映画を「監督」で選ぶと、今より100倍楽しめる

映画好きな人には、好きな監督がて、好きな監督の映画をチェックするという人が多いです。考えてみると、料理は料理人の腕に左右されますし、映画が面白いか否かも監督の腕に左右されるんですが、あまり重視されてない気がします。なぜかというと、監督によって映画の良しあしが分かるようになるには、相当量の映画の本数を見て、自分の中で好みのマッピングが出来ないと判断しづらいからなのです。

ということで、こういう好みの人には、この監督の映画がおススメというのをご紹介してみます。

大人のファンタジーやティム・バートン作品が好きな人に ~ウェス・アンダーソン~

作品に登場するカワイイホテルは、ミニチュアで作られたもの「グランド・ブダペスト・ホテル」

ティム・バートンの時点で監督名なのですが、ティム・バートンといえば「チャーリーとチョコレート工場」などヒット作品を多数輩出しているフィルムメイカーです。昔からファンタジー作品を多く扱ってきたのですが、このへんのファンタジーが好きな人に薦めたい監督がウェス・アンダーソンです。

「ダージリン急行」や「ムーンライズ・キングダム」あたりが有名ですが、彼が発表する映画の大半はファンタジーに彩られた映画でありつつ、かなりのブラックユーモアを含みます。しかし、映像がポップでカワイイキャンディカラーに彩られていたりと、映画美術にもこだわりがあるため、ブラックユーモアがどこかシニカルに映るんですね。終始クスっとしながらも、家族の問題だったり、映画内にちゃんとテーマがあるのがポイントです。
(そういえば、ティム・バートンも映画「ビッグ・フィッシュ」で、はじめて100%のファンタジーではなく、父親との確執というリアルな題材を取り入れています。)

映像がオシャレなので、かわいいオシャレ映画を観たい場合は「ムーンライズ・キングダム」や「グランド・ブダペスト・ホテル」あたりがおすすめです。

マカロンカラーのガールズムービーが観たい人に ~ソフィア・コッポラ~

岡崎京子好きにおすすめしたい「ヴァージン・スーサイズ」

ハリウッドの中でも、それほどメジャーではない映画のカテゴリとして、ガールズムービーというものがありました。今では、ほとんど見られなくなりましたが、女子による女子のための映画です。その中でも、サブカルに傾倒している女子向けなのがソフィア・コッポラの映画です。「マリー・アントワネット」は、マカロンタワーが登場するガールズムービーの元祖といった感じで、中世のフランスを舞台にしているのに、音楽にロックや現代ポップスを使っていてすごくオシャレなんですね。音楽にこだわりがあるのもソフィア・コッポラの特徴で、東京を舞台にした映画「ロスト・イン・トランスレーション」では、はっぴいえんどの「風をあつめて」が使われています。
ちなみにソフィア・コッポラの処女監督作である「ヴァージン・スーサイズ」はその名の通り5人姉妹が自殺する話なのですが、岡崎京子の漫画が好きな人たちにハマるんじゃないかなあと思います。すごく静かでオシャレな映画です。

アクションとバイオレンスに溢れたザ・映画を観たい人に ~クエンティン・タランティーノ~

ここ数十年の中でも指折りの名作「パルプ・フィクション」

「キル・ビル」などで知られる監督ですが、すでにアメリカでは巨匠扱いされている気がします。タランティーノ作品の特徴は、底が厚いことなんですね。彼の作品を観たことがなくても、ふつうにバイオレンスに溢れたアクション映画(昔の作品はけっこうエログロあり)として楽しめます。
さらに深く映画を観ると、タランティーノは生粋の映画オタクだったため、60年代から70年代の映画のムーブメントを切り取って自分の作品に詰め込むのがけっこう好きで、その集大成が「キル・ビル」だったりします。映画を観ていると、謎に中国のカンフー映画のテイストが入り込んできたりして面白いです。ちなみに私が一番名作だと思う「パルプ・フィクション」には、小ネタがたくさん散りばめられつつも、映画の構成が斬新で最後ハッとさせられる人間ドラマがあります。

救いのない終わり系の漫画や映画が好きな人に ~ミヒャエル・ハネケ&パク・チャヌク~

きれいすぎる映像とエグい内容がうらはらな「オールド・ボーイ」

最近電子コミックなどでも救いのない終わり系の漫画がたくさんありますが、この2人のフィルム・メイカーは救いのない映画を割と作る人たちです。ミヒャエル・ハネケ監督は「ファニー・ゲーム」というハリウッドでもリメイクされた作品を作っています。湖畔の別荘で休暇を楽しんでいた家族に忍び寄る、男たちとの一夜を描いた映画です。過去に監督のインタビューを見た時に「自分にとって映画はエンタテイメントではない」と言ってたので、あまり観客のことは気にせずアートとして作ってるのでしょうね。

一方のパク・チャヌク監督は韓国の監督さんですが「オールド・ボーイ」などの映画で知られています。「オールド・ボーイ」は15年間監禁された後に突如開放された男の話なのですが、息が詰まりそうなストーリーの割に映像がめちゃくちゃ綺麗で、映像の切り取り方がとても面白いので、見ていて引き込まれます。映像がきれいだし、話にも切迫したものがあるので、ぐいぐい見させられているうちに、最後に衝撃のなんぞが待ち受けている・・・。そんな作品です。
この「オールド・ボーイ」を始めとする復讐三部作ー「親切なクムジャさん」「復讐者に憐れみを」は、すごく人のイヤーなところを突いてくる演出の数々ですが、映像が綺麗なので見れてしまうんですね。

