。
逆に体系的思考が出来ない人は、前提となる要素が1つ変わるだけで全ての要素を書きなおす必要があるので、再び理解するまでに大変な時間がかかります。体系的な議論が出来ないと、会議の時間は2倍にも3倍にも膨らむでしょう。今、どこの要素を取り出して議論しているのかということ自体が理解できないからです。
 

では、体系的思考を養うにはどうしたら良いかというと、若いうちに物語をたくさん読むことです。これも以前ブログに書いたことを再掲します。

 
■体系的思考を養うには
体系的思考を養うにはどうしたら良いのでしょうか?それには、物語を読むことが一番です。しかも、1度だけではなく何回も読める物語が一番です。例を挙げると、ドフトエフスキーやトルストイといったロシア文豪の小説、日本の作家でいうと村上春樹氏の小説、アメリカの現代作家なども良いかもしれません。(中略)こういった本は、本のどこにフォーカスするかによって、読み方が異なってきます。物語が多重構造になっているのです。(中略)体系的思考を養うためには、モノゴトを体系的に分類した後で、抽象化して考えるという手続きが必要でした。多重構造を持つ物語を繰り返し読むということは、モノゴトを体系的に分類し、自分の視点を特定の要素にフォーカスしたり、抽象化してフェードアウトするという練習になるのです。
 

さらに、冒頭に挙げた「想像力」を鍛える上でも小説は大変に有用です。小説を読むことで自分とは全く別の人間の人生を追体験することになるからです。

ということで、過去のブログを再掲してみます。

体系的思考は、これからの時代には必須だと思う
体系的思考の養い方
体系的思考のテスト~ハムスターをめぐる問題~

解決力を養うためには

ハムスター

ハムスターの処遇をどうするか

昨日のエントリで、体系的思考が低下している気がしているという話題を出しました。エントリの最後で、例題に使った問題を出してみたのですが、いかがでしたでしょうか?

問題を再掲しておきます。

みつこさんは3年B組の学級委員長です。みつこさんは、3月に行われた学期末の学級会において教室で飼育しているハムスターの係を決めるべきだと議題を出しました。3年B組では、ハムスターの世話を担任のよしこ先生が行っていたのです。クラスメイトののぶおくんは、引き続きよしこ先生が世話をするべきだと言いました。さとこさんは、みつこさんに賛成で係りを決めるべきだと言いました。よしこ先生は自分が引き続き世話をすると言いました。

さて、今のところ「ハムスターの係を決める」派と「先生が世話をする」派の2つで対立しています。このいずれかの意見に賛同するか、第3の意見がある方はなぜその主張になるのか理由を考えてみてください。

・・・・・・。

・・・・・・。

・・・・・・。

正解発表なのですが、いずれの意見にしろこの段階で答えを出してしまう時点で全部間違いです。といういじわる問題なのですが、この問題を考えるあたっては前提となる情報が不足しているのです。よって「解答を出すための前提条件が不足している」という答えが正解なのです。

冒頭に「3月に行われた学期末の学級会において」というくだりがあります。もしも3年B組が中学校か高校であったら卒業してしまいますね。小学生だったにしろ、3月の学期末ですからクラス替えがあるかもしれません。ということで、3年B組が4月以降どういう形態になるかによって、ハムスターの処遇が変わってきます。

欠けている物に気づけるか

前提情報の欠如に気づけなくて、主観で判断して水掛け論になることがよくあります。

「ハムスターの係りを決めた方がいいよ!自主性が大事だ!」
「いや、ハムスターのことを考えたら先生にまかせるべきだよ!」

みたいに。

そして経験上、9割以上の人が前提条件の欠如に気づけないきがします。私たちは、あまりにも与えられたパーツの中で答えを出すことに慣れ過ぎているのです。義務教育を通して、与えられた情報以外の情報を取りに行き、ものごとの解を求めることは一切ありませんでした。

