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中高生がLINEではなく、Twitterの鍵アカでコミュニケーションする理由

鍵アカのTwitterでコミュニケーション。それ、LINEでよくない?の謎

日本のネットカルチャーはよくガラパゴスだと言われていますが、その中でもTwitterは以前ブログに書いたように独自の文化圏を築いていますTwitterは以前ブログに書いたように独自の文化圏を築いています
その中でも、大人に理解しがたいのが、中高生のTwitterの使い方です。中高生の多くがTwitterを鍵アカウント(フォロワー以外には非公開)で使って友達とコミュニケーションを取っているのです。

フォロワー以外に非公開でコミュニケーションを取るのであれば、それLINEのグループでよくない?と大人は思ってしまいますが、中高生の鍵アカによるコミュニケーションは活発です。さらに、鍵アカをひとつだけではなく裏アカなど複数所有し、そちらであまり公につぶやけないことをつぶやいたりしています。(そして、だいたいは友達の存在を通して裏アカがバレる騒動が起きたりします。)
中高生は、なぜTwitterをこのように使っているのでしょうか。それには、3つ理由があると思っています。

ひとつめの理由は、Twitter上で友達を広げたいという理由です。LINEだと、すでに友達になっている友達同士での交流になります。しかし、Twitter上に登録された中高生のプロフィールを見ると、かなりの割合で所属している学校名や部活、好きな芸能人などの情報が書いてあります。これは、アカウントを鍵アカにしつつも、近隣の学生や同じ芸能人が好きなどの趣味が合う人がいれば繋がりたいという意識の表れです。

ふたつめの理由は、王様の耳はロバの耳理論です。この物語は有名な童話で、王様の耳がロバの耳であるということを知ってしまった床屋が「王様の耳はロバの耳」と井戸に叫んで発散していたところ、その井戸が街に繋がっていて知れ渡っていたというお話です。

人間というのは、誰かの秘密や嫌いな人の陰口などを、誰かに言って発散したい生き物です。それはLINEで親しい友達に言えば良いのではと思いますが、ここに一つ自己顕示欲のフィルターが入るような気がします。もしも誰かの秘密をLINEで話した場合、その秘密を話した本人が「知っていたこと」は当事者同士しか分かりませんが、鍵アカ(しかも裏アカ)を所有している時点でその人は何かを知っているんじゃないか、という雰囲気を装えます。

思春期特有の傾向として、友達の中でも何かを知っているとか、陰があるというのはひとつの自己表現になりうるので、あえて鍵アカで裏アカを作り、その存在をにおわせることによって心理的なパワーゲームが行われているのではないか、という気がします。

そして最後が最大の理由になるのですが、この説の根拠の元は「ゆる募」にあります。

Twitterで「ゆる募」するのは、既読スルーされて傷つきたくないから

けっこう前に「ゆる募」というキーワードが主にTwitter界隈で流行しました。「ゆる募」というのは「ゆるく募集」の略です。今日とか明日、ご飯行きたいけど一緒にいく?などを、ゆるく募集する、というような意味で使われます。

私は、若年層が鍵アカでコミュニケーションする最大の要因はここにあるように思います。Twitterがゆる募だったとしたら、LINEは本気のお誘いです。LINEで発言するということは、対個人にしろ対グループにしろ情報の受け取り手にリアクションを求めることを意味します。

しかし、Twitterは返信を強要しません。LINEで返信がなかったら既読スルーという扱いになり傷つきますが、Twitterでつぶやいてリプライが来なかったとしても、それほど傷つきません。それは、ただのつぶやきだからです。同じように、LINEでご飯に誘って断られたら傷つきますが、Twitterで「ゆる募」する限りは「あくまでもこれはゆるい募集である」という免罪符があるため傷つかないのです。

このように、相手に返信を強制せずに、たまにリプライやいいねがつくというような交流の手法によって、自分の存在を軽んじられ傷つくというのを回避できる設計になっているのです。
(公開アカウントだと、クラスの人気者はものすごい量のいいねがつくけど、ぼっちにはつかない、というようなつぶやきを見たこともあり、人気という戦闘力の可視化を防ぐためにも鍵アカにするのかもしれません。)

ということで、若年層がLINEではなくTwitterでコミュニケーションを取る最大の理由は、返信を強制するLINEではなくつぶやきツールであるTwitterを使うことで、傷つことを避けるためではないかと思います。

インターネットサービスの多くは、何かを得るためというよりは何かを失わないために設計されているものがマジョリティになるのかもしれません。
以前も書きましたが、食べログは美味しい店を積極的に探すというよりは、ハズレの店をひかないようにするサービス食べログは美味しい店を積極的に探すというよりは、ハズレの店をひかないようにするサービスだと思うのです。