月別アーカイブ: 2013年7月

体系的思考の養い方

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ツイッターばかりすると、バカになるのか

前回、体系的思考について書いてみたのですが、“体系的”と真逆にある構造を持つのがツイッターです。140文字の情報がどんどん流れてきて、分断された短いテキストが目の前のベルトコンベアをゴトゴトと通過しているようなイメージがあります。

ツイッターが米国で流行っていた2007年くらいに、ニュースサイトで「ツイッター中毒者続出」というニュースを見て、何が面白いのかと思ったのですが、実際にやってみると中毒になる理由がよく分かります。目の前を流れる情報に身をまかせるのが習慣になり、ツイッターを頻繁に見てしまうようになるのです。2ちゃんねるか何かで見たのですが、「ツイッターに慣れてしまうと、自動的に更新されない静的テキストを見るのが辛くなる」というコメントがありました。けっこう同意です。

2年くらい前、大学4年生の人と話していたら、「毎日ツイッターを見て、iPadを持って大学の講義を取ってていう生活をしていたら、明らかにつまらない人間になったので、今は本を読むクセをつけている」と言っていました。

リアルタイム制メディアという意味で非常に価値があるツイッターですが、中毒性がある分、そればかりにハマってしまうと、体系的思考はどんどん抜けていくと思います。

体系的思考を養うには、物語をよもう

じゃあ、体系的思考を養うにはどうしたら良いのでしょうか?それには、物語を読むことが一番です。しかも、1度だけではなく何回も読める物語が一番です。例を挙げると、ドフトエフスキーやトルストイといったロシア文豪の小説、日本の作家でいうと村上春樹氏の小説、アメリカの現代作家なども良いかもしれません。逆にミステリー等はおすすめしません。なぜなら、ミステリー小説は一つの筋を追う内容であって、多重構造になっていないからです。

トルストイ代表作「アンナ・カレーニナ」は、アンナという女性が不倫の果てに悲劇的な末路を迎える内容ですが、実際に読んでみると色々な読み方が出来ます。影の主役ともいえる貴族、リョーヴィンの恋物語であったり、ロシアにおける農業に従事する人々と貴族との関係を考察した本でもあります。こういった本は、本のどこにフォーカスするかによって、読み方が異なってきます。物語が多重構造になっているのです。

ということで、前回のエントリを見て頂いた方はピンと来たかと思うのですが、体系的思考を養うためには、モノゴトを体系的にカテゴライズした後で、抽象化して別ジャンルにフォーカスする。という手続きが必要でした。多重構造を持つ物語を繰り返し読むということは、このモノゴトを体系的にカテゴライズし、自分の視点を特定カテゴリにフォーカスしたり、抽象化してフェードアウトしたりという練習になるのです。

現在は、ビジネス新書やミステリーが持てはやされていますが、もっと物語が見直されても良いのではないでしょうか。

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体系的思考は、これからの時代には必須だと思う

考える

体系的思考がもたらすメリット

私が心の中で軍曹と呼んでいるロジカルの鬼が言っていました。「最も仕事をする上で重要な資質は体系的に考えることだ」と。

体系思考とは、全体像を把握した上で各カテゴリに分類してとらえることが出来る能力です。そして、モノゴトを抽象化して、別のモノゴトと繋ぎ合わせることが出来ます。この思考を身に着けておくと、とても便利です。

クックパッドのサービスを例に、体系的にとらえてみましょう。

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■クックパッドの全体像
投稿型料理のレシピサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
料理が好きで、自分なりのレシピを工夫している主婦に
★どのような価値を
料理のレシピを披露出来る場を提供し、実際に作った人からのフィードバックが得られる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、調理ステップごとにテキストを投稿できる機能を使って

〇閲覧者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
毎日の献立などに悩んでいる主婦に
★どうのような価値を
定番から季節のメニューまで、多種多様な料理レシピを
★どのような方法で
ランキングや素材検索、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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ということで、体系的にとらえらることが出来ました。こうして物事を細分化してカテゴリという引き出しに入れておけば、色々なメリットがあります。
例えば誰かからその物事に関する質問をうけたとき、どこのカテゴリについての質問かが即座に理解できて議論もスムーズになります。また、カテゴリの中のひとつの条件が変わったとしても、引き出しの中の情報を上書きすれば、その他のカテゴリに影響を及ぼすかどうかというのも考えやすくなります。
逆にいうと、コレが出来ない人は、前提条件が1つ変わるだけで全てのデータを書きなおす必要があるので、再び理解するまでに大変な時間がかかったりします。体系的な議論が出来ないと、会議の時間は2倍にも3倍にも膨らむでしょう。今、どこのカテゴリを取り出して議論しているのかということ自体が理解できないからです。