疲れているから頭を空っぽにして、ただのハリウッド映画を観たい~ニコラス・ケイジの出ている映画~

観ていないがたぶんいつもニコケイ映画「ゴースト・ライダー」

最後の最後で監督の名前ではなくて急に俳優のニコラス・ケイジが出てくるのですが、誰しも疲れていて頭を使いたくない時があると思います。そんな時におすすめなのが、ニコラス・ケイジが出ている映画です。ニコケイ映画というカテゴリを作ってもいいなと思うくらい、ニコラス・ケイジが出ている映画はおしなべて65点くらいの面白さです。(100点満点で面白い映画を観るとアドレナリンが出て疲れるので、65点くらいの温度低めのエンタメ映画が疲労回復には良いのです。)
ちなみに、ジャスト65点という感じでオススメしておきたいのが「ゴースト・ライダー」です。映画を観ていませんが、チラシの感じから察するに、いつものニコラス・ケイジによる65点くらいのエンタメ映画に間違いないでしょう。

ということで4人の監督と、一人の俳優の映画をおすすめしてみました。

WEB広告を出稿する前後にやっておくべきこと6点

WEB広告をなんとなく出稿てしまって、結果が良かったのか悪かったのかがふんわりしていることが多いと思います。WEB広告を出稿する前と、その後にやっておくべきことを解説します。

出稿前にやっておくべきこと

■1 顧客あたりの広告予算を決めておく

広告を出稿した後は、費用対効果を分析する必要があるので、まず顧客ひとりにかけられる広告予算を設定します。saasなどのサブスクリプションのサービスであれば、1人あたりの顧客が生み出す収益を割り出し、そこから原価と利益を引いた額の何割かを広告予算に割り当てて良いと言うことになります。

▼saasなどのサブスクリプションサービスにおける1顧客あたりの広告予算
下記を割り出した上で販売管理費のうち、1顧客にかける広告予算を決定する。

LTV(顧客あたりの月額売上÷月間退会率)ー1人あたりにかかる原価=1人あたりの販売管理費+利益
→広告費は販売管理費に含まれるため、販売管理費から広告予算を按分する。

■2 カスタマージャーニーから広告フローを作成する

カスタマージャーニーというのは、顧客が商品の購入に至るまでの思考、行動、感情などをモデル化したものです。ユーザーへのインタビューなどを通して作成します。例えば旅行代理店であれば、旅行への申し込みをするまでのユーザーの行動をモデル化します。例えば、ユーザーが旅行に行く前には「〇〇(目的地) 格安」といったクエリで検索するという情報が得られれば、広告においてはリスティング広告が必須だということが分かり、さらに有効な検索クエリへの手がかりも得られることになります。

カスタマージャーニーは顧客のペルソナごとに何種類か作成することをおすすめします。その上で、最終的に広告フローを作成します。商材によっては、直接コンバージョンに影響しなくても、認知のみを取る広告を組み合わせる必要がある場合があります。(主に不動産や車などの高価格商材が当てはまります。)
認知を取る広告、認知後の顧客を誘導する広告、コンバージョンに直接影響する広告など、AISASのモデルに沿って広告をフロー化していきます。

カスタマージャーニーで得られた顧客とのタッチポイントを整理した上で、広告フローに落とし込み、認知獲得の広告にいくらかけるか、コンバージョンに繋がる広告にいくらかけるかを割り振ります。

ただし、このステップについては、特に顧客単価が高い商材について有効なので、商材が数千円程度の化粧品であったりした場合は、簡易にやって良いステップだと思います。

■3 広告代理店に委託するか判断する

自前で広告を運用するか、それとも広告代理店に委託するかを判断します。自前で運用する場合は、自社にノウハウは溜まるというメリットはありますが、人材をアサインする必要があるのと、ノウハウが溜まるまでにトライ&エラーが生じるというデメリットがあります。代理店に委託した場合は、運用人材はアサインしなくても良くなり、短期間で効果が出やすいというメリットがありますが、自社に細かいノウハウは溜まりづらい、代理店フィーが出稿額の15~30%程度かかるというデメリットがあります。

また、広告代理店に委託する場合はミニマムの出稿金額が決められているため、月額の出稿金額が100万円に満たない場合は、自前ではじめられることをおすすめします。

■4 広告流入ごとの成約(コンバージョン)が計測できる設定をしておく

意外と広告流入ごとの成約(コンバージョン)を計測していないケースがあります。アプリプロモーションの場合は、広告代理店に委託すると、自動的にadjustなどのコンバージョンが計測できるツールの導入前提で出稿することが多いのですが、WEBプロモーションの場合はアナリティクスなどの計測ツールにて、コンバージョン設定を自社で行わなければなりません。
例えばダイレクトレスポンス系の商材であれば、申込完了ページにコンバージョンを設定しておきます。そして、WEB広告への出稿URLに流入先を判別するためのUTMパラメータを付与することにより、コンバージョンに到達したユーザーの流入元が分かります。

出稿後にやっておくべきこと

■5 広告レポートの把握と次回アクションの設定

出稿が完了したら、広告レポートの把握と次回アクションの設定をする必要があります。チェックポイントとアクションは下記の通りです。
  • 広告ごとのコンバージョン件数を割り出し、広告ごとの獲得単価を計算
    (ただし、広告モデル作成時に認知を取るために指定していた広告はそもそもKPIがコンバージョンではなくて閲覧数などになるため、この限りではない。)
  • 広告ごとの獲得単価が、顧客あたりの広告予算を超えていないかチェックする
  • 広告ごとのインプレッションやCTR(クリック率)を計測して、広告クリエイティブの最適化を行う
    →代理店に委託している場合は、この点のレポートや提案をもらうことが出来ます。
  • 上記の結果から広告予算の再調整や、ランディングページの改修、クリエイティブ最適化などを行う。

■6 広告流入ごとのユーザーの継続率を計測する

saasなど顧客の継続率が重要な商材の場合は、広告流入ごとにユーザーの継続率を数か月単位で追った上で、予算を再分配した方が効率的な場合があります。単月で見て顧客あたりの単価が安く抑えられていたとしても、他の広告に比べて解約が早ければ、結果的に一件単価が高く見える他の広告の方が効率が良くなるからです。

コンバージョンの前提が会員登録である場合は、登録時に広告パラメータを会員データベースに紐づけて、広告ごとの退会率を取れるようにするのがベストです。特に会員登録がなく、単純にサイトへの再訪という観点での継続率を取りたい場合は、アナリティクスで集計するには以下の2つの方法があります。

