日別アーカイブ: 2013年6月13日

「〇〇が死に、〇〇が生き残った理由」という記事について

ロコンド

死んだよばわりされた靴販売ECロコンドが好調

去年の前半に靴販売サイト「ロコンド」の財務状況がヤバいというブログが話題になり、NAVERまとめが出来て、それをIT系の著名な人がツイッターで拡散してロコンドの社長さんとモメたりして、雰囲気的にはロコンド終了のお知らせみたいな空気感が漂っていました。

さっき「ロコンドがexiteと提携&さらに増資」みたいなニュースがあったので見てみたら、めっちゃ成長してるじゃないですか。

実はロコンドはサービスインの時からすごく気になっていました。それは、ロコンドが米のザッポスみたいに「靴返品無料!」という夢のコンセプトを掲げていたから!・・・ではなくて、TVスポットが超絶ダサかったから。

近藤正臣が「近藤です。ロコンドーです。」っていうCMが、その年のワーストCMオブザイヤーbyトリを受賞したので「なんだこのセンスないCMは!!!!」ということで気になってました。

初年度の営業利益14億の赤字からの復活

ロコンド3

で、初年度の財務状況は、先ほど書いたようにボロボロ。売上高8億5千万に対して営業利益は14億の赤字。粗利率も15%と他業種に対してかなり高い(っていうのは返品無料だから当然なのでしょうが)。
そこで冒頭のロコンドが死に、〇〇が生き残った理由みたいな記事に繋がるのですが、なんと2012年度は取扱高35億と前年の2倍以上、なんと粗利率も30%と倍になったそうです。(営業利益などの数字は分かりませんが、粗利率が倍に回復してるからだいぶ良いはず。)
ということで、現在はアパレルにも手を広げて4月~5月については、前同月比160%以上の成長しているようで、これからさらに成長出来るかという局面です。

2014年度までの取扱高の目標はこんな感じになっていて14年度には100億超えを目指すそう。

ロコンド2

で、今回思ったのが、立ち上がったばかりの事業やサービスの決算や財務が悪かったからと言って「〇〇が死に、〇〇が生き残った理由」っていう記事は止めた方がいいのではないかということ。
ちょっと前も「mixiが死に~」っていう記事がありましたけど、当事者側にしたら「まだ死んでませんから!」っていうことだと思います。

そんなこと言ったらAmazonだって、何回も死んでることになりますよね?そもそも巨額の投資をして改修までに4~5年かけてもいいとベゾスCEOが宣言しており、単年で見たらしょっちゅう赤字やら減益やらになってたわけですから。
長い長い過程において、財務状況が沈むというのはよくあることだと思います。実際のサービスの本質を見ないで「死ぬ」っていうのは言い過ぎだと思うんですね・・・。

耐えたロコンドさんもえらいですよね。

誰が“この新規サービス”のイノベーターになるべきか

イノベーター

新しいモノは、2.5%のイノベーターからはじまる

前回原稿を書いていて思ったのですが、新しいモノゴトが広まるときは、ごく少数のイノベーター(全体の2.5%といわれる)を通して広まっていくというマーケティングの定説があります。この最初に使い始める層というのが結構大切な気がしています。
たとえば、Facebookが一般に公開されたのは、Myspaceより3年も後なのですが、今はFacebookは世界で10億人が使っているサービスになっています。なぜ先行していたMyspaceが敗れたのかという分析が色々行われていますが、Facebookは大学生のためのSNSという若者にフォーカスしたことが大きな要因だったのではと言われています。

たいてい米国でもアジアでも、新しいサービスが流行するときは若者を起点に広がるようですが、日本においてはFacebookとTwitterが流行した過程ってけっこう特殊かなという気がします。思い出すとこんな感じだったかと。

■Twitter
一部のIT関係者やギークが使用。ビジネスの会話が主。

孫さんや広瀬香美等著名人が使って認知拡大

マスメディアが取り上げさらに拡大

ブレイクしてから数年たった2013年は、若者を中心に再ブレイク中

■Facebook
一部のITや広告代理店関係者が使用。(つまらないという声が続出)

映画「ソーシャルネットワーク」公開 認知拡大

じわじわ来たところで、マスメディアが取り上げさらに拡大

そもそもサービスの仕組みが拡散する仕組みなのでブレイク。現在はFacebook疲れが進む。

いずれもマスメディアの力を途中で借りてるというのが、日本の特殊事情な気がします。あと、IT関係者とか広告セクションの人ってきそうなサービスに飛びつきますが、特に業界内でコミュニケーション取りたいわけじゃないのと半分仕事なので、使ってても「何が面白いのかわからん」になるんですよね。

誰がイノベーターになるのかは、サービスによって異なる

ちなみに、女性向けサービスは、ITや広告関係者からはノーマークになるので、いきなり普及してからポっと情報が出てきてきたりします。もうすぐ5000万人にユーザー数が届きそうなPinterestだって開始当初は関係者の間でも全く話題にならなかったそう。クックパッドもそうですね。

あと日本の独特のカルチャー文化によって広まっていくパターンもあると思います。オタク、サブカルチャー文化(ニコ動とかPIXV)、ギャル文化(DECOLOG、デコメ)などなど。

ただ、これらのサービスが始まった時は広大なWebという砂漠にポツンとサービスがあって「見つけに行かなければならなかった」のですが、今はスマートフォンによりアプリプラットフォームが統合されているため、一部のイノベーターが使いだして広まるというよりは、一気にメインターゲットまでドカンと普及してしまう例も多いかと思います。カメラアプリとかはコレにあたりますね。1000万人のユーザー獲得まで1年もかかってなかったりするので。

自分たちのサービスは、誰に一番最初に使ってもらうべきなのか?というのは、非常に検討する価値があるテーマかと思います。