多くのイノベーションは、はじまりが地味
イノベーションの多くは、面倒くさい手間を省くことなんじゃないかと思います。そして、手間を省くという作業が地味なので、後に振り替えるとすごいことなのですが、顧客以外が見ると最初は軽視されがちになるのではないでしょうか。iPhoneのように携帯電話の概念そのものを変えてしまう場合もあるのですが、多くのイノベーションとは、こういう地味なことだと思うんですよね。そして、一度面倒くさい手間を省くと、顧客はそのサービスから他に移行出来なくなるのです。ということで、これに該当するイノベーションを挙げてみます。
■AMAZONが省いた面倒くさい手間→本屋に行くこと
今までは、本を読みたいと思ったら書店に行って、本を探して、購入して読んでいたわけです。しかし、AMAZONは電子書籍Kindleにより、どこでも本屋にアクセス出来て、その場で読めるを実現しました。
■iPodがなくした面倒くさい手間→CDショップに行くこと
昔は、CDショップに行って好きなアーティストの音楽を買っていました。しかし、iPodはその手間を一切なくし、思い立った時にいつでも音楽を購入・視聴できるのです。
■LINE他のチャットアプリが省いた面倒くさい手間→メールをすること
今までは、メールを立ち上げ、電話帳から連絡先を探し、表題・内容を入力して送信を押していました。チャットアプリ登場以降は、アプリを立ち上げ、トーク画面を開いて話しかける、に省略されたのです。
■NAVERまとめが省いた面倒くさい手間→サイトを回遊して情報収集すること
今までは、様々なサイトを閲覧して、情報収集をしていました。しかし、NAVERまとめはネット上に散らばる情報を一つにして文脈を与えてくれます。サイトを回遊しなくても、NAVERまとめを見ていれば、情報の大枠がつかめるのです。
■Suicaが省いた面倒くさい手間→切符を買うこと・サイフから現金を取り出すこと
いちいち券売機に並んでお金を入れて発券していた手間を一掃しました。おまけに今ではコンビニや飲食店でもSuicaで支払えるのです。
と、いうことで5つくらい挙げてみましたが、他にもいくらでも挙げられると思います。一般に普及した多くのイノベーションは、それまで人々が普通に行っていた行為の手間を省くことなのです。そして、一度それを使いだすと以前のやり方をすることがとても苦痛になります。新しい便利さが“常態”として受け入れられていしまうので、以前のやり方が“不便”になってしまうのです。
ユーザーにとってはインパクトが大きくても、周りからみると地味
また、これが現実のやりとりをネットに置き換える(本屋で売っていた本をネットのショップで買えるように)になると、現実の市場に存在していた業種が消えることになります。電子書籍の登場によって影響を受けている業種は、書店や取次などです。こういったイノベーションは普及すると賛辞されるのですが、普及前は「はぁ?何それ?」という反応だったりします。使ってみてはじめて便利さが実感できるので、逆に使ってみるまでよく分からないのです。
NAVERまとめは、そのへんをよく分かっているなぁと思います。NAVERまとめのコア需要は「文脈のある要約を簡潔に提供する」ことです。この簡潔に、というのがポイントでサイトがリニューアルされた際、あらゆるデザイン要素が削除されて真っ白な画面になりました。表示速度を最優先したのです。
しかし、この対応について私は膝を打ったのですが、周囲の人に話してもあんまりでした。ユーザーにとってはものすごい恩恵が大きい改修だったと思いますが、周りから見ると地味すぎてインパクトがないように見えるんですよね。
と、いうことで一番参入可能性のある分野は、「人々が行っていた行為の手間を省くこと」だと思います。みなさんはどんな手間を思いつきますか?
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