1.コホート分析
2.UTMパラメータにてセグメント設定を行い、当該期間におけるユーザー数とセッション数の割合を見る

1番目のコホート分析は、UTMパラメータで設定しておいた広告経由ごとの継続率が見られます。2番目はUTMパラメータでセグメント設定をしておき、当該期間にてユーザー数とセッション数を比べるとどの程度のユーザーが再訪しているかが分かります。例えば広告A経由のセグメント設定をしたとして、このセグメントにおける3か月のユーザー数が1,000、セッション数が3,000とすると、1ユーザーにつき平均3回訪問していることになります。

ということで、WEB広告を出稿する前と後にやっておくべきことでした。

落語とミステリー小説が似ている理由

ミステリーの叙述トリックのごとく、情報を欠落させる落語

落語家の立川志の輔さんの新春落語を観に行ったのですが、はじめて落語を観たんですね。そして、大変に面白かったのですが、立川志の輔さんが「落語って不思議なもので、実態がないんですよ。舞台装置もなくて、人も一人しかいない。じゃあ実態はどこにあるのかってお客さんの頭の中にしかない。」っていう話をされていて、確かにそうだなと思いました。

落語は派手な舞台美術もなく、落語家さんが一人で座布団の上に座って、話をするだけなんですね。だから、落語という芸能において、コンテンツはどこに存在するのかと言われると、お客さんの頭の中にあります。
落語のしくみは、落語家さんが話の情報をわざと欠落させた上で、お客さんの想像の裏をかいて笑わせるというものです。立川志の輔さんの落語のワンシーンでこんなものがありました。

「先生、最近毎朝コーヒーを飲むたびに目が痛いんです。そんな病気あるんでしょうか。」
「コーヒーを飲んで目が痛い?どれ、毎朝どんな感じでコーヒーを飲んでいるか、ここでやってみてください。はー、なるほど、コーヒーカップに、コーヒーの粉を入れて、お湯を注いで、かきまぜて、飲む、飲む、飲む・・・。ってあなた、原因が分かりましたよ。」
「原因が分かったんですか?」
「そりゃ、目が痛くなりますよ。あなた、コーヒーを飲むときは、スプーンを取って飲みなさいよ。」

ということで、オチはコーヒーカップをかきまぜたスプーンを取らないから、それが飲むときに目に刺さっていたということなんですね。ここで興味深いのは、ミステリーの叙述トリックのごとく、さりげなくコーヒーをかきまぜるという表現によってスプーンの存在を示唆するものの、明示はしてないんですね。コーヒーを飲んでいる人の情景を見ている側(先生)が描写することによって、観客はこういう風に飲んでいるんだろうなという情景を想像するようになります。
観客の想像の中ではコーヒーのスプーンという存在は欠落しており、最後の先生の一言のせいで、自分の想像の中にコーヒースプーンが目に刺さっているという状況が足りなかったことに気づき、その意外性の落差によって笑いが生まれるのです。

ということで、落語はあえて「言わない、見せない」ことによって、観客の想像力にゆだねて、最後のオチでその想像の裏をかいて意外性で笑わせるという構図になっています。

コンテンツが明示して存在しないことにより、お客さんの頭の中にコンテンツが生まれるのです。

落語は演者が一人、小道具もセンスと手ぬぐいだけ、さらに演者はざぶとんに座っているので上半身のアクションしか取れないという、究極にコンテンツが省かれた演芸です。逆にいうと、その分お客さんの想像という余白が入る余地が大きいので、そこに笑いが生まれる余地があるということになります。

これに、下半身の動きを加えて演者をもう一人増やすことにより、表現領域が広がったものが漫才とかコントなのだと思います。

小説なども同じく、あえてコンテンツの箇所を抜いて余白を作ることにより、読み手に想像させるという作りになっています。例えばこのような文章があったとします。

A氏はエレベーターに乗り込むと5階へ向かうボタンを2、3度連打した。エレベーターのドアは朝晩開閉されるお城の門のように、重々しく締まった。A氏は3分前にも眺めた腕時計に再び視線を落とした。エレベーターの乗降スピードはまるで亀の歩みのように感じられた。

この文章中には、A氏は急いでいてイライラしている。という直接的な表現はありませんが、A氏のしぐさや比喩の表現により、A氏が急いでいてイライラしている情景を想像することが出来るのです。

こういった表現からA氏の心情を察することは文脈を読む力であり、国語のテストでも「A氏のこの時の気持ちを次の4つから選べ」みたいな問題が出てきます。

ちなみに、前にも日本人は特に言葉遊び好きで文脈を読むことに長けているというブログを書いたことがあるのですが、近年は文脈を紡がないでそのまま描写するコンテンツが増えてきているように思います。ライトノベルや電子コミックで人気の漫画などを見ると、読者の想像にゆだねる余白はなくて、全てを書き切っている、イメージです。主人公が悲しい時は主人公に悲しいと言わせ、くやしいときはくやしいと言わせるんですね。

落語のようにコンテンツの引き算(余白)がない場合は、コンテンツの強さそのもので表現することになり、過激な方向に進む傾向があるように思います。電子コミックの人気タイトルもデスゲームとかグロなどの、存在自体が強いコンテンツになっていると思うのです。食べ物に例えると落語はだしをひいたおすまし、電子コミックは豚の背油が入ったラーメンでしょうか。

ということで、コンテンツを100%表現しきるか、あるいは表現を間引くことによりお客さんの頭の中に存在させるのかというお話でした。

一度消滅したホラー漫画市場が、マンガアプリによって復活した理由

一度は消滅したホラー漫画市場

ホラーマンガという市場は、一度消滅してると思うんですよ。今から20年以上昔のことですが、当時は本屋さんの漫画雑誌コーナーに「サスペリア」とか「ホラーM」とかホラーマンガ誌が平積みされていました。そして、コンビニエンスストアの棚にも御茶漬海苔先生など、ホラーマンガ家の漫画が並んでいました。しかし、2000年代に入ると漫画雑誌コーナーで平積みされることもなくなり、もっと奥のアングラな方へ追いやられ、どんどん休刊していきます。
(ちなみに、かつてホラー漫画誌サスペリアを読んでいたという友達と話をしようとしたら「第三者がいるときは絶対その話を口にするな。」と言われました。ホラーマンガ誌を定期的に読んでいたというのは、あまり公表されたくない事実であるというのも、追いやられた原因のひとつかもしれません。)

