平安時代の人がTwitterを受け入れても、インスタグラムを受け入れない理由

日本人は言葉遊びが好きな民族というのは、みなが賛成する事実だと思います。古くは和歌、俳句など一定のルールに従って言葉をつむいでいくという、諸外国にはない言葉遊びを生み出しています。
そしてその言葉遊びがすきなカルチャーは、2017年現在においても世界中で最もTwitterが好きな国民という事実によって裏付けられています。いうなれば、ツイッターも140文字という決められたルールの中で言葉をつむぐ言葉遊びなのです。

加えて、日本人は文脈力に長けた民族でもあります。これは言葉と言葉のあいだに秘められた意味を読んだり、その空気に乗っかるのが上手いということです。
例えば、平安時代に流行っていた(?)という和歌も、男女が和歌を交わす中で「あなたのことが好きです」っていうことを言いたいがために、ものすごい遠回しな表現を使うのです。

例えばこれは藤原のなんとかさんが書いた恋の和歌ですが

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
  なほうらめしき 朝ぼらけかな
  
訳:夜が明ければ、やがて日が暮れてあなたに会うことが出来ると分かっているけど、
  あなたと別れなければならない明け方がくるのがやはり恨めしく思えます。
  
朝がうらめしい→あなたとずっと一緒にいたい という文脈があるわけです。
近代になっても夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したという伝説などもあり、日本人は文脈好きな民族だと思います。文脈を読み取り空気を読むうまさは、さきほどのTwitterにも表れていますが2ちゃんねるにおける空気読みの技術はすごいものがあります。

前に「深夜に未解決事件を語るわよ」というタイトルのスレッドが立っていたのですが、そこについたコメントの多くがタイトルの意図を組んで「それにしても●●事件は怖かったわよねっ」など、おネエ言葉になっていたのです。

ちなみにロシアの古典文学などを読んでみると「本当にお前は大馬鹿ものだよ。こんな息子を育てた愚かしい私を、果たして天はどう思うであろうか。ああ!」などと登場人物が思いの丈を率直に絶叫していることが多いので、やはりこの文脈力からの空気読み力は日本人特有なのかと思っています。

しかし、2017年現在、日本人根付いていたこの力は徐々に薄れいているような気がしています。平安時代は先ほどのように「明けぬれば 暮るるものとは~以下略」という遠回しな恋文を送っていましたが、現代人はLINEで

まじ、朝辛いんだけど。お前とずっといたいし。

とか、そのままの言葉を送っているのではないでしょうか。ちなみに不倫事件が起こるたびに、口にするのも恥ずかしいくらいの率直なやり取りが公開されますが、平安時代の和歌みたいな感じで遠回しの文脈であれば突っ込みにくいのではないでしょうか。

そして、世界を席巻しているインスタグラムもまた文脈がないソリューションなのです。それは写真という視覚が全てを処理するSNSだからです。(ちなみに私はスーパー文脈人間なので、ツイッターは楽しくても、インスタグラムが楽しめないです。)
しかし、インスタグラムの国内利用者は2000万人を突破したとかで、日本人もあるがままの写真をパッと見て、サッと楽しむカルチャーが根付いてきているのでしょう。
(とはいえ、日本にけるインスタグラムの普及スピードは世界に比べると圧倒的に遅かったため、やはりそこは民族性なるものが関連していたのかもしれません。)

ということで若年層を中心にこの脱・文脈みたいな傾向を感じなくもないです。特に若い人が書いた携帯小説とかを見てみると、文脈も何もなくて、現象とか登場人物の心理とかをそのまま普通に書き連ねている感じですよね。

ということで、2017年現在ではインスタグラムが普及しているわけですが、きっと平安時代の人はツイッターはやってもインスタグラムは受け付けなかったんじゃないでしょうか。

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