抽象化する思考法で、アイデアの幅がぐんと広がる

さらに、これを抽象化することは企画者にとっては必須となる思考法です。
一度抽象化してみましょう。

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■クックパッドを抽象化
特定のジャンルが得意な人が、全体にやり方をレクチャーするサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
生活等習慣性のある特定のモノゴトが得意なユーザーが
★どのような価値を
その方法を披露し、評価によるフィードバックを受けられる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、分かりやすいUIで

〇閲覧者にとってのクックパッド
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★どのような顧客に
生活等習慣性のある特定のモノゴトに対しての情報、やり方が欲しいユーザーに
★どうのような価値を
ニーズのある多種多様な情報、やり方を
★どのような方法で
ランキングや素材検索、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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ということで、抽象化できました。抽象化すると、何が良いのでしょうか?これをじーっと眺めていると他に転用できることに気づきませんか?たとえば、抽象化したものをもう一回どこかにフォーカスするとこんなサービスが出来ます。

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■クックパッドを抽象化~掃除・インテリアの投稿サービス~
掃除・収納インテリアが得意な人が、全体にやり方をレクチャーするサービス

■カテゴリを分類してとらえる
どのような顧客に、どのような価値を、どのような方法でに提供しているか?

〇投稿者にとっての~掃除・インテリアの投稿サービス~
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★どのような顧客に
お掃除、収納方法等がたけているユーザーが
★どのような価値を
お掃除の方法や、インテリアの小技を披露して、実際にやってみた人からのフィードバックが得られる
★どのような方法で
パソコン、スマートフォンから、ステップごとにポイントなども加えて

〇閲覧者にとっての~掃除・インテリアの投稿サービス~
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★どのような顧客に
掃除の仕方や収納について悩んでいる主婦に
★どうのような価値を
お掃除の時短テクニックから、可愛く収納できるインテリアテクニックまで
★どのような方法で
ランキングや掃除する箇所の選択、特集などの切り口で分かりやすく提供する
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と、いうことでクックパッドを体系的にカテゴライズした後で、抽象化して別ジャンルにフォーカスすると、家事の総合ハウツーサイトが出来上がります。
この思考法が出来る、すなわちアイデアの引き出しが多いということです。

ということで、体系的思考は大事だよねというお話でした。

イノベーションとは、面倒くさい手間を省くこと

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多くのイノベーションは、はじまりが地味

イノベーションの多くは、面倒くさい手間を省くことなんじゃないかと思います。そして、手間を省くという作業が地味なので、後に振り替えるとすごいことなのですが、顧客以外が見ると最初は軽視されがちになるのではないでしょうか。

iPhoneのように携帯電話の概念そのものを変えてしまう場合もあるのですが、多くのイノベーションとは、こういう地味なことだと思うんですよね。そして、一度面倒くさい手間を省くと、顧客はそのサービスから他に移行出来なくなるのです。ということで、これに該当するイノベーションを挙げてみます。

■AMAZONが省いた面倒くさい手間→本屋に行くこと

今までは、本を読みたいと思ったら書店に行って、本を探して、購入して読んでいたわけです。しかし、AMAZONは電子書籍Kindleにより、どこでも本屋にアクセス出来て、その場で読めるを実現しました。

■iPodがなくした面倒くさい手間→CDショップに行くこと

昔は、CDショップに行って好きなアーティストの音楽を買っていました。しかし、iPodはその手間を一切なくし、思い立った時にいつでも音楽を購入・視聴できるのです。

■LINE他のチャットアプリが省いた面倒くさい手間→メールをすること

今までは、メールを立ち上げ、電話帳から連絡先を探し、表題・内容を入力して送信を押していました。チャットアプリ登場以降は、アプリを立ち上げ、トーク画面を開いて話しかける、に省略されたのです。

■NAVERまとめが省いた面倒くさい手間→サイトを回遊して情報収集すること

今までは、様々なサイトを閲覧して、情報収集をしていました。しかし、NAVERまとめはネット上に散らばる情報を一つにして文脈を与えてくれます。サイトを回遊しなくても、NAVERまとめを見ていれば、情報の大枠がつかめるのです。