ちなみに、ホラーマンガの市場の終わりを見る中で、ひとつの発見があります。「市場は消滅しても天才は存続する」ということです。伊藤潤二先生というホラーマンガ家の方がいるのですが、富江シリーズなど美しい少女の描写で知られています。伊藤潤二先生は多くの専業ホラー漫画家が仕事を続けられなくなる中で、ほぼ唯一と言っていいかと思いますが、ホラー漫画一本で来ています。富江シリーズなどは映像化もされており、あの「HUNTER×HUNTER」の冨樫義博先生も、描写に影響を受けているとネットで話題になっています。(描写に影響を受けているを超えて、けっこうまんま使ってないか?って思っています。)

当時「サスペリア」というホラー誌にて、犬木加奈子先生他のホラー作家たちの対談で「伊藤潤二はヤバい」と、才能を全員が賞賛するくだりがありました。
たとえ、市場が消滅したとしても、圧倒的な天才というのは生き残るのです。(たとえバトル物の少年漫画というジャンルが消滅したとしても、冨樫義博という才能が消えないのと同義です。)

ケータイ文化により、盛り返すホラー漫画

漫画雑誌からは消滅してしまったホラー漫画が生き返るきっかけが、ケータイ文化のはじまりです。フィーチャーフォン(ガラケー)時代になり、「魔法のiらんど」や「E★エブリスタ」など、若年層がケータイで作文して小説を投稿するという文化が生まれます。ケータイで短い文章を作って投稿するということは、冒頭を読んだだけですぐに設定が分かるソリッドなシチュエーションや刺激の強い設定が必要になります。このあたりから「王様ゲーム」などに代表されるグロいコンテンツ(=ホラー)が息を吹き返しはじめるのです。
一度人気作品になると、漫画化や映像化などメディアミックスされることになり、「王様ゲーム」の漫画版ははシリーズ全体の発行部数が800万部を超えています。このように続々とグロい系ホラーコンテンツが漫画化されることで、若年層にホラーコンテンツが浸透していきました。

ちなみに、ケータイ小説の代表的なジャンルのひとつが、先ほどの「王様ゲーム」などに代表されるデスゲームです。最後のひとりになるまで殺し合うとか、生き残る系の設定はまさに2000年前後に大ヒットした「バトルロワイアル」そのものであり、ケータイにてホラー系小説を投稿していたユーザーは、バトルロワイアル及びそこに追従したリアル鬼ごっこなどの影響を色濃く受けています。

漫画アプリ全盛により、商売が成り立つようになったホラー漫画

その後、スマホの普及に伴う漫画アプリの流行により、ホラー漫画の収益性が高まる状況になっています。漫画アプリの最も効率の良い収益モデルは「ピッコマ」などに代表される、1日1回は無料で読めるモデルです。1日1話づつであれば課金をせずに読み進めることが出来ますが、続きが気になる人はチケットを購入して読み進めます。

このモデルで最も相性が良いのが、ホラーコンテンツなのです。例えば、殺人鬼に追われていたとして、主人公が転んだところで終わったら、続きが気になるので24時間待たないで課金しますよね?
および、これら漫画アプリの集客導線はWEBやアプリ内広告なので、グロいビジュアルを出せばクリックレートが高まるので集客しやすく、ホラーだと課金との相性が良いために今の時代に適したコンテンツとなったのです。
(おまけに、冒頭のホラー漫画雑誌を読んでいた中年の人たちはホラー漫画誌を買いづらかったので、アプリであれば読みやすいということと、そもそも若年層はグロに抵抗がないため親和性が高いという背景があります。)

その昔は電子コミックはエロが9割なんて言われていましたが、漫画アプリはグロが7割みたいな世界観になっているのではないでしょうか。(具体的データはないですが。)

スクエアエニックスの電子漫画アプリ「マンガUP」を見ると、多くのグロ系ホラー作品を目にすることが出来ます。(その昔、月刊少年ガンガンで南国少年パプワくんや魔法陣グルグルなど、ほのぼの系作品を観ていた身としては、複雑な気持ちです。)

これからのホラー漫画予想

といことで、漫画アプリによって息を吹き返したホラー漫画ですが、今後はホラー漫画の供給が追い付かない現象が起こるのではないかと思っています。漫画アプリが乱立していますが、掲載されている漫画にそんなに差異がなく、すでにコンテンツ側の供給が追い付いていない印象を受けます。

今後起こることとしては、漫画アプリにはグロ系のホラーコンテンツが不可欠であるため、ホラーコンテンツの原作者が重宝され、原作と作画を分けて作品の投入スピードが加速するのではないかと思います。

もう一点は、過去ホラー作品のキュレーションであり、サスペリアあたりで連載されていた作品を掘り起こして漫画アプリに掲載していく流れも起こると思います。(というか、もう起こっているのでしょうが。)

ということで、一度は市場がほぼ消滅したものの、マンガアプリの普及によってジャンルとしては息を吹き返したホラー漫画についてでした。
最後に、御茶漬海苔先生は「御茶漬 海苔」ではなく「御茶 漬海苔」です。

インフルエンサーには、共感型と恋愛型の2種類がある


巷では個人の時代だとかインフルエンサーの時代と言われますが、インフルエンサーには2種類あると思っています。ひとつめは「その人の行動・言動が好き」なパターンで、共感型のインフルエンサーと言えます。もうひとつは「その人が好き」というパターンで、インフルエンサーが異性の場合は恋愛型であり、同性の場合は憑依型のインフルエンサーになります。

