月別アーカイブ: 2013年6月

無理ゲーを勝ち抜いて、売上を1.5倍にした富士フィルム

富士フィルム3

10年間で10分の1に縮小したフィルム市場

昨日、市場を根こそぎ持っていく競合は、想定しないところか急に現れるので、防ぎようがないという話をしました。そんな中でデジタル化によって既存のメイン事業が縮小したのに、売上自体を10年で倍にした企業があります。富士フィルムです。

富士フィルムといえば、映ルンですのCMが印象深いですが、化粧品「アスタリフト」のCMを見た時は「なぜ写真の会社が化粧品を!?」と思いました。でも歴史を紐解くと、化粧品等の事業に進出せざる追えなかったというのが正しいようです。フィルム事業は2000年をピークに、その後10年で10分の1にまで縮小しており、競合であったコダックは2012年に経営破たんをしています。しかし、富士フィルムは1兆4403億円であった売上高を2012年度は2兆2147億円と1.5倍にしているのです。

コダックとの売上高の比較のグラフを見ると象徴的です。いったいこの2社の運命を分けたのはなんだったのでしょうか。
富士フィルム

フィルム事業がピークであった2000年当時は、フィルム部門の担当役員が会社を支配していたと言います。この体制に疑問を持っていた古森重隆氏が2000年に社長兼CEOに就任すると、90億ドルをかけて40社を買収した上、1年半の間に2500億円をかけてリストラを含む社内改革を行ったといいます。

古森社長いわく、「自動車が売れなくなったトヨタ、鉄が売れなくなった鉄鋼会社をイメージし欲しい」、「我々が直面した危機はそのくらい恐ろしいインパクトがあった」、「辛い経験だった」、「状況をありのままに見れば生き残れる状態ではなかった」、「だから我々はビジネスモデルを再構築しなければならなかった」Electronic Journal 2012年6月号より

10年間に2回も市場が大きく縮小するという無理ゲー

そして、現在の富士フィルム―、2012年度の売上と営業利益の内訳(グラフ右)を見ると、このようになっています。
富士フィルム2

富士フィルムが2000年時に主力としてきた写真のフィルム現像等のイメージングソリューションは、なんと22億円の赤字。営業利益を支えているのは、2000年以降に始まった医療用フィルムや内視鏡等を販売するインフォメーションソリューション(アスタリフトの売上もココに含まれます)と、富士ゼロックスによるプリンター販売や保守等をするドキュメントソリューションです。
特に、医療関係の製品と化粧品「アスタリフト」の売上が好調で、増収増益となっています。
もし2000年当時に大改革に踏み切っていなかったと思うと・・・完全にやばかったのですね。

細かく決算資料を見ていて気付いたのが、赤字であるイメージングソリューションの中でもフォトブックを展開して単価をあげようとしていたり、デジタルカメラの販売なども注力してきたということです。フィルム業界は、市場そのものが揺らいでしまう大波を今までに2回もかぶっています。2000年頃にデジタル化の波が訪れフィルム事業がどんどん縮小されていった時と、2008年以降にスマートフォンの登場によってデジタルカメラの市場自体が縮小したことです。この10年間に、2回も市場そのものを揺るがす変化が起こったなんて、「どんな無理ゲーだよ」という感じですよね。

もしも富士フィルムの改革が、「フォトブックに対応して単価をあげる」「デジタル化に対応するためにデジタルカメラ販売」等の写真市場のみに絞られていたとしたら、やはり大変なことになっていたしょう。医療用フィルムや医療器具、まさかの化粧品販売という会社の構造そのものを変える事業拡大を行ったからこそ、スマートフォンの影響を受けても、屋台骨が揺るがない企業になったのです。

改革を断行した古森社長には、おそらく激しい逆風が吹いたのだろうと思いますが、危機感を持った人間がトップになり改革を行うということが、いかに重要か思い知らされますね。

参考文献:Electronic Journal 2012年6月号

「気をつけろ、上から来るぞ!」的なマーケティングの世界

上から来るぞ

スマートフォンに市場を食われたハードウェアたち

よくニコニコ動画のゲーム実況とかを見ていると「気をつけろ、上から来るぞ!」というコメントが見られます。これは、ゲームに登場するキャラクターの視界外から敵が降ってきたりすることに対しての揶揄です。