■Suicaが省いた面倒くさい手間→切符を買うこと・サイフから現金を取り出すこと

いちいち券売機に並んでお金を入れて発券していた手間を一掃しました。おまけに今ではコンビニや飲食店でもSuicaで支払えるのです。

と、いうことで5つくらい挙げてみましたが、他にもいくらでも挙げられると思います。一般に普及した多くのイノベーションは、それまで人々が普通に行っていた行為の手間を省くことなのです。そして、一度それを使いだすと以前のやり方をすることがとても苦痛になります。新しい便利さが“常態”として受け入れられていしまうので、以前のやり方が“不便”になってしまうのです。

ユーザーにとってはインパクトが大きくても、周りからみると地味

また、これが現実のやりとりをネットに置き換える(本屋で売っていた本をネットのショップで買えるように)になると、現実の市場に存在していた業種が消えることになります。電子書籍の登場によって影響を受けている業種は、書店や取次などです。

こういったイノベーションは普及すると賛辞されるのですが、普及前は「はぁ?何それ?」という反応だったりします。使ってみてはじめて便利さが実感できるので、逆に使ってみるまでよく分からないのです。

NAVERまとめは、そのへんをよく分かっているなぁと思います。NAVERまとめのコア需要は「文脈のある要約を簡潔に提供する」ことです。この簡潔に、というのがポイントでサイトがリニューアルされた際、あらゆるデザイン要素が削除されて真っ白な画面になりました。表示速度を最優先したのです。
しかし、この対応について私は膝を打ったのですが、周囲の人に話してもあんまりでした。ユーザーにとってはものすごい恩恵が大きい改修だったと思いますが、周りから見ると地味すぎてインパクトがないように見えるんですよね。

と、いうことで一番参入可能性のある分野は、「人々が行っていた行為の手間を省くこと」だと思います。みなさんはどんな手間を思いつきますか?

ZOZOTOWNがやった方がいいと思う10のコト

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「スタートトゥデイがやめた10のコト」というまとめを見て、タイトルにオマージュを捧げてみました。先日スタートトゥデイの決算が発表され、売上高も350億4千万と前期比で10%の成長となっております。ファッションECにAmazon、楽天も力を入れている今日この頃ですが、ZOZOTOWNがやったほうが良いと思う10のことをまとめてみました。

1.競合を気にしない。特に楽天。

楽天はZOZOTOWNのことを、ものすごく気にしています。この記事にもあるように、決算にてファッションカテゴリの取扱い高がZOZOTOWNの4倍あることをアピールしています。そして、楽天ブランドアベニュー(名前が・・・)というサイトにて、ZOZOTOWNとかぶるブランドの誘致をしています。が、全然楽天は気にしなくて良いと思います。なぜならば・・・

2.ZOZOTOWNが自分の場所と思ってくれるユーザーを大切にする

所詮楽天を使う人は、いろいろ比較して送料やポイントといった実利面の恩恵を重要視するユーザーです。取扱い高いは確かに4倍かもしれませんが、前出の記事によると購入点数に2倍の開きがありながら購入金額では差がありません。ゆえに楽天ユーザーは、安い商品から買っているわけです。
以前ファッションECの調査をしていて、ZOZOTOWNで洋服を買うユーザーにインタビューしたところ、何故そこで買うの?という答えに明確に答えられる人がいませんでした。

「なんとなく、、、UIが使いやすいし。見ちゃうんですよね。」

そう、細かいUI設計とかデザインとか、そういう要素に裏打ちされたブランディングによって、ファッション感度の高いユーザーは「ここは、自分の場所」という認識が生まれているのです。

3.ポイントや送料無料等の実利インセンティブで戦わない

既にポイントキャンペーンは止めたと発表していましたが、ポイントや送料無料の実利インセンティブで戦うということは、楽天やAmazonと同じ土俵に降りるということです。むしろ、ZOZOTOWNをついつい開いちゃうユーザーにとって、実利インセンティブを前面に押し出しすぎることはサイトとしてのブランディングの毀損につながりかねません。インセンティブをつけなくても楽天に勝てることは、「クックパッドVS楽天レシピ」で歴史が証明済みです。

4.ファッション以外の取り扱いジャンルを広げる

以下の表はユーザーがどのジャンルの商品を、どこで買うかという図です。

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日用品や書籍、飲料水等のコモディティ商品はポイント還元や送料等の実利を気にして買います。しかし、ファッション等の個人の感情が入りやすい商品は「お気に入りの場所」=ZOZOTOWNで購買するのです。だから明確にAMAZONを使うユーザー、ZOZOしか使わないユーザーが存在するわけではなくて購入する商品のジャンルによってサイトを使い分けています。