そして、それぞれのタイプは生息するソーシャルにが分かれています。

「その人の行動・言動が好き」な共感型インフルエンサーは、Twitterに生息する

その人の言動や行動について興味関心、共感を頂けるということは、人よりもむしろ主軸がインフルエンサーが発するコンテンツにあります。例を挙げると面白いツイートや恋愛ネタ、ITやマーケティング系などのオピニオン系についてのコンテンツがこのカテゴリに入ります。そして、このエリアに属するインフルエンサーは主にTwitterに生息しています。

Twitterはつぶやきというコンテンツそのものが評価されれば、コンテンツ主体で拡散されやすい構造を持っているため、共感型のインフルエンサーが生まれやすいのです。日本人はTwitter好きと言いますが、それは言葉遊びや文脈を好む構造から来ていると思っていまして、そのあたりもオピニオン系のインフルエンサーと親和性が高い理由だと思います。

この共感型インフルエンサーは、ブログとの相性が良いので、長文はブログで書いて細かいコンテンツはTwitterでつぶやくというスタイルになります。

「その人が好き」な恋愛・憑依型インフルエンサーは、インスタグラムに生息する

恋愛・憑依型インフルエンサーを支持するファンは、コンテンツというよりは、その人自身に好意があります。つまり、異性が対象であればそれは非常に恋愛感情に近しく、アイドルに近い存在です。恋愛型のインフルエンサーはSHOWROOMなど、その人自体=コンテンツとなるプラットフォームで活躍しています。

また、同性が対象の場合は憑依型インフルエンサーになります。これは、ファンがインフルエンサーに対して同質なものを感じたり尊敬の気持ちを抱いており、インフルエンサー自身を自分に憑依させようとするからです。例えばその昔アムラーやシノラーといった芸能人の真似をするファッションが流行りましたが、まさにその人たちは憑依型のインフルエンサーであったと言えます。
また、廃刊が相次いでいるギャル系ファッション誌は、昔からこの憑依型のインフルエンサーを生み出すプラットフォームでした。益若つばさなど、ギャル系ファッション誌の読者看板モデルのファッションやメイク、生活スタイルまでを真似していたのです。現状はみちょぱなどの若年層に指示を受けるインフルエンサーが、インスタグラムをメインプラットフォームに選んでいるため、彼女たちのファンはインスタグラムを熱心に参照することになります。

共感型と恋愛・憑依型を兼ねるインフルエンサーはYOUTUBEに生息する

この2つの傾向を兼ねるインフルエンサーはユーチューバーです。ヒカキンのフォロワーは、ヒカキン自体を好きですが、同時に彼が生み出すコンテンツも好きです。YOUTUBERは、コンテンツとインフルエンサーが一体化したプラットフォームといえます。順番としては先にコンテンツがあり(ヒカキンであればボイスパーカッションやその後始めたゲーム実況)そのコンテンツに日常的に接触していくうちに、本人の熱烈なファンになるというルートをたどります。
少し前にYOUTUBERと水曜どうでしょうは似ているという記事を書いたのですが、この番組も、番組事態を楽しんでいるうちに番組を構成する登場人物に没入するコンテンツとなっています。キモは、完成されたコンテンツではなく、不確定要素や未完成ののりしろがあるため、見ている側が当事者としてのめりこめる作りになっている結果、出演者への共感が高まっていく作りになっていることです。

ということで、インフルエンサーにはいくつかの種類があるということですが、上記いずれの型にはまるインフルエンサーは、いずれもマスメディア全盛だった時代はマスメディアのみに存在していました。共感型のインフルエンサーはコラムニストや作家であったでしょうし、恋愛・憑依型インフルエンサーはアイドルやタレントで、共感型と恋愛・憑依型を兼ねるインフルエンサーはお笑い芸人などが近いのではないでしょうか。

しかし、ソーシャルのプラットフォームが解放された結果、それらのマスメディアを通さずとも各種のプラットフォームごとにファンを獲得するインフルエンサーが登場し、マスメディアに逆輸入されるという形が起こっていくのでしょう。

日本のメーカーが商品を多機能化するのは、内向的なせい

日本のメーカーの商品が多機能になる理由

日本のメーカーが内向的だとタイトルで言い切っているわけですが、内向的なんですよ。内向的というのは、内気とかおとなしいという意味ではなく、外交的が自分よりも外に対して興味あると定義した場合に、外よりも自分に興味あることを指します。

この場合の外というのは、すなわち顧客のことなので、日本のメーカーは

外(顧客)のことよりも自社のことに興味がある

ということになります。

日本のメーカーが出す商品は、多機能であることは間違いありません。炊飯器にしろ洗濯機にしろレンジにしろボタンがたくさんついていて、やれることがたくさんある結果、結局何をやったら良いのかよく分からなかったりします。

なぜ多機能になるかと言えば、外(顧客)を見ないで自社のことばっかり見てるからです。例えばチョコレートを開発するとしましょう。商品開発会議において、

「最近低糖質流行ってますよねー。ニーズありそうです。」

ということで、低糖質という機能を入れ

「リッチな大人向けのカカオも流行ってますね」

ということで、リッチな大人向けのカカオも入れ

「乳酸菌入りチョコも結構売れてるみたいですよ」

ということで乳酸菌も足し

「購買頻度を上げたいと考えると、お子さんのおやつ向けにオリゴ糖も入れてはどうでしょうか」

ということでオリゴ糖も配合します。

その結果、このチョコレートには低糖質でリッチカカオで乳酸菌入りでオリゴ糖も配合されているという特徴があることになり、商品開発メンバーは「こんなにたくさん良い特徴があれば売れるぞ」ってなるんです。

では、実際に顧客が何を思って商品を買うかと言うと、コンビニとかで棚に並んでるチョコレートを一瞥して瞬時に自分が食べたいと思うチョコを選ぶわけなのです。
この時何が起こるかというと、この商品は特徴があり過ぎるので、その特徴を理解する前に、分かりやすい特徴を絞ってあげている他社の商品を選ぶ確率が高くなります。
これをメーカーの商品に例えると、機能があり過ぎてよく分からない掃除機より「吸引力が変わらない、ただひとつの掃除機であるダイソン」という分かりやすいメッセージを持っている商品を選びやすいということです。