ということで、昨日のエントリに戻りますが、ここでもやはり体系的思考が大事なのです。体系的思考の棚を頭の中に作れば、どの棚が空っぽなのかが分かるのです。

このへんは、小宮 一慶さんの「ビジネスマンのための「解決力」養成講座」が非常に勉強になりますので、ご一読をおすすめします。

体系的思考のテスト~ハムスターをめぐる問題~

ハムスターをめぐる3年B組の問題

体系的思考が低下している気がするのです。唐突に結論から入ったのですが、まずは以下の文章を読んでみてください。

みつこさんは3年B組の学級委員長です。みつこさんは、3月に行われた学期末の学級会において教室で飼育しているハムスターの係を決めるべきだと議題を出しました。3年B組では、ハムスターの世話を担任のよしこ先生が行っていたのです。クラスメイトののぶおくんは、引き続きよしこ先生が世話をするべきだと言いました。さとこさんは、みつこさんに賛成で係りを決めるべきだと言いました。よしこ先生は自分が引き続き世話をすると言いました。

さて、3年B組のハムスターをめぐる状況を整理してみてください。

体系的思考をする人が、どういうルーツをたどって記憶していくかを図解してみます。

【みつこさんは、3月に行われた学期末の学級会において教室で飼育しているハムスターの係を決めるべきだと議題を出しました。】
まず、冒頭においてみつこさんの主張がぽつんと置かれます。

hamu_05

【3年B組では、ハムスターの世話を担任のよしこ先生が行っていたのです。】
みつこさんの議題に対して、現状がどうなっているかの解説です。事実として脇において置きましょう。
hamu_04

【クラスメイトののぶおくんは、引き続きよしこ先生が世話をするべきだと言いました。】
よしこ先生が世話すべきという、みつこさんと真逆の主張を持つのぶおくんが現れました。みつこさんと反対のことを言っていますから、対極に置きます。
hamu_03

【さとこさんは、みつこさんに賛成で係りを決めるべきだと言いました。】
みつこさんの意見の支援者が出てきました。みつこさんの近くにおきます。それとともに、現状は「ハムスター係を決める」という主張と「先生がやる」という2つの対立した主張が存在します。ここで、登場した人々の意見をこの二つの主張に分ける大見出しをつけます。
hamu_02

【よしこ先生は自分が引き続き世話をすると言いました。 】
よしこ先生の意見はのぶおくんと同意見です。前のステップでつけた大見出しのうち、「先生がやる」派の意見ですので、そちらのグループに入れます。
hamu_01

ということで、最終的にこういう図が出来上がりました。これが体系的思考が出来る人の情報整理術です。ここに新たに美術の先生がきて「生徒の自主性を重んじて係を作るべきだ」と発言しても、美術の先生を「ハムスター係を決める」派に投入すれば良いのです。最初に状況を整理した図を頭の中に作っておけば、その後の情報量が増えても体系的に処理が出来ます。
また「先生がやる」という意見の人は何人?と聞かれてもすぐに答えられるのです。

体系的思考ができない人

では、体系的に情報を整理できない人はどう考えるでしょうか。これら一つ一つの情報は、思考の棚に入れられないまま、目の前を流れるベルトコンベアのように通過していくのです。ゆえに、登場人物が増えれば増えるだけ混乱していきます。おまけに、意見の違いと利害関係の構図が理解できないので、ここから状況を整理することが出来ません。

体系的思考をするためのポイントは二つです。まず一つ目は、真っ白な頭の画用紙に情報をひとつ置くことから始めることです。この例でいえば、【みつこさんは、3月に行われた学期末の学級会において教室で飼育しているハムスターの係を決めるべきだと議題を出しました。】という情報がはじめに置かれます。
その事実から出発して、関連した情報をどんどん紐づけていくのです。

そして、二つめのポイントは、ある程度情報量がたまったら情報を抽象化して再構成すること。【さとこさんは、みつこさんに賛成で係りを決めるべきだと言いました。】のくだりです。このくだりで、異なる2つの主張がぶつかっていることが分かります。ここで両者の意見の見出しをつけることにより、その後の情報がさらに分類しやすくなり、大局観が分かりやすくなるのです。

なぜ体系的思考ができなくなったのか

なぜこんなことを思ったかというと、ちょっと前に行った実験が原因です。少し前に「解るニュース」というコンテンツを考えました。ニュースを図解にして、テキストを恋愛ゲームのインターフェースでポチポチ小出しにしていき、画像部分に対応した図解が表示されるというものです。