となれば、感情=エモーショナルを喚起できる商品は、ファッションばかりではありません。インテリア・雑貨も同様の商品になります。早くここのジャンルにも進出すべきだと思います。

5.ガンガンいこうぜ

ドラクエの作戦名ですが、この2、3年でファッションを中心とするエモーショナルコマースの勝者が決まると思います。持ちうる全ての呪文を駆使してガンガン行った方がいいと思います。つまり、じゃんじゃん投資してばんばか買収した方がいいと思います。
STORES.jpのブラケットを買収したり、フルフィルメントと業務(入荷、撮影、採寸、保管、梱包、発送等)に力を入れているので、既に投資は行っているようです。(バランスシートの有形固定資産に対する支出を見ると前年の4億5千万に比較して10億近い支出があります。ブラケットの買収は、6億くらいらしいので安い買い物だったとか。)

6.STORES.jpのブラケット買収は、ナイスだった

これ、すごくナイスですよね。ZOZOTOWNは営業利益率が8.9%でECサイトにしては高いと思うのですが(マガシークは2.6%、スタイライフは1.3%)これは商品が売れるごとにブランドがZOZOTOWNに支払う手数料の高さが要因だと思います。高すぎるがゆえにブランドの離反を招いたという話もありますが、有名ブランドならともかく、小規模なブランドだと高すぎる手数料をカバーできません。かといって、手数料をいまさら値引きすることも出来ません。
ゆえに、小規模なブランドがECを展開するSTORES.jpを手中におさめたということは、ロングテールの部分を手に入れたことになります。(STORES.jpの4万点の加盟店舗のうち、約70%はアパレル)

7.STORES.jpに続き、買収するべきジャンル~インテリア・雑貨~

「4.ファッション以外の取り扱いジャンルを広げる」に関連するのですが、ZOZOTOWNは中長期目標で取扱高5000億を掲げています。エモーショナルを喚起できる商材、つまりインテリア・雑貨ジャンルの拡充を図るべきです。しかもこれを早急にやった方が良いと思うのは、来年このジャンルの覇者であるFabが日本に上陸してしまうからです。さきほど競合は気にするなとか書きましたが、Fabに関していうとサービスとしての運営方針、ターゲットがほぼZOZOTOWNとかぶります。顧客志向で考えてもエモーショナルコマースの覇者を目指すべきじゃないでしょうか。

8.STORES.jpに続き、買収するべきジャンル~個人アーティストを束ねたサービス~

色々なジャンルで個人化の局面が進んでいて、CtoC市場が拡大しています。そして、楽天・Amazonがファッションに乗り出した結果、取扱いブランドがかぶりはじめています。エモーショナルコマースの代表であるFabの魅力は「Amazonが扱わない作家モノのデザイン製品がラインナップされている」ことにあります。個人として活躍する作家を囲って商品の差別化を図るべきです。が、今のところこういうサービスがあるのか・・・、リバティが始めたおばあちゃんの編み物くらいしか思いつきません。

9.STORES.jpに続き、買収するべきジャンル~ファッションソリューション~

コモディティ商品について言うと、買い物にかかる時間の速さも顧客にとってはメリットですが、エモーショナルコマースでは買い物にかける時間自体を顧客は楽しみたいと思ってます。例え買わなくてもフィードに流れてくるオシャレな洋服を眺めているのが楽しいのです。故に購買動向や導線が、今後大きく変わる可能性があります。もしかしたら、イノベーションが起こってECサイトのていをなさないサービスが大勝ちするかもしれません。コラージュサービスのIQONのように、ECとは関係なさそうなソリューションを獲得するべきです。

10.変人を雇う

6~9までは全て買収に関する話題でした。「社内で作っちゃダメなの?」という意見もありそうですが、社内の人間が作ると「業界の常識枠から抜けられない発想」しか出てこない場合が多いのです。想像するにZOZOTOWNの社員は、オシャレでブランドへの認知が高く、路面店やZOZOTOWNで洋服を購買するような人が多いのかなと思います。そうすると、どうしても考え方が「どうブランドの洋服を購買させるか」という思考から抜け出せません。ロングテールの発想や、すぐに購買に結びつかなそうなソリューションには、考えが及ばないのです。以前所属していた会社で新規事業プランコンテストが行われましたが、応募された事業プランの9割は、新規事業ではなくて既存業務の改善でした。そのくらい、組織的な常識とか通念といったものは体にしみこみます。
だから、「一回ゼロから考えようよ」と、ファッションというジャンルすら飛び越えて考えられる「変人」がいるのであれば、社内からイノベーションを起こすことも可能だと思うんですよね。