低糖質のチョコがほしいと思っている人は「低糖質」だけをうたっているチョコを買いやすいですし、美味しいチョコを食べたいと思っている人は「リッチカカオ」をうたっているチョコを買いやすいのです。

しかし、自社のプロダクトしか見ていない内向的な組織は、顧客が選ぶ時に情報が多すぎると受け止められないという顧客目線が抜けており、自社のプロダクトをもっと良いものにしようと思うあまり、機能を重ねてしまうのです。

もう一つの内向的な理由ー業界や自社の利害関係による

この例は、顧客ではなく自社のプロダクトのみを見て機能を積んでしまう例ですが、もう一つ内向的になるケースとして、業界や自社の利害関係の方を見過ぎて顧客を見ていないというのがあります。

例えばDVDの普及に伴い、コピーガードをつけるとかつけないとかで揉めました。ハードウェアが普及してコピーガードを付けないと、不正コピーが出回ってソフトウェア産業を毀損するのではないかと各企業が恐れた故です。
特にハードウェアとコンテンツの会社を両方所有するSONYなどは、両社のバランスを取る必要があるため、コピーガード推進派であったと記憶しています。
(おなじく、iTunesが出て来た時もSONYの対応が後手に回ったのは、自社が音楽プレイヤーのハードを所有する傍ら、音楽レーベルも所有していたジレンマです。)

日本は昔から暗黙知とかすり合わせが得意だと言われていますが、この空気を読みすぎるという性質が、業界や利害関係を読みすぎて対応が後手にまわる性質に結びついているのかもしれません。
コピーガードが云々をやっている間に、一足飛びにネットフリックスやSpotifyなどのストリーミング視聴が主流になりかけていますが、そのプレイヤーたちはいずれも日本出自ではありません。(Huluは日本テレビが買収しましたが)

ちなみに、業界や自社の利害を全く読まないことで有名なのがスティーブ・ジョブズです。iPodが大ヒットし、まだまだ売上をあげていた時にiPodの機能を包括したiPhone開発に着手しているのです。
このタコが自分で足を食うことをするというのは、オーナー企業でない限り実施不可能と思われます。

ということで、まとめると内向的な会社の特徴というのは、外(顧客)を見ないで自分のプロダクトばっかり見るので、多機能化しがちになり、顧客にメッセージが届かない。あるいは、業界や自社の利害関係にとらわれすぎて、折衷案のプロダクトを検討している間に空気を読まない海外勢がやってくる、という構造が多いのではないかと思います。

水曜どうでしょうがユーチューバーのはしりである件

好きな人はとことん好きな、水曜どうでしょう


水曜どうでしょうと言えば、大泉洋を輩出した北海道初のバラエティ番組として有名です。水曜どうでしょう祭りを北海道でやると宿が埋まって取れなくなるとか、DVDの売上がすごいとか数々の伝説を残しています。

水曜どうでしょうを見ていると、今流行りのユーチューバーの原始のように見えます。水曜どうでしょうを好きな人はとことん好きだけど、興味のない人は本当に興味がありません。好きでも嫌いでもないという中間層が薄いのです。同じく、ユーチューバーが作るコンテンツも、熱狂的な人は頻繁に見るけれど、興味がない人は存在自体しらないという2極化したコンテンツです。
例えば水溜りボンドと言われても、このブログを見ている人はほとんど知らないと思いますが、若年層には圧倒的な知名度を誇るユーチューバーです。
水曜どうでしょうもユーチューバーが手掛けるコンテンツも、興味のあるなしが圧倒的に二極化しているのです。

主軸となるのはコンテンツか人か


この両者の根本的な共通点が「人が主軸になっているコンテンツ」であるということです。水曜どうでしょうファンの会話を聞いたことはないでしょうか?水曜どうでしょうファンの会話はだいたいが「ようちゃん(大泉洋)が〇〇した」とか「ミスター(大泉洋の事務所の元社長)が〇〇した」とか「ふじやん(プロデューサー)が〇〇した」など、番組出演者が主語になっており、それに付属して〇〇したという動詞をつなげて話します。主軸になっているのは、人なのです。
同様にユーチューバーも人が主軸であるコンテンツです。(個人が動画を配信しているのですから、その成り立ちからいって、自然にそうなりますね。)
ヒカキンが虫捕りに行った。ヒカキンがゲームをプレイした。など、ユーチューバー自身が主軸であり、何をするかというコンテンツそのものはあくまで副次要素なんですね。

これを地上波の番組に当てはまると、アイドル番組も同じ構造になります。乃木坂46が出演するバラエティ番組「乃木坂工事中」において主軸となるのはアイドル本人たちであり、乃木坂46に何をさせるかというコンテンツはあくまで副次要素なのです。
逆に、多くの地上波の番組は、何をするかというコンテンツが主軸であり、人が副次要素になります。クイズ番組において、クイズというコンテンツの箱が先にあり、そこに回答者(誰)をはめるかという順番です。

人が主軸の場合のコンテンツの特徴


人が主軸の場合、コンテンツの寿命は長くなります。なぜならば、人が主軸のコンテンツが終わる時は、その人自身の人気が落ちた時だからです。逆に、コンテンツが主軸の場合は、その入れ物の賞味期限が来たらコンテンツは終わります。その昔マジカル頭脳パワーという番組があり、マジカルバナナなどライトなクイズで人気を博しましたが、ライトなクイズというコンテンツのブームが終わるとともに番組が終了しました。
逆に20年以上も続いていた「SMAP×SMAP」は、SMAPが解散さえしなければ、これ以降も続いていたでしょう。以前妖怪ウォッチの誕生秘話のインタビューを読んだ時、ストーリーがあるといつか物語は終わる。しかし、サザエさんのような日常のバタバタは永続性があり、それを目指してる的な記述がありました。
サザエさんもまた、磯野家という人が主軸であるコンテンツです。「水曜どうでしょう」も1996年から今にいたるまで継続して人気を博しており、人が主軸の場合はコンテンツの寿命が長くなるのです。