で、2000年代以降のマーケィングの世界もこれと同じことが起こっているかなぁと思っています。

・デジタルカメラ
・ノートブック
・音楽再生プレイヤー
・コンソールゲーム機
・カーナビゲーション

これらは、スマートフォンの普及に伴って市場を食われたと言われる業種です。これらの企業が提供してきた機能は、スマートフォンというたった1台のデジタル端末に全て集約されてしまいました。おそらくiPhoneが普及しだした2008年においても、それから数年でここまで市場が食われてしまうとは思わなかったでしょう。
スマフォに市場食われた
米国の名だたるマーケターや識者もそう言っていましたし、日本においてはガラケー文化が強すぎて絶対流行らない、と言われてました。

日本の通信キャリアもプラットフォームを持っていかれる

気づいたら、先述のハードウェア市場は次々とスマフォに市場を食われてしまい、デジタルカメラに関してはコダックが破たんしており、コンソールゲーム機においても任天堂の業績が不調だったりと、目に見える形で次々影響が出ています。しかもハードウェアの分野のみならず、ガラケー時代は通信キャリアが担っていたソフトウェアのプラットフォーマーとしての立ち位置も、根こそぎ持っていかれようとしています。スマフォを入手した人たちは、GoogleplayかAppstoreをメインで使うからです。

と、いうことで、iPhoneからはじまったスマートフォンの爆発的普及は誰にも予測できなかったし、いくらマーケティングしてもスマートフォンを「競合」として位置付けるのは難しかったでしょう。目に見えない競合が気づいたら目の前に現れるという、「気をつけろ!上から来るぞ!」の時代に入っているわけです。

UI・UXの少しの差が、明暗を分ける

kakao

LINE開始時に1000万DLあったKAKAO TALK

昨日の原稿で、動画共有サービス「Vine」が流行ったのは、再生ボタンをタップさせるというひと手間を廃止したからだと思う。という原稿を書きました。

「え?たったそれだけの手間?たいしたことないのでは」と、言われるかもしれませんが、このひと手間が超重要だと思うんですよね。

以前、リリースから1カ月ばかりのLINEをダウンロードした時の話をしましたが、その時、実はKAKAOTALKもダウンロードしました。KAKAOを使った印象は、「LINEに比べて細かいところが少し使いづらいな」というものでした。ボタンの位置がもう少し広ければいいのにとか、位置的に下にあった方が押しやすいのにとか、とても細かい点です。LINEにはそんな印象を全く感じず、ボタンの配置等、すべてが完璧でした。

その当時KAKAOTALKは1000万DLに届いていたように思います。コミュニケーションサービスは、ネットワーク外部性が働きますから、既に1000万DLに届いてたKAKAOは有利なはずですが、あっという間にLINEに抜かれてしまいました。LINEがプロモーションを投下しまくったのもあるかもしれませんが(でも一度カンファレンスで見たのですが、CMの投下量とDL数の推移にはあまり相関性がないようでした)、命運を分けたのはこの「ちょっとした使いやすさの差」だったと思います。

機能は絞って最高のUI・UXを

新規サービスが出た時は、実際に触ってみることにしているのですが、伸びるサービスは、徹底的に使い勝手が計算されています。NAVERまとめをはじめて使ってまとめを作った時も、かゆいところに手がとどきまくるUIで感動しました。逆に、その後ライブドアからリリースされた「ANKER」というCGMっぽいサービスを使ってみた時は、ところどころ「?」となって、使いづらいぁという記憶があったことを覚えています。

特にユーザーに投稿してもらう系のサービスだと、UIが要になるので、何回も作っては壊す、作っては壊すの後に完成されたモデルを出すことが大事かなぁと思います。そのかわり、機能は徹底的に絞って最高のUIを実現するというのが重要だと思います。

動画アプリ「Vine」が流行ったのは、再生ボタンを廃止したから

vine Twitterが買収した6秒の動画を共有するサービス「Vine」の勢いがすごいです。今年1月の公開からまだ半年ですが、ダウンロード数はiOSのみでなんと1300万、6月の初めにAndroid版が発表されたばかりなので、軽く2千万は超えているのではないでしょうか。

アクティブ数から見ても、このグラフが示す通り、5月のユニーク数は360万人に達しています。1月は7万7千人ですから4カ月で約47倍も成長しています。とにかくすごいです。
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Vineはよく「動画版Instagram」と呼ばれますが、このキーワードを私たちはいったい何度聞いたでしょうか?以前にも同じようなキャッチコピーが付けられた「Socialcam」、「Viddy」、「Klip」といった似たようなサービスがあり、「Socialcam」に関しては2011年3月の公開以降1年5カ月で1600万ダウンロードに達していました。
いまやVineはこれらの先行するサービスを全て抜いてしまったわけですが、いったいこの要因は何でしょうか?明確にコレが原因だと思うのですが、「動画の再生ボタンを廃止した」ことだと思っています。