ということで、つらつら10項目書きましたが、結論としては「ZOZOTOWN、がんばれ!」です。企業理念の「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」を本当に実現して欲しいと思います。

組織への所属意識が強いと、顧客に最適解を示せないという話

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覆面調査で最悪の評価だったユナイテッドアローズの販売員

「ユナイテッドアローズ 心に響くサービス」という本を読んで目に留まった話があります。この会社は接客に力を入れており、お客さんになりすました調査員が接客を受けて販売員を採点する覆面調査をするそうです。そこで最悪の評価を受けてしまった販売員さんがいました。

お客さんがコートを探しており、試着をしたもののサイズが合わない。丈を詰めることを検討したものの、結局他のライバル店の商品を紹介してしまったのです。

これは確かに商いのことを考えると最悪でしょう。本来自社につくべき売上が、社内の人間の手によってわざわざライバル店に持っていかれてしまったのです。しかし、お客さんの立場から考えると最高の接客だったと思います。お客さんにとっては、どこのブランドで買おうと自分に合う洋服が欲しいわけですから、それを推薦してくれるというのは最高の対応ですよね。

この販売員さんは、また同じシチュエーションが起こっても同じことをすると思うと話していましたが、こういう人は稀有だと思います。ほとんどの人は、商いのことを考えてしまいます。

・アパレルの店員は、お客さんにサイズが合わないと思っても売ってしまえば売り上げになるし
・英会話教室の人は、基礎から勉強しないと無理そうな人のレッスン加入を止めないでしょうし
・不動産の人は、自分で妙な物件だなぁと思っていても買い手が良しとすれば売ってしまうでしょうし
・広告代理店の人は、効果があがらないかもと思いつつも、自社のイチオシ広告を薦めるでしょうし
・新聞販売をしている人は、お客さんが読まないと分かっていても洗剤を渡して購読してもらうでしょう。

と、例をあげてみましたが、月々のノルマを背負っていると「うーん」と思っても、顧客さえ良しということであれば、売ってしまうと思います。

新しいモノを作ろうとしても、自社の商品を組み込まざる追えない

さらに、立場を考えると発言も自由に出来なかったりします。例えば、新聞社・テレビの人が「新聞・テレビはオワコン。これからはネット」とは口が裂けても言えないですし、マクドナルドの人が「牛肉や脂を毎日摂取すると毒」ともいえないですよね。

これは組織にサラリーを貰っており、金銭的にコミットしているということと、組織への所属意識から起こる現象です。この意識が強すぎると、何かにつけて最適解が出ません。例えばテレビ局の人だったら、新しいメディアを立ち上げようとなっても、テレビを排除して考えることは出来ません。「インターネットを活用しながら、テレビを視聴してもらって・・・」と、顧客の都合とは関係ないところで自社の商品を組み込まないといけないからです。

しかし、現代では一つの事業の寿命がどんどん短くなっているので、この考え方が浸透しすぎると市場環境の変化に耐えられなくて、終わっている事業を延命しようとするゾンビ化現象に繋がると思うんですよね。
「根本的に無理だから、0から考えようよ」と、言える人がいないわけです。

ということで、冒頭の販売員さんに戻るのですが、ユナイテッドアローズの社員であるという前に一人の個人としてお客さんにアドバイスをしたと思うんですよね。自分が販売員ではなくてお客さんの友達だったら、親身になって同じことをするでしょう。

私も何か考えるときは、まず個人として最適解を考えるようにしています。そして、その最適解が自社の商品とマッチしないのであれば、それはそれで正直に伝えるべきです。たとえその時機会損失になったとしても、顧客との絆が深まります。
組織の都合を考えずに最適解を考えれば、良い物が世の中にどんどん出て行きます。

ということで、組織にも組織の良さがあると思いますが、これからは個人として立脚した立場での思考っていうのが大事になってくると思います。

クラウドに学ぶ~課題に対する最適解が、市場を制覇する~

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最近日本のスタートアップから、どんどん新しいサービスが生まれています。顧客が抱えている課題を解決するサービスが多いようですが、同じ課題に対しても色々な解答があります。