アイドル番組になくて、水曜どうでしょう(またはYOUTUBE)にあるもの


地上波でいえばアイドル番組は構造として水曜どうでしょうやYOUTUBEに似ているのですが、前者にはなくて後者にはあるものがあります。それは偶発性によるハプニングというのりしろです。

水曜どうでしょうには段取りはありますが、台本がありません。日本各地をめぐってクイズに答えるという企画でも、実際にクイズに正解するかどうかを台本に織り込んでいないので、先が読めません。1日の日程も決めていないので、目標より大幅に進捗が遅れることもあります。ゆえに、偶発性が多いのでハプニングが起こりやすく、いったんハプニングが起こるとハプニングそれ自体が強力なコンテンツになりやすいのです。そういったシチュエーションは印象に残りやすいので、口コミしたくなります。

ゆえに、水曜どうでしょうファンはハプニングによって生じた名場面を語り合うのです。例えば、西表島編では虫を追う虫追い祭りという企画だったはずが、たまたま参加したガイドのロビンソンさんが面白かったことと、彼に虫追い祭りを否定されたことから、急にうなぎを採りに行ったり、エビを釣ったりと当初と全く違う企画に変更しています。(後にロビンソンフィギュアも発売されたそうな。)

マレーシアのジャングルで動物を観測するための小屋に宿泊していた時は、トラの眼が光った!と大騒ぎになり(実際はシカだった)、その時ミスターが作ったバリケードがふにゃふにゃのマットレスで、バリケードとしての役割を果たしてなかったことも「ふにゃふにゃマットレス事件」としてファンの間で語り継がれています。

同じように、YOUTUBEにも偶発性というのりしろが存在するコンテンツです。偶発性によるハプニングというのりしろは、口コミを生みやすいので、ファン同士の結束をさらに固くさせるとともに、新たなファンを獲得するツールになります。

今の地上波において、一番欠けているのがこの偶発性によるハプニングだと思いますが、2番組だけ上記の条件を同じく兼ね備えた番組を発見しました。

「もやもやさまぁーず2」と「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」です。前者はさまぁーずという人が主軸であり、台本がほぼないので偶発性による小さなハプニングだらけです。後者は蛭子能収のクズっぷりをなんとかしようとする太川陽介が主軸であり、同じく台本がないので毎回クリア出来るかドキドキハラハラです。(現在は終了。)
ちなみに「水曜どうでしょう」も含めた3番組に共通点するポイントは、人気番組であるとともにDVDが割と人気ということです。つまり、ファンの熱狂度が高いので、DVDを所有して繰り返し観たいコンテンツであるということですね。

2倍の単価を払っても良いと思えるデザイナーとは

さっきFacebook広告を出そうと思って、広告に設定するクリエイティブをデザイナーさんにお願いしようと思ったんですね。で、その時ふと思ったんですが、Facebook広告に最適なサイズって何だったっけと調べていて、それがめちゃくちゃめんどくさかったんですよね。

なので、もしも「私はあらゆる広告の仕様や、その仕様に基づいた効果を把握しているため、最適なクリエイティブを作れます」ということが強みのデザイナーさんがいたら、すごく魅力的だと思います。

これを分解すると下記のような2段階になっていて

1 各種広告の規定サイズ調べるのがめんどくさい
→から、それをまかせられたら嬉しい

2 さらに広告種別ごとに、どんなクリエイティブが当たるか分かっている人にお願いしたい
→広告の効果が良くなるなら、アドオンで費用出せるくらいの価値がある

この2つがスムーズに出来るデザイナーさんがいたら、単価2倍以上でもいけるのではないかと思います。
1については、通常はサイズの指定は発注者が行いますし、2については広告の効果を気にしているデザイナーさんってそんなにいないと思います。(上に、特にフリーランスのデザイナーは広告の効果を見る機会もないので、事業会社でデザイナーをやっているか、もしくはフリーでも広告効果を見られる立場にいる必要がある。)


ちなみに、デザイナーさんといっても十人十色で、こちらが達成したいこととイメージだけを伝えれば構成まで組んでくれる人や、もしくはラフ書きとか構成までないと作れない人など様々です。

紙の媒体の時代はデザイナーはクリエイティブを使ってイメージを届けるというお仕事だったと思うのですが、WEBやスマホ時代になってからは達成すべき目標(申込やクリック)があるため、それを達成するためのクリエイティブは何か?という思考が大事なのだと思います。特に、WEBサイトやアプリなどは、クリックなどの操作を伴うインタラクションが発生する前提でのデザインなので、行動導線などをちゃんと読める文脈力も重要になってくるのだと思います。

レッドオーシャンを避けて、存在しない市場に行ってしまう失敗

成長市場にて、競合のカウンターポジションを取るべき

新規事業を始める際に最もやりがちな過ちは、市場が小さすぎるところに参入してしまうことだと思います。市場調査などを行っていると、成長市場は成長が見込まれるので競合が多いいなあということになり、競合がいない市場に行ってみたものの、市場が小さすぎてビジネスが成り立たなかったりします。

競合が多いと思われる成長市場において、その市場を避けるよりは、むしろ成長している競合のカウンターポジションを取って違うタイプの顧客を取り込んだ方が良いのです。
競合の製品がエンタープライズ向けの高価格帯商材であれば、顧客のターゲットを中小にずらして機能を中小企業向けに絞った低価格帯の商材を出すなどです。

しかし、競合が多くいる(ように見える)市場に入るのが怖いため、独自路線を走った結果「市場が存在していない」ところに参入してしまうケースが多いです。
「市場が存在していない」には2種類あって「今は市場は存在していないが、これから拡大する(これがピーターティールいうところの賛成する人が少ない真実ですね)」か、「今は市場が存在しておらず、これからも市場が存在していない」であり、圧倒的に後者の方が多いわけです。
例えば林檎を売るビジネスは昔からあるビジネスです。ここで競合にカウンターポジションを取って、顧客セグメントをずらして売るのであれば「高富裕層向けの高価格林檎」や「外食産業向けのカット済林檎」などが考えられます。特定の顧客セグメントに圧倒的に売れる商品を作るのです。

