日別アーカイブ: 2013年8月7日

なぜダウンタウンに続く芸人が現れないのか

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「お茶の間」によって分断されるお笑い



「ごっつええ感じ」世代にとっては、ダウンタウンは神とあがめられています。その一個上の世代になるとタモリ、たけし、さんまのBIG3などが上げられますが、常に時代を代表するお笑い芸人の系譜がありました。

しかし、それ以降彼らのようにカリスマ的な人気を誇るお笑い芸人は現れていません。くりいむしちゅーも有吉もお笑い芸人である前に、番組を仕切れる司会者です。そして、ダウンタウンもテレビでのお笑いからは半ば降りてしまった感があります。

なぜこのようなことになったかといえば、テレビ番組が視聴者に迎合してお笑いの消費時間を細分化していったからだと思います。
ドリフターズから続く笑いの系譜に「作り込まれたコント」というキーワードがあります。コント番組は通常の番組よりも予算も手間もかかるので敬遠されていますが「ごっつのコントは毎週奇跡のようだったね」と、いまだに語り継がれています。

ごっつ終了後、コント番組といえるコント番組は「笑う犬の冒険」くらいでしたが、それもゴールデンに来るとともにコント色が薄くなり番組は消滅しました。そして今現在コント番組がほぼ存在していませんが、それは「エンタの神様」の功罪なのではないかと思っています。

「エンタの神様」には、NHK「爆笑オンエアバトル」に出ていた芸人さんがよく出演していました。しかし、ひとつあたりのコントや漫才は大幅にカットされており、大きくテロップが出て分かりやすい構成になっていました。お笑い好きではなくて、お茶の間に向けて放送したため分かりやすくしたのです。本当かどうかは分かりませんが、ウケすぎたらカットされる(お茶の間の温度感と違うから)と聞いたことがあります。

時間が短くなれば、必然的にキャラものや一発ネタに頼ることになります。後半になるとほとんどキャラクターモノか、歌・リズムネタになっていたように思います。

そこから人気が出たタレントも複数いましたが、キャラクターや一発ネタが飽きられると共に消えていきました。芸人が売れてから消えていくサイクルがどんどん早くなり出したのもこのあたりからです。

その後、「爆笑レッドカーペッド」の放映がはじまり、さらにネタの時間が短くなります。さらにネタの時間が短くなるということは、キャラクター、一発ネタへの依存が加速します。しかも、毎週出演し続けるためには、視聴者側とのお約束的事項が必要になるので、複数回同じネタをアレンジして出していくことになります。

こうしてお笑いは、視聴者に迎合した結果、1つあたりのネタの消費時間を短くするためにどんどん分断されて細分化されました。これ以上細分化出来ない「爆笑レッドカーペッド」に到達した後、ほどなく番組は終了し、今では漫才やコントを定期的に放送する番組はほぼありません。あったとしても、全てキャラクターに特化したコントです。

やがて咀嚼されなくなったお笑い



ということで、お笑いはお茶の間に好かれたいと思って、ネタを分断していった結果、お茶の間からも消えてしまいました。ダウンタウンやその他のカリスマと言われる人たちには、それぞれの文脈があります。伝説と言われた番組や逸話などの物語を視聴者は咀嚼してきたのです。
お茶の間に迎合しすぎたお笑いは、咀嚼しやすいようにどんどんお笑いを細切れにし、やがて視聴者は咀嚼することすら止めてしまいました。

お笑いはこれからどうなるのでしょうか。そして、この消費者への迎合が色々な分野で起こっているような気がしてなりません。