日別アーカイブ: 2016年1月18日

メディアとは、フィルターを通してモノゴトを観せること

鎌倉の日帰りホテル「ホテル ニューカマクラ」が人気の理由

鎌倉といえば、外国人観光者や関東近郊に住む人々が訪れる観光地として人気なスポットです。鎌倉駅のほど近くにあるのが「ホテル ニューカマクラ」という素泊まりのホテルです。公式サイトによると、戦前は格調高いホテルだったそうで、芥川龍之介と岡本かの子の出会いの地であったそうです。(ちなみに公式サイトには、派手なサービスや宣伝することなく、ひっそりと時を刻んだこのホテルが共感を得ているのは、その魅力にハマってしまったファンたちの口コミによるものだとか。的なことが書いてあるのですが、公式サイトなのに「○○だとか。」と、まるで他人事のように書いているのが良いですね。)

10年ほど前に、この素泊まりのホテルに泊まったことがありまして、確かに建物や内装がモダンだし歴史を感じさせるのですが、素泊まり食事なしにしては高いし、お風呂は共用だし、という感じでした。
なぜ、このホテルに泊まったかと言うと、本屋で立ち読みしたファッション誌「SPUR」に掲載されていたからです。ホテルの内装の写真が見開きで大きく掲載されていて、光と陰影が幻想的な感じで表現されていたのです。
この写真を見て「ホテル ニューカマクラ」に泊まってみたいと思ったのですが、これは「SPUR」というメディアの力によるものだと言えます。もし、タウンワーク誌に掲載されていたら、ただの旅館情報に見えたでしょう。しかし、「SPUR」というラグジュアリーファッション誌というフィルターを通してこのホテルを観たからこそ、素敵に輝いて見えたのです。

このように、メディアとは世の中の有象無象のモノゴトを、メディアの色がついたフィルターを通して見せる役割があると言えます。このフィルターは、メディアのブランド力とも言えるかもしれません。

メディアは、今は注目されていないモノやコトに、スポットライトを当てられる

このメディアというフィルターの中でも、強力なものが「ブルータス」というフィルターです。「近江屋洋菓子店」という、戸棚から出てきそうなイチゴたっぷりのショートケーキが名物の洋菓子店がありますが、「ブルータス」の「美味しいケーキの教科書」の表紙になりました。昔ながらの洋菓子店に「レトロ可愛い」というフィルターをかけることによって、そこに行ってみたいという気持ちを喚起してくれるのです。

そう考えると、メディアは、今のところ誰にも注目されていないモノ・コトを、メディアというフィルターをかけることによってスポットライトを当てることが出来るツールです。ちなみに、「ブルータス」No812はスナック特集で、表紙には大きく「スナック好き。」と書かれており、「糸井重里が語る、我が青春のスナックとスナック芸。」に始まり「編集者が福岡にスナックを作りました」(作った後、そのスナックはどうなったんだろう。)、「ご当地スナック事情。」とスナックづくしの一冊です。

ケーキという題材は、ブルータスでなくとも雑誌やウェブメディアに掲載されていれば「行ってみたい」を喚起できそうですが、スナックをフィーチャーして「行ってみたい」を喚起できるのは、ブルータスだからこそと言えるのではないでしょうか。

紙メディアは一連の流れがあるので、一つの特集を打ち出しやすく、メディアのフィルターを表現することが出来ます。しかし、webメディアは記事単位で流通するので、メディアとしてのフィルターを確立しづらい立ち位置にあります。次回は、ウェブメディアのフィルターはどう作るべきなのかについて、解説してみます。

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出典
http://www.newkamakura.com/room.asp
http://matome.naver.jp/odai/2142296127875383901
http://magazineworld.jp/brutus/brutus-812/