ここで数十人に見てもらって気づいたのが、一番目に見た情報を記憶として蓄積できず、2番目、3番目以降の情報もどんどんダダモレてしまう人がけっこういたのです。

ここでは、ハムスター係を例に出しましたが、国際情勢などはこの図が更に複雑になったようなものです。

シリアのアサド大統領がいました。
アサド大統領は国民を弾圧しているので、デモが発生しました。
一部の過激派とアサド大統領側の軍隊がぶつかり、国際問題となっていきます。
欧米諸国は民主化を目指すために国民の味方ですが、中国やロシアなどはアサド大統領を支援しています。
シリア

このように、シリアのアサド大統領を起点に頭の中の情報を更新していくのですが、思考の棚が築けずに「アサドって誰だっけ?」と、相関関係が分からなくなってしまうのです。

しかも、思考の棚が築けないのは20代前半の若年層(結構良い大学を出ている)に多いようでした。私見ですが、この現象にはツイッターが一役買っているような気がします。ツイッターは体系的思考がなくても単体で刺激的なコンテンツが目の前をベルトコンベアのようにどんどん流れていきますから。
ツイッターに限らず、スマートフォンの作りは体系的思考を求めないベルトコンベア型(フロー型)がほとんどなのです。

ということで、一番の訓練はとにかく本を読むです。特に物語は、登場人物とそれぞれの利害関係を把握するには、最も役にたつツールなのです。

■最後に
そして、皆さんはハムスターをどうするのが最適化だと思いますか?生き物係を作りますか?それとも先生が引き続き世話をしますか?
正解は、次回のブログで・・・。

※関連エントリ
体系的思考は、これからの時代には必須だと思う
体系的思考の養い方

体系的思考の養い方

book

ツイッターばかりすると、バカになるのか

前回、体系的思考について書いてみたのですが、“体系的”と真逆にある構造を持つのがツイッターです。140文字の情報がどんどん流れてきて、分断された短いテキストが目の前のベルトコンベアをゴトゴトと通過しているようなイメージがあります。

ツイッターが米国で流行っていた2007年くらいに、ニュースサイトで「ツイッター中毒者続出」というニュースを見て、何が面白いのかと思ったのですが、実際にやってみると中毒になる理由がよく分かります。目の前を流れる情報に身をまかせるのが習慣になり、ツイッターを頻繁に見てしまうようになるのです。2ちゃんねるか何かで見たのですが、「ツイッターに慣れてしまうと、自動的に更新されない静的テキストを見るのが辛くなる」というコメントがありました。けっこう同意です。

2年くらい前、大学4年生の人と話していたら、「毎日ツイッターを見て、iPadを持って大学の講義を取ってていう生活をしていたら、明らかにつまらない人間になったので、今は本を読むクセをつけている」と言っていました。

リアルタイム制メディアという意味で非常に価値があるツイッターですが、中毒性がある分、そればかりにハマってしまうと、体系的思考はどんどん抜けていくと思います。

体系的思考を養うには、物語をよもう

じゃあ、体系的思考を養うにはどうしたら良いのでしょうか?それには、物語を読むことが一番です。しかも、1度だけではなく何回も読める物語が一番です。例を挙げると、ドフトエフスキーやトルストイといったロシア文豪の小説、日本の作家でいうと村上春樹氏の小説、アメリカの現代作家なども良いかもしれません。逆にミステリー等はおすすめしません。なぜなら、ミステリー小説は一つの筋を追う内容であって、多重構造になっていないからです。

トルストイ代表作「アンナ・カレーニナ」は、アンナという女性が不倫の果てに悲劇的な末路を迎える内容ですが、実際に読んでみると色々な読み方が出来ます。影の主役ともいえる貴族、リョーヴィンの恋物語であったり、ロシアにおける農業に従事する人々と貴族との関係を考察した本でもあります。こういった本は、本のどこにフォーカスするかによって、読み方が異なってきます。物語が多重構造になっているのです。

ということで、前回のエントリを見て頂いた方はピンと来たかと思うのですが、体系的思考を養うためには、モノゴトを体系的にカテゴライズした後で、抽象化して別ジャンルにフォーカスする。という手続きが必要でした。多重構造を持つ物語を繰り返し読むということは、このモノゴトを体系的にカテゴライズし、自分の視点を特定カテゴリにフォーカスしたり、抽象化してフェードアウトしたりという練習になるのです。