しかし「林檎は寡占市場だから、南米原産のホニャララフルーツを売ろう」となったらどうでしょうか。現状ホニャララフルーツの市場は存在していないため、その市場の開拓から始まる=つまり、顧客に対してホニャララフルーツを啓蒙しなければならないというスタートになるのです。
この時点で、すでに存在している市場よりも多くの営業人員や啓蒙のためのプロモーションコストがかかることが想定されます。

ということで、競合が多いからと成長市場を割けるあまり、変に差別化すると顧客が存在していない市場に入りがちになります。

ゴールドラッシュで最も儲けたのは誰だったか

市場が成長しきって寡占市場になっても、その市場が大きければ、その周辺事業にて儲けることが出来ます。

その昔、金を夢見た採掘者が集まったゴールドラッシュにて、一番儲けたのは「採掘者にシャベルを売った人だった」といいます。市場が成長しきった寡占市場においても、市場自体が大きければその周辺の事業の役割は大きくなります。
例えば、ソーシャルゲーム市場は市場が大きくかつすでに成熟期に入った市場だと思いますが、ソーシャルゲームの情報サイトが大きく伸びていたり、売上が下がって来たゲームタイトルを引き取って運用を行う会社なども業績を伸ばしています。

ちなみに今現在、業務系アプリケーションの市場が大きく伸びてきていますが、このITトレンドというサイトは業務系アプリケーションの一括資料請求が出来る情報サイトです。IR情報によると姉妹サイトであるBIZトレンドと合わせて直近1年の売上は9億5千万円以上あり、年平均成長率は5割近くだといいます(訪問者数は年間500万人。下手な業務系アプリケーションより儲かってますね)。

ITトレンドのビジネスモデルはアフィリエイト式であり、掲載社へ1件資料請求があるごとに成果費用が発生する形になっています。まさに業務系アプリケーションという名の金脈に集う人たちに、プロモーションという名のスコップを提供しています。

ということで、新規事業を考える際はビジョナリーなことを考えない限りは市場の大きさありきでカウンターを取るのか、周辺領域にいくのかを考えた方がいいなということでした。

メディアのKPIをPVにしてない?目的別で考えるKPIの立て方

メディアを新しく開設する際に数値計画を作ると思いますが、メディアだからといって安易に主要KPIをPVにしてはいけません。メディアを作る際のKPIの立て方を解説します。

何のためのメディア?KGI(目標)を決めてからKPIを考えよう

まず、主要なKPIを設定するためには、KGI(目標)が何であるかを決める必要があります。KGIが「アドセンス入れて広告で稼ぐ」だった場合は、最も重要な指標はPVということになります。

では広告で稼ぐのであれば主要KPIがPVのみで良いのかといえば、そんなことはありません。例えば、KGIが「記事広告で稼ぐ」だった場合、PVとともにUU(ユニークユーザー数)が必要になってきます。広告主は、どんな人がメディアの読者なのかな?というデモグラフィックが必要になるからです。ですから、広告記事を掲載出来るだけのPV在庫はもちろん必要ですが、このメディアは月間300万ユニークユーザーの主に”主婦”が訪問するサイトですよ、と言えた方が広告主的にも「うちの製品にマッチしたデモグラだな」ということになるわけです。

特定の広告主の製品にマッチしたUUが集まるバーティカルなメディアであることによって、メディアパワーが小さかったとしても広告記事におけるPV単価を保てるわけです。

つまり、記事広告をメインに考えた場合は、メインのKPIはUU(およびUUの質)になるのであり、サブKPIがPVということになります。

課金型メディアにおける重要KPIは?

課金型のメディアの場合は、UUが最も重要な指標であり広告を入れない限りPVは(ビジネススキーム上は)どうでも良いことになります。

そして、UUに紐づいて最も重要となるKPIが課金転換率と退会率になります。課金転換率は、UUが課金UUに転換する率です。この転換率が高ければ高いほど、メディアに訪問する人たちが課金ユーザーに転換しやすいということになります。

そして課金転換率よりもある意味大切かもしれないKPIが退会率です。これは課金ユーザーが課金を止める退会率の係数です。この退会率を低く抑えれば抑えるほど課金ユーザーが増えやすいということになります。(バケツの穴をふさぐイメージです。)

また、この課金退会率と紐づいて重要なのが平均課金期間でしょう。課金ユーザーが平均してどのくらい課金ユーザーであったかという指標です。この指標が重要なのはLTV(ライフタイムバリュー。1ユーザー生み出す売上。)が算出出来るからです。例えば課金ユーザーの平均課金期間が6か月として課金額が月1,000円とした場合、6か月×1,000円でLTVは6,000円ということになります。

(蛇足ですが、こんなに重要な指標なのに、そのへんにある計測システムで平均課金期間が取得出来たことがありません。たぶん顧客データベースと紐づくからでしょう。と思って調べてみたら、このブログに1/解約率で平均継続期間を割り出せるという数学的証明がされていますね。)

ということは、原価や宣伝販促費などを合わせて、1人あたりにかけて良いお金は6,000円未満ということになり、LTVから宣伝広告費などを割り出せるのです。

ECサイトの場合のKPIはUU?

ECサイトやECサイトに紐づく重要なKPIはやはり、UUになるのでしょうか。これはECサイトが扱う商材によって変わってきます。高額で購入回数が少ない商品であればUU、低額で購入回数が多い商品であればセッション数といったように商材によってKPIを分けても良いでしょう。

例えば、車は高額商材なので、一度買ったら普通は10年以上は買い替えないでしょう。この場合、一度コンバージョンすれば良いのでUUを指標にします。しかし、月の間に何度もサイトに訪問しそうな商材ー、例えば生活消費財などの場合はセッション数をKPIにしても良いでしょう。(もっと厳密に設計するのであれば、UUをメインKPIに置き、それにに紐づくセッション数でも良いと思います。)

ということで事業別に考えるKPIの立て方です。どんな場合でもKPIはKGIに紐づくという基本的姿勢が大事だと思います。