日別アーカイブ: 2016年3月3日

マイナージャンルのゲームにおける、面白いけど知名度が低い問題

スーパーファミコンの時代までは、玉石混合のカンブリア紀だった

こんなまとめ記事を作ってしまうほどには、サウンドノベル好きのチュンソフト信者だった私なのですが、サウンドノベルはマイナーなジャンルです。というか、絶滅寸前かもしれません。
サウンドノベルの草分けといえば「かまいたちの夜」なのですが、1994年に発売された当時は135万本も売れたのです。(今となっては、延々文章を読ませるサウンドノベルが、このレベルで売れることはもうないでしょうが。)

サウンドノベルに限らずミステリー系のアドベンチャーゲームが大好きなのですが、これらのカテゴリはゲーム界においてマイナージャンルであるために「面白いけど知名度が低い」作品が多いという特徴があります。
この現象を加速する要因はスマホにあると思っているのですが、スマホがゲームをするメイン端末になる以前は、そもそも「ゲーム」というカテゴリ自体が、ゲーム嗜好者のための娯楽であって一般向きではありませんでした。ファミコンが出た当時、「マリオブラザーズ」など万人向けするソフトもありましたが、一方で「これ誰が買うんだろう」というマイナーなゲームも多かったのです。(課長島耕作のスーファミのソフトを中古ショップで発見したことがあります。誰が買うんだろう。)
おまけに今のスマホのゲームと比べると難易度も高く、家族向けに作られたはずの「マリオブラザーズ」ですら、だいたいワールド2の砂漠面あたりから進めなくなるのですが、「スペランカー」のようなクリア出来た人が希少という難易度の高いゲームもけっこうありました。

クリア出来る人が少ないということは、プレイヤーも限られますが、当時のゲームソフトは8,000円〜12,000円くらいの価格帯だったため、多分十分にビジネスとして成り立っていたんですね。その結果、先ほどの「島耕作」や「じゃりん子チエ」のゲームという「それ誰がやるの?」っていうソフトがたくさんあって、なかなか楽しかったのです。ゲームカンブリア紀といっていいかもしれません。

任天堂の努力と、とどめのスマートフォン

その後、ハード機のトレンドが任天堂のスーパーファミコンからソニーのプレイステーションに移行して高機能化した結果、やはりゲームをするのはゲーム嗜好が強い人という傾向が高まっていきます。(が、このへんから親切設計になって攻略本がなかったとしても万人がクリアできる仕組みになったり、マルチエンディングシステムが取られるようになるます)
それを再び“家庭用ゲーム機”に引き戻したのが任天堂のWiiです。リビングに置いていてもお母さんに嫌われないゲーム機というテーマで、家族みんなで楽しめるフィットネス系のゲームソフトも登場しました。
さらに、その後スマートフォンが普及した結果「スキマ時間にゲームをプレイする」という需要が生まれて、ゲームという娯楽そのものが一般に解放されてコモディティ化していったのです。

それにより、一番変化したのは「主流となるゲームのジャンル」でした。今スマホゲーム等で主力のジャンルといえばなんでしょうか。圧倒的にパズルやクイズですよね(パズルやクイズをソーシャルゲームというスマホの新しいゲームシステムに載せて提供しているわけです。)しかし、パズルやクイズゲームは、家庭用ゲーム機が主流だった時代はマイナーなジャンルで、その頃の主力は格闘技やRPGなどでした。しかし、ハードがスマホに代わり「スキマ時間に万人ができる」という需要にマッチする、パズルやクイズといったライトゲームが一気に主流になったのです。

生きていけなくなったマイナージャンルのゲーム

「モンスターハンター」シリーズなどの人気タイトルは、家庭用ゲーム機においても生き残っているのですが、サウンドノベルや推理アドベンチャーゲームの類いは、どこで生存すれば良いのか?という問題が生じます。チュンソフトが2008年にWiiにて「428 〜封鎖された渋谷で〜」というゲームを発表したのですが(なぜサウンドノベルなのにWiiなのか)、7.5万本しか売れませんでした。
ちなみに学生時代に毎日一緒にゲームをやっていた友達と「今までやっていたゲームで何が一番面白かったか?」を同時に言ってみたところ「クロス探偵物語」というソフトで一致しました。これも推理ゲーム界の知る人ぞ知る的なゲームなのですが、採算的にはあれだったようで、第2弾が出るという告知まで行なわれていたのに、第2弾が出ることはありませんでした。
そんなこんなで「最近は面白いアドベンチャーゲームないな。」と思っていたら、交渉人の主人公になって、犯人と交渉を行なう「銃声とダイヤモンド」というゲームがおすすめだとネットにあったので、少し実況動画を見てみました。これが、めちゃくちゃ面白いんですが、例に漏れずこのゲームもあまり売れなかったようなのです。ひっそりと生息していたアドベンチャーゲームは、このままなくなってしまうのでしょうか。

アドベンチャーゲームに、万人受けする要素を足す

しかし、推理系のゲームで最近大ヒットしたパッケージが1本だけありまして、それが「ダンガンロンパ」シリーズです。超高校級の高校生たちが校内に閉じ込められ、脱出するためには誰かを殺して学級裁判で犯人だと暴かれないようにするという推理要素満載のアドベンチャーゲームです。すでにシリーズ2作とスピンオフ1作品が作られていて、シリーズ第3弾も発表されています。

この「ダンガンロンパ」と、前述に出て来た「クロス探偵物語」「銃声とダイヤモンド」の画面を見ると、違いが一目瞭然です。「ダンガンロンパ」はアニメ風のキャラクターが登場し、それぞれに濃いキャラ設定があります。さらに、校内でのコロシアイを仕切るのは、モノクマという一見可愛いキャラクター(声は大山のぶ代)。このゲームから推理要素を抜いたとしても、十分にアニメコンテンツとして成立する設計になっています。
一方の「クロス探偵物語」と「銃声とダイヤモンド」は、イラストからして写実的なものになっており、そもそも推理アドベンチャーゲーム好きにしか響かない見た目なんですね。
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出典:http://ameblo.jp/adoventure-kenkyu/entry-10273909795.html
ミステリーゲームで最も面白いと思う「クロス探偵物語」

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出典:http://www.jp.playstation.com/software/title/ucjs10092.html
息詰まる犯人との交渉がたまらない「銃声とダイヤモンド」

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出典:http://gameline.jp/danganronpa/
個性的なキャラクターたちも魅力の「ダンガンロンパ」

推理アドベンチャーという土台に、アニメっぽいキャラクターや個性的な声優を組み合せることにより「ダンガンロンパ」は推理アドベンチャー好きの顧客以外にアピールすることが出来た結果、推理ゲームをやったことがない層がプレイして「面白いじゃん」となったのかと思います。ということで、以前ブログに書いた、何かの世界で常識になってることを別のどころでアピールするには、井戸から取り出してリパッケージする必要があり、このリパッケージの工夫が大切なのかなーと思います。
個人的には、この写実主義の推理アドベンチャーゲームが大好きなのですが…。