日別アーカイブ: 2015年12月11日

情報をゆるく繋いで、空間設計が求められるWebメディア

「Cancam」は「女性自身」よりもショートケーキのほうが近い

例えば「女性自身」と「Cancam」は同じ”雑誌”というくくりですが、むしろ距離が遠い気がします。「Cancam」は「女性自身」よりは、むしろショートケーキのほうが距離が近い気がします。雑誌と食べ物なのに。

このように、定量的には同じカテゴリに属するんだけれど、定性的には全く同じカテゴリに属さないものたちがたくさんあります。
例えば「NHK のど自慢」と「テラスハウス」は定量的にはテレビ番組ですが、「テラスハウス」はむしろのど自慢よりは、ヴィダル・サスーンの方が近い気がします。

では逆に、定量的には同じカテゴリに属さない以下の項目を見て何を思い浮かべるでしょうか

・リネンのチュニック(洋服)
・ミナ・ペルホネン(ブランド)
・そば粉のパンケーキ(食べ物)
・かもめ食堂(映画)

雑誌「リンネル」のようなナチュラル系女子の生活が浮かび上がってきますね。このように、定量的には同じカテゴリに属さないのだけれど、定性的には極めて近いところにいる情報をくくるのが、メディアの役割だとも言えます。
雑誌が主流だった時代は、この手法がメインとなってメディアは作られていたと思うのですが、webでは定量情報のみに注目したメディアがけっこうあります。ハウツーだったり映画の上映スケジュール、PC等のガジェット情報などです。同じカテゴリの定量情報の記事を扱うということは「情報が情報として存在している」ということであり、これからのメディアとしてはけっこう大変かと思います。

「情報が情報として存在している」記事をメディアとして集約するのは(雑誌で言えば東京ウォーカーなど)、情報が点在していた時代には意味があったのですが、いまは「検索」という手段によってほしい情報にすぐアクセスできてしまいます。そして、ユーザーは欲しい情報を取得したら、その情報が掲載されているメディアを意識することなく直帰してしまいます。
かつ、そういった情報にアクセスする人たちの属性はまちまちなので、メディアとして広告もつきにくい状況になります。

つまり「情報が情報として存在して良い」メディアとは、そもそも利用者数が多いYahoo!などのポータルサイトなどでないと、成立が難しいのです。

記事同士をゆるく繋いで、空間を設計する

逆に定性的に近い情報をくくったメディアの何が良いかと言うと、読み手がそこに共感を覚えてメディアを認知するようになるということです。そして、そのメディアが提供する場の雰囲気を味わうために、再びメディアを訪れて習慣化していきます。
こういったメディアは、Facebookページと非常に相性が良いです。Facebookのタイムラインを流れる情報は、自分に関連のある情報としてユーザーは認識しているため、タイムラインを流れるお気に入りのメディアの情報を閲覧することが自然な導線となります。
そして、Facebookページのいいねを集めるための広告は、興味属性やデモグラフィックでターゲティング配信が出来るため、メディアのファンになってほしいユーザーにアプローチすることができます。こちらが意図するユーザーを集客出来れば、メディアのマネタイズがやりやすくなります。

今後のメディアの設計としては、情報単位で成立する記事ではなく、記事同士が緩く連携してひとつの空間を作るような雰囲気作りの設計が重要です。
そして、web上においてはYahoo!など一部のポータルを除き「マス」という概念が存在しないため、嗜好によって細分化されたメディアが複数存在するようになります。ちなみに、こういう概念によって雰囲気作りがうまく作られているなと思うのは、価格コムが提供するメディア「キナリノ」です(https://kinarino.jp/)。
解析ツールによると100万UUを超えており、すでにタイアップ記事が入るなどマネタイズも始まっているようです。

ということで、今後のWebメディアは情報だけでなく場としての空気を醸成することが大事ですし、その方法は、定性的に似たカテゴリーの情報をセンスよくパッケージにして届けられるかにかかっているのです。

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