というのも、1年半前に動画プラットフォームを構想していたのですが、大きな課題にぶつかりました。それは、「動画は再生してみるまで内容が分からないこと」ということです。写真であれば、一瞬でそのコンテンツの良し悪しが分かるため評価がしやすく、また拡散もしやすいです。しかし、動画は再生ボタンを押して内容を見るまで、コンテンツの中身を評価することが出来ないのです。
この課題についての解決方法が思い浮かばないまま時は過ぎ去ったのですが、今年のはじめにVineを見てびっくりしました。Vineは動画共有サービスなのに再生ボタンがないのです。アプリをダウンロードするとムービーの静止画が並んでいます。この静止画が画面内に入るようにスクロールすると、勝手に再生が始まるのです。
この仕組みはすごいですね。他と比べてみると、ひと手間違うだけですがこのひと手間が大きいのです。

■通常の動画サービス
動画を探す→再生ボタンを押す→動画を見る→次の動画を探す
■vine
動画を探す→動画を見る→次の動画を探す

面白ビックリ映像みたいなものが大量にアップされている
vine

再生ボタンを押す、というボタンのワンアクションも、ちり積もるとユーザーにとっては結構負担なのです。ボタンを押すというアクションを組み込みことによって、ユーザーは常に「能動的」な姿勢でサービスを見なければなりません。

対してVineは、フィードをスクロールするという、ツイッターやFacebookと同程度の「受動的」な姿勢でサービスを楽しむことが出来ます。
「動画は再生してみるまで、中身が分からない」という課題を「再生ボタンを取る」という解によって、解決しているのです。

と、いうわけでこの話は一つの教訓でもあります。何か課題が見つかった時は、前提を覆すような方法でそれが解決される場合もあります。課題に対しては、自分の脳みそがぞうきんになったつもりで絞りながら向き合わなければいけないなと思いました。

「口コミ」の正体

kuchi口コミのほとんどは、「口コミ」じゃない

ソーシャル時代になって、口コミが重要とかバイラルプロモーションが重要とか言われています。「口コミ」と聞いてどういうモデルを思い浮かべるでしょうか?面白い写真や記事を、みんなが拡散していって広がるイメージでしょうか。実は、「口コミ」と呼ばれる現象には大きく分けて2つのパターンがあります。
ツイッターを例に挙げて説明しましょう

1.有名人がつぶやくと拡散する
この図を見てください。真ん中の黄色い〇は、ホリエモンさんみたいにフォロワー数が多い人です。ツイッターを図にすると、中心にたくさんのフォロワーを抱えている人がいて、裾野が広がる形になります。この中心にいる人を「ハブ」と呼びます。このハブがツイートすれば、この人をフォローしている人たちに一気に伝わり、短時間で情報が拡散するのです。
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2.みんなが共有したいと思うと拡散する
では、ハブではない人がツイートしたらどうなるでしょうか。あっという間に末端に到達してしまいました。この先っちょにいる人がツイートしても、フォロワーがいないのでもう拡散しません。では、ハブではない人がツイートしても拡散しないのでしょうか。
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実は、ハブを中心とした塊りはいくつもあり、この図のように緩くつながりあっています。なので、他の塊りに到達すれば、その他の塊りの中でまた拡散されます。このように塊りをまたいで拡散されていけば、たくさんの人に伝わります。
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ただこの場合は、情報そのものが強い拡散力を持っていなければなりません。みんなが「広めたい」と思う情報は、「良い話」「インパクトが強い写真」「ネタ」等、誰もが理解できる内容に限定されます。

ツイッターを例に出しましたが、Facebookでも何でも同じ構図ですし、サイトに置き換えても同じことが置きます。サイトに置き換えると中心にYahoo!があって、その他のサイトがYahooにぶらさがってリンクで繋がっていきます。ゆえにYahoo!に掲載されると拡散力が強いのです。

ということで拡散の種類は2つあるのですが、1つのめの「有名人(ハブ)がツイート」というのは、厳密に言うと口コミとは言えないですよね。こういう影響力の強い人=インフルエンサーに言ってもらうのは、前からありました。それがインターネットの力を借りて、規模が大きくなった(人によっては100万人のフォロワーがいる人もいますから)だけです。

2つめの「みんなが共有したいと思う」拡散の場合は、とにかくネタ的なものが広まりやすいです。橋本徹さんが「スマイルプリキュア」とつぶやいて10万リツイートを超えたというニュースがありましたが、誰しもが面白いと思うコンテンツは、知識のハードルがあると難しいのでネタに集約されやすいんですね。