例えば、「学習したい」というユーザーの課題について、様々な学習系サービスがありますが、3つほど取り上げてみます。

schoo(スクー)は、講師の先生が動画で授業をしてくれるオンラインサービス。ユーザーは生徒と呼ばれ、授業中の動画横に「着席」ボタンが設置されていています。このボタンをクリックすると着席が皆に通知されたり、コメントを書きこむことが出来たりと、参加型になっているのが特徴です。
ShareWis(シェアウィズ)は、schoo(スクー)と同様に動画で授業をしてくれるサービスですが、コミュニティ的な機能はなく、淡々とステップをクリアしていくような作りになっています。
street academyは、オンラインで授業をする機能はありません。生徒と講師をマッチングさせて、実際の授業は場所を借りてリアルの場で行われます。

このように一つの課題について、様々な解答でサービスが展開されています。歴史を振り返って思うのが、目立った課題に対して様々な解答が用意されても、最も市場を制覇出来るのは最適解を用意したサービスだということです。

2000年代半ば以降、デスクトップPCやノートPCなど複数代のデバイスを使い分けるシチュエーションが増え、デバイスの複数代持ちが普及した結果、「様々なデバイスでデータを共有したい」という課題が生まれました。スマートフォンの登場以降は、そのニーズはさらに加速しています。その課題の解決方法として、とある会社が出した解決方法が以下の2つです。

A.自宅のパソコンを、携帯デバイスから閲覧できるようにする。
B.様々なデバイスから、サーバーに上げた情報にアクセスできるようにする。

最適解もちろんBは、DropBox等に代表されるクラウドです。Aは、NTTドコモが2008年5月に開始して4年で終了してしまった「ポケットU」というサービスです。

「様々なデバイスでデータを共有したい」という課題に対して、Aの解答だと、常にデータは、1台のデスクトップに集約させなくてはなりません。(ついでに言うと、ガラケーからしか見られません。)
Bの解答であれば、どんなデバイスでも登録しておけば同じデータを共有できるうえに、デバイスの数が増えても対応することが出来ます。くしくも、クラウド系の代表サービスであるDropboxは、ポケットUと同じ年の2008年9月にサービスを開始しており、現在では利用者が1億7500万人に達しています。(ついでに言うと、ポケットUの利用者は最盛期でも3000人足らずでした・・・。)
さらに付け足すと、機能的に劣るAの「ポケットU」は、525円の月額利用料がかかるのに対してBの「DropBox」は基本無料です

ということで、課題に対しての解決策を1つ考えただけで満足してすぐサービスモデルを考えてしまいがちなのですが、その前に課題に対しての最適解を考えることに時間を使った方が良いかと思います。

リピート率7割のコマース「Fab」は、感情に働きかける

fab

「Fab」という米国発のオシャレなECコマースが、来年日本に参入するそうです。「Fab」がすごいらしいという噂を聞いたので調べてみたのですが、半端ないです。その半端なさを箇条書きにしてみます。

・登録ユーザーは1300万人
・創業から2年たたずに2億5千万ドルを売り上げる
・リピート率が約7割

アメリカでも急成長のECコマースと呼ばれていますが、CEOのジェイソン・ゴールドバーグ氏は、「Fab」のコンセプトをこう語っています。

eコマースには3種類あるんだ。

一つ目は日用品(コモディティ・コマース)。アマゾンや日本の楽天がこれにあたる。欲しいものを簡単に買える。

二つ目はデジタル・コンテンツ。音楽など。

そして三つ目がエモーショナル・コマース(感情に訴えかけるコマース)だ。これは洋服、家具、ランプなど、購入する際に検討され、ある種の感情が伴うものを扱う。

自分たちはこのエモーショナル・コマースのマーケットリーダーになろうとしたんだ。

自分たちの戦略のコアは、他のどこでも買えないユニークなプロダクト、万人受けするものではなく、カラフルで、テイストがいいブランド、そして買い物の楽しさを常に提供し続けること。近代的で、ユニークで、カラフルな商品を求めている人たちが見に来る場所、というブランド認知が大切だ。

自分たちをただのマーケットプレイスではなく、人々の感情に働きかける存在であると定義しているんですね。実は、このエモーショナル・〇〇という言葉は、日本でも「感性価値」という名前で2008年前後に流通していました。2007年5月に、経済産業省により「感性価値創造イニシアティブ」というのが策定されて、色々取組みをしていたからです。(そして、効果のほどはよく分かりません。)
そのイニシアティブでは、感性価値を「共感したり感動することのできる製品・サービス」と定義していますが、これはまさにFabが言うところの「エモーショナル・〇〇」のことですよね。