現在は、ビジネス新書やミステリーが持てはやされていますが、もっと物語が見直されても良いのではないでしょうか。

良かったらツイッターフォローしてね(@toriaezutorisan)
http://twitter.com/toriaezutorisan

体系的思考は、これからの時代には必須だと思う

考える

体系的思考がもたらすメリット

私が心の中で軍曹と呼んでいるロジカルの鬼が言っていました。「最も仕事をする上で重要な資質は体系的に考えることだ」と。

体系思考とは、全体像を把握した上で各カテゴリに分類してとらえることが出来る能力です。そして、モノゴトを抽象化して、別のモノゴトと繋ぎ合わせることが出来ます。この思考を身に着けておくと、とても便利です。

クックパッドのサービスを例に、体系的にとらえてみましょう。

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■クックパッドの全体像
投稿型料理のレシピサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
料理が好きで、自分なりのレシピを工夫している主婦に
★どのような価値を
料理のレシピを披露出来る場を提供し、実際に作った人からのフィードバックが得られる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、調理ステップごとにテキストを投稿できる機能を使って

〇閲覧者にとってのクックパッド
———————————-
★どのような顧客に
毎日の献立などに悩んでいる主婦に
★どうのような価値を
定番から季節のメニューまで、多種多様な料理レシピを
★どのような方法で
ランキングや素材検索、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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ということで、体系的にとらえらることが出来ました。こうして物事を細分化してカテゴリという引き出しに入れておけば、色々なメリットがあります。
例えば誰かからその物事に関する質問をうけたとき、どこのカテゴリについての質問かが即座に理解できて議論もスムーズになります。また、カテゴリの中のひとつの条件が変わったとしても、引き出しの中の情報を上書きすれば、その他のカテゴリに影響を及ぼすかどうかというのも考えやすくなります。
逆にいうと、コレが出来ない人は、前提条件が1つ変わるだけで全てのデータを書きなおす必要があるので、再び理解するまでに大変な時間がかかったりします。体系的な議論が出来ないと、会議の時間は2倍にも3倍にも膨らむでしょう。今、どこのカテゴリを取り出して議論しているのかということ自体が理解できないからです。

抽象化する思考法で、アイデアの幅がぐんと広がる

さらに、これを抽象化することは企画者にとっては必須となる思考法です。
一度抽象化してみましょう。

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■クックパッドを抽象化
特定のジャンルが得意な人が、全体にやり方をレクチャーするサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとってのクックパッド
———————————-
★どのような顧客に
生活等習慣性のある特定のモノゴトが得意なユーザーが
★どのような価値を
その方法を披露し、評価によるフィードバックを受けられる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、分かりやすいUIで

〇閲覧者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
生活等習慣性のある特定のモノゴトに対しての情報、やり方が欲しいユーザーに
★どうのような価値を
ニーズのある多種多様な情報、やり方を
★どのような方法で
ランキングや素材検索、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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ということで、抽象化できました。抽象化すると、何が良いのでしょうか?これをじーっと眺めていると他に転用できることに気づきませんか?たとえば、抽象化したものをもう一回どこかにフォーカスするとこんなサービスが出来ます。

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■クックパッドを抽象化~掃除・インテリアの投稿サービス~
掃除・収納インテリアが得意な人が、全体にやり方をレクチャーするサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとっての~掃除・インテリアの投稿サービス~
———————————-
★どのような顧客に
お掃除、収納方法等がたけているユーザーが
★どのような価値を
お掃除の方法や、インテリアの小技を披露して、実際にやってみた人からのフィードバックが得られる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、ステップごとにポイントなども加えて

〇閲覧者にとっての~掃除・インテリアの投稿サービス~
———————————-
★どのような顧客に
掃除の仕方や収納について悩んでいる主婦に
★どうのような価値を
お掃除の時短テクニックから、可愛く収納できるインテリアテクニックまで
★どのような方法で
ランキングや掃除する箇所の選択、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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と、いうことでクックパッドを体系的にカテゴライズした後で、抽象化して別ジャンルにフォーカスすると、家事の総合ハウツーサイトが出来上がります。
この思考法が出来る、すなわちアイデアの引き出しが多いということです。

ということで、体系的思考は大事だよねというお話でした。