日本人はシェアしない

Mary Meekerさんというウォールストリートの証券アナリストのレポートによると、日本人はシェアしないと書かれています。

見てください、この右の方に小さくダントツ最下位に位置する日本のポジションを。これは「オンラインで全て、もしくはほとんどシェアする」と答えた人の%です。シェアすることが必ずしもいいことと決めつける気はないのですが、時代の流れとともにシェアすることに抵抗感がなくなってくるのは否めないので、そういう意味では日本はまだまだ世界のデジタル化による「つながる」利便性を享受しきっていない気がします。 ランキングの高い国々をみても、比較的国民性としては内向的と思われている国や、インターネット環境がまだまだ充実していない国も高い数値を出していたりもするので、それらにも増して日本人がシェアすることに抵抗感があるというのは意外な、かつ興味深い事実です。

MaryMeeker_p28
例えばホリエモンさんのフォロワーは97万人以上いますが、ツイートがリツイートされているのはだいたい10~20で多くても100。最近物議を醸した「ブラック企業が嫌だったら、辞めればいい」に関連したツイートも256リツイートです。フォロワーに対する割合で見ると、たったの0.026%です。

このあたりから見ても、日本人がシェアしないのは事実だと思うし、一般的に「口コミ」とか「バイラル」と言われる現象は、ほとんどが大きなハブから拡散されてるだけんじゃないかなーと思いますね。

LINE楳図かずおスタンプで漫画作った!

matometitle ちょっと前に、サイバーエージェントと堀江さんが共同出資で会社を設立し、有名人トーク閲覧サービスを行うという発表がありました

数人程度の有名人が一定のテーマを決めて、人気の無料通話・チャットサービス「LINE」ような短い文章や画像などを使ったアプリでリアルタイムで会話する。興味がある有名人がトークに参加して発言が始まると、一般利用者に連絡がいく仕組み。利用者はアプリを通じて、トークの閲覧者同士で感想などをいいあえる。

ということで、ビジネスマンウケが良さそうな著名人が登場しそうですが、実は私もLINEで会話した内容をNAVERまとめで公表したりしてます。ある意味時代の先取り・・・。ということで、その一覧をまとめましたので良かったらご覧ください。(完全にお笑いです)

matome_01    「地獄のミサワ」LINEスタンプを友達に送りつけてみた。まとめ

 

matome_02
【地獄のミサワ】LINEスタンプ~格下の奴に送るようで遊んでみた~

 

 

matome_03LINE楳図かずおスタンプで漫画作った!

 

 

matome_04
まさかの第2弾!LINE楳図かずおスタンプで漫画作った!

 

 

matome_05「あのねのね」がLINEを駆け巡った日―。

 

LINEのシェア争いが面白い理由

wtitleシェア1位の「What’s up」と正反対のビジネスモデル

日本では4100万ダウンロードを超えギャズムを飛び越えたLINEですが、次は世界の覇者になれるかという壮大なステージが見えています。

現在トップを走るのは米スタートアップ発の「What’s app」=3億人ダウンロード、中国という巨大市場を制した「We Chat」=3億ダウンロード、そしてその後を追う「LINE」=1.5億ダウンロード、「KAKAO TALK」=8500万人という順番になっています。

・What’s app 3億
・We Chat 3億
・LINE 1.5億(国内4100万人)
・KAKAO TALK8500万

ここですごく面白いのが、1位の「What’s app」と「LINE」のビジネスモデルが真逆ということです。「LINE」がプラットフォーム化を発表して以降、ゲームに漫画に占いにと大量のコンテンツを投入するとともに、タイムライン等の拡張機能を導入、そしてお店からクーポンや情報が届くプッシュ型のサービスを開始して、どんどんサービスが盛り盛りになっています。なぜこんなに盛るかといえば、お金を稼がなければならないからです。チャットサービスの投資は巨額ですから、無料で通信サービスを提供する以上、別のどこかで収益をあげる必要があるのです。

現在その屋台骨を支えるのはゲームとスタンプ課金ですが、収益の規模を拡大させるためにも広告を掲載したり、ユーザーへの直接課金の機会を増やす必要があるのです。

対するWhat’s upは、完全にメッセージングのみに特化したシンプルな作りになっています。じゃあどこで収益をあげるのかといえば、サービス自体が有料課金サービスになっています。価格は$0.99(日本だと85円)で追加料金は必要ありません。画面も以下にあるようによく言えばスッキリ、悪く言えば味気ない構成です。世界を舞台にシェア争いを繰り広げるサービスのビジネスモデルが、対極に位置しているのはなかなか面白いですね。日本ではLINEの画面が複雑になってきて少し使いづらいという声も聞かれるので、両社が今後も同様の戦略を取っていくのかということに注目したいです。