情報流通が発達して価格・品質面ではいくらでも比較できる上に、商品が登場してもすぐにコモディティ化してしまうため、爆発的に伸びる商品・サービスには「エモーショナル・〇〇=感性価値」が必須だと思います。iPhoneの洗練されたデザインにも、ユーザーは品質以外のエモーショナルなモノを感じているわけです。

パソコンからFabのトップページを開くと、このようにダイアログが開いて新しくなったFabのプロモーションムービーとオススメの音楽が再生されます。(そして、音楽はダウンロード出来ます)

fabのトップ画面

通常、ECサイトは購買までの導線をワンクリックでも減らしたいのが本音ですが、購買よりもユーザーが心地よいと思える場所を作ることに注力しているのです。

日本でもエモーショナルコマースを行っている企業は、たくさんあります。雑貨ショップの「FrancFranc」や「Afternoon Tea」等は、雑貨のみを売るのではなくて店舗で商品を見るその過程も楽しめるように設計されているのです。

また、ファッションでは、ZOZOTOWNがエモーショナルコマースを実現していると思いますが、もっと早くインテリア方面に幅を広げていれば・・・と思わなくもありません。2012年以降は売上が鈍化しているのですが、これはサイトのブランディングも影響していて獲得できる顧客の上限数をだいたい獲得出来てしまったからかなと思います。そうなると新規の顧客を呼び込むか単価を上げるかなのですが、インテリア領域に広げておけば両方を満たせたのではないかと思うんですよね。

ただ、2014年にはFabが日本進出を行うということなので、どういう結果になるのか非常に注目です。

ブログを開設して1カ月経ちました

夏こんにちわ。猛る夏と書いて、猛暑。毎日暑さが続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?トリです。

ブログを開設して一か月たちました。開設を勧められて、ドメイン、サーバーをその場で契約してから早一か月。とりあえず最初のひと月のうちは、毎日更新しようと決めてせっせと書き綴ってみました。

いやー、大変だった。世の中の毎日ブログ書いてるブロガーのみなさんって本当にすごいですね。尊敬します。現状はだいたい1日に50名くらいの皆様にお越しいただいており、ちょうど教室に入るくらいの人数ということで、顔が見える教室(実際には見えてないですが)という感じでいいなぁと思っております。

ということで、今後は週に2~3本くらいの更新に落ち着いてしまうかもですが、可能な限り書いていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

ノイズを省いた先にあるもの

騒音

情報最適化とは、ノイズを省くこと

IT界隈で最も流行しているトレンドの一つに、最適化配信というものがあります。GunosyやVingow等、ソーシャルメディアでのアクティビティを解析して、自分の興味のあるニュースを配信してくれるサービスです。なぜこういうサービスが脚光を浴びているのかと言えば、ネットの情報量が増えすぎて、興味のあるものを探すという行為が手間になっているからです。

最適化配信を逆にとらえると「いらないノイズを省く」ということになります。TVを見ていたりすると、興味のない情報や自分と異なる意見を持つ人の話など、ノイズが入ってきます。そういうノイズだと思っている部分から新しい発見が得られたり、気づきがあったりします。一見無駄だと思っても一晩寝かせてたり、後々役に立ったりするんですよね。しかし、最適化配信の流れを突き詰めると、自分にとって不快な情報は一切入ってこなくなる可能性があります。

既にその流れは進んでおり、ツイッターなどもフォローをするのは自分が興味がある人物や、自分と似た意見を盛っている人のみになっています。毎日タイムラインを眺めていると、まるでそこで起きていることが世の中で起きている全てのように感じるのですが、実はそれはごく一部の現象でなのです。

ということで、今後テクノロジーが進化すればするほど、意識的にノイズを取り込んだり無駄な時間を持つということをしないといけないような気がしますが、そう思えるのは自分と世間との関係や、情報の持ち方を体系的に考えられる人たちになります。多くの人たちは、自分が気持ち良いと思う情報の海に浸ったまま出てこなくなるかもしれません。

食べ物をえり好みすると、どうしても栄養が偏ります。野菜も食べなさいと、指摘してくれるようなお母さん的な存在がインターネットの世界にも必要だと思うのですが・・・。

オブラートにくるむ日本社会、くるまないホリエモン

クレープ

堀江さんの「金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?」の中に、メルマガ読者から寄せられた質問に答えるコーナーがあります。それを読んでいて思ったのですが、堀江さんってエクスキューズが一切なくて、結論だけをバスっと言うんですよね。

2か所ほど抜き出してみるとこんな感じです。

Q堀江さんこんにちわ。メルマガいつも楽しみにしています。堀江さんが考えるサラリーマンのメリット・デメリットってなんでしょう?

