ファーストフードコンテンツと思考の棚の関係

すぶり

何かを楽しむには、楽しくない素振り期間が必要

どんなスポーツでも、楽しむには素振り期間というものが必要です。中学生の時、テニス部に所属していましたが、最初の一か月は素振りしかさせてもらえませんでした。
その後、素振りから、目の前の壁にボールを打つ壁打ちを経てやっとコートに立てるのですが、素振りをちゃんとやっておかないと、フォームが変になって行きずまります。

スポーツ以外の事柄でも割とそういうことがあります。英単語をひたすら丸暗記するのは苦痛ですが、英語を話せるようになるまでは避けて通れない素振り的プロセスです。

さらに、趣味の世界でも、極めようとすると素振り的プロセスが必要だったりします。例えばワインだったら、産地や地方によって味や風味が異なり、ひたすらワインを飲んで産地を勉強していく必要があります。知識が蓄積されると、頭の中に相対的なマッピングが出来上がります。
〇〇地方は××品種だから力強い味わいとか、△△地方は□□品種だから繊細な味わいといった感じです。

素振りを潜り抜けると思考の棚が出来る

素振りは、非常にめんどくさく退屈なプロセスですが、これを経て初めて獲得できる知恵や喜びというものがあります。
先ほどのワインの例でいうと、基礎知識を蓄積して相対マッピングが出来ると、思考の棚が頭の中に設置されます。新しいワインに出会っても、その思考の棚の中に格納されて、ワインとワインの間に自分なりの文脈を作ることが出来るのです。
以前にも出現したキーワードですが、これが知識を蓄積した末に出来る体系的な思考の一端です。

この素振り的プロセスを身に着けるには、ある程度の時間と努力を要します。淡々と知識を蓄え続けて、思考の筋肉を養うのです。
しかし、現在ではまとまった時間を確保するのを妨げるソリューションやサービスがたくさんあります。

あなたが目を話した1分の隙に友達がFacebookをあげているかもしれないし、Twitterも更新されているかもしれません。push通知でLINEのメッセージがきたり、あなたに最適化されたニュースも配信されてきます。

こうしてあなたの時間は細切れになり、目の前の情報を短い時間で処理していくうちに、素振り的プロセスで何かを獲得するという行為を苦痛に感じるようになります。

思考の棚がなくても、咀嚼できるコンテンツ

もしも、みんなが素振り的プロセスを止めたらどうなるでしょうか?知識の蓄財による思考の棚を必要としないコンテンツしか消費されなくなります。なんの前提も知識を持たなくとも、面白いと感じられるコンテンツです。

美しい世界遺産の写真、一瞬見ただけで笑ってしまうような画像、偉人の名言、死ね、消えろといった強い言葉たち。

そう、インターネットで流れてくる風景は、思考の棚を持たなくても噛み砕けるコンテンツばかりなのです。そして、それらには強い中毒性があります。面白い写真はずっと見ていたくなります。強い言葉で綴られるテキストから得られる刺激を求めて、延々見続けることになります。

インターネットの世界に限らず、世の中のコンテンツはこの流れの中にあります。お笑いは「エンタの神様」の登場以降ネタの時間が短くなり、ついには「レッドカーペッド」で数十妙にまで細分化されます。数十秒で笑いを取るためには、過剰なアクション、過剰なキャラクターが必要です。

気が付いたら細かい文脈をくみ取るようなお笑いが消え、やがて「レッドカーペッド」自体も終了していて、気が付いたらお笑いのネタ番組がほとんどなくなっていました。

安きに流れるコンテンツは、一様に観客に迎合し、スポイルされ、やがてコンテンツそのものが衰退していくのです。
版権モノばかりしか扱わなくなった日本映画やドラマ、イケメンしか出なくなった子供向けのヒーロー番組など、どんどんコンテンツが安きに流れ、文化はスポイルされていきます。

無意識に本物を求める人々

ファーストフード的コンテンツに食傷気味となった人々は、「本質的なモノ」を求めているのではないでしょうか。思考の棚がなくとも、頭の中のブラックボックスに入って感情を喚起してくれるコンテンツを。

ジブリの映画や村上春樹の作品といった本物のコンテンツが、立て続けにヒットを飛ばすのはそういう欲求の現れのように思えてなりません。

この状態が進むと、ほんの一握りの本物と、細分化されたファーストフードコンテンツの二極になるように思えるのです。

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