A【デメリット】給料安い、出世に時間がかかる、意味なしの権力争い、足の引っ張り合い。【メリット】なし。

Qウェブ系企業で運用担当をしている36歳です。堀江さんのメルマガを読んで刺激を受け、私ももっと面白い仕事がしたいと思い、土日を利用してRubyやJavaを勉強しています。最終的にはGREEの田中さんのように多くの人が使ってくれ、収入を得られるウェブサービスを作りたいと考えています。今は勉強の次の段階として、一般に公開できるスマホ向けのウェブサービスをつくってみたいと考えてるのですが、なかなかどんなものをつくればいいか思いつきません。

A自分が今、「何でこんなサービスがないんだろう?」って不満に思うことを解消するサービスを作ればいいんだよ。

もっと長めに解答しているものもたくさんあるのですが、本当に結論に絞られているなぁと思いました。例えば知人から「これどう思う?」って意見を求められて、内心全然ダメって思っていても「そうだなぁ、ココがちょっと残念かも」ってかなり婉曲して言ってしまうのが人間です。しかし、堀江さんの言葉にはいっさいの躊躇が感じられません。

以下の質問の答えで分かるのですが、人から嫌われることが怖くないんですね。

Q堀江さんはぶっきらぼうな態度やストレート過ぎる言葉の選び方により、大きく損をしていると思います。なぜもっと人に気に入られようと努力しないのでしょうか?

Aこれでもずいぶんマシになったと思うんですが・・・・・・。で、これは前から考えは特に変わっていないのですけど、マスメディアとかを通して“いい人イメージ”が定着しすぎると、有象無象が寄ってくるのが嫌なんですよね。どうでもいい人には寄ってきてほしくはないというか、そんな人のために努力をするのは嫌だというのがあります。自分が好きな人たちには気に入られたいから努力しますけど。
つまり、たとえば検察官みたいいな人に気に入られたいとは全然思わないし、そのために気を遣うのはバカバカしいと思ってしまいます。だから嫌われるのでしょうけど、その結果として、まさかこんな目に遭うとは思わなかったので、最低限度彼らのような人種の気に障らないようには努力しようと思いました。

先日のかわんごさんとのツイッターでのやり取りをみていても思いましたが、人から嫌われることはもちろん、失敗することも怖くないようです。(しかし、死ぬことは怖いそうですが、それを乗り越える独自メソッドを編み出したのだとか。)

思ったことをハッキリ言うと、意思の疎通が短時間で図れるためビジネスの現場では非常に効率的です。しかし、実際にはそれと全く真逆のことが行われています。
かつて、親会社に提案するための資料を作って管理職に回覧しました。仮に「SNSサイトを作りたい」という趣旨の提案だったとしましょう。すると、回覧に回す前の内容はこうです。

■SNSサイト構築のご提案
〇〇のメリットが見込まれるので、SNSサイトを作らせて頂きたい。

これを数人に回覧すると、全く内容が変化していました。

■コミュニケーションサービス構築に関わる検討についてのご提案
〇〇のメリットが見込まれるので、コミュニケーションサービスの構築に関わる検討を行うための了承を頂きたい。

まず、SNSという表現が直接的すぎるので婉曲しろということで、コミュニケーションサービスに名前が変更されました。そして、作らせて頂きたい、だと表現が直接的すぎて刺激が強いので、検討を行うための了承をもらうように変更されました。両者を見比べると、オブラートにくるみすぎて全然何言いたいのか分からないですよね?

言葉の定義がフワっとしてしまったので、話し合いをしたとしてもフワっとしたまま終わるわけです。

なぜこんなことが起こるかと言えば、管理者が責任を追及されるのが怖いのです。後々失敗した時に備えて、
「こちらが実施したいと言ったわけではなく、実施検討の了承も頂いています」と言い訳したいのです。加えて、直接的な表現で相手が怒り出したら怖いのです。

ということで本音でを言えない原因は、何にせよ「〇〇が怖いから」に帰結します。大きな組織はだいたいこの病に侵されており、堀江さんは病に侵されていなかった故にあんなことになってしまったのか・・・。と思うと感慨深いものがあります。