〇LINE
無料でチャットを提供→その他のコンテンツで課金
〇What’s app
有料でチャットを提供→その他のコンテンツは入れない

「What’s up」の登録画面。自分の電話番号を入力
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SMSで送られたコードを入力(このへんはLINEと一緒ですね)w02

お気に入りには、よくやり取りする友人がw03

ステータスメッセージを設定できますw04

電話帳が表示されます(LINEにはない機能)w05

チャット画面。無機質・・・。w07

グループを作ることも出来ます。

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スティーブ・ジョブズを演じる俳優を選び直す!

ジョブズが、アシュトン・カッチャー・・・だと・・・。

スティーブ・ジョブズの自伝映画の予告編が披露されたらしいですが・・・ジョブズ役を聞いてびっくりしました。アシュトン・カッチャー・・・だと・・・。

アシュトン・カッチャーといえばデミ・ムーアと結婚して離婚して、若かった時はアイドルっぽかったからラブコメによく出てたくらいの記憶しかありません。なぜアシュトン・カッチャー!ツイッターとかPathに投資してITに知見があるみたいなブランディングだからなのか!?なんかいずれにしろ、うーん、、ってなって映画自体観ようかどうか迷います。

確かにブラピとかジョニー・デップが演じないのは分かるのです。ジョブズの個性が強すぎるので、スター性のありすぎる俳優が演じても、ジョブズに見えなくなってきます。に、してもアシュトン・カッチャーって!

というわけでふさわしいと思う俳優さんを3人選び直してみました。

第3位 ラッセル・クロウ ピッタリ度 48%
ラッセル・クロウ

この人は、日本でも割と名の知れた俳優さんですが、天才数学者から古代の戦士まで、演技の幅が広いです。しかも見逃せないのはプライベートで喧嘩っぱやいことで有名で、現にいまgoogle先生で調べたら予測変換で「ラッセル・クロウ 喧嘩」と出てきました。そのへんの瞬間的に沸騰してしまう傾向もジョブズを彷彿とさせるのです。

第2位 クリストファー・ノーラン ピッタリ度 76%
クリスチャンベール

バッドマン役の人ですが、去年公開されたシリーズ最終話でムキムキの筋肉を披露してましたね。「おいおい、ジョブズってそんなむきむきじゃないよ」と思うことなかれ、彼は映画「マシニスト」に出演したときに1年間不眠になっている主人公を演じるため、なんと30キロ近く体重を落としているのです。
マシニスト
この逸話によりカメレオン俳優と呼ばれていますが、その役者根性があれば、ジョブズ役もこなせるはず!

第1位 ダニエル・デイ・ルイス ピッタリ度120%
ダニエル・デイ・ルイス

ぶっちゃけ、ジョブズ役はこの人が演じればいいと思うんですよ。すごい目も鋭いし、この人相当のカメレオン俳優だと思います。何年か前にミュージカル映画「NINE」を観ましたが、見終わってしばらく経ってから主役がダニエル・デイ・ルイスであることに気づきました。
なにより押したいのは、この人自身が相当の変り者だということです。確か、一時ハリウッドが嫌になって「普通の靴屋になるんだ」と言って、靴屋をやっていたはず。

やっぱり、ジョブズはエキセントリックな俳優さんに演じて欲しいんですよね・・・。

て、ここまで書いてはじめてアシュトン・カッチャーのジョブズの写真見たら、ネットで激似!って話題になっていました。しかも果実食まねして入院していたらしい・・・。ちょっと言い過ぎた、アシュトン・カッチャーごめんね。って溜飲を下げつつもこの写真が特殊メイクに見えなくもないのでした。でも映画観てすごかったら、トム・クルーズをさんざんDisっていたのに「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」を観て絶賛した「インタビュー~」の原作者みたいになっちゃうかも・・・。

かっちゃー

Amazonが最強な理由は「待てる経営」だから

amazon

「待てる経営」とは投資から改修までどのくらい待てるかということなのですが、普通はそう待てないと思います。上場企業であれば四半期ごとに収支を公開して短期的な利益が求められますから、いつまでも利益が上がらない事業を保持していること自体、株主から責められることになります。
上場してなかったとしても、会社組織の中で新規事業を行っている場所は、短期で投資を回収できなければ担当者は評価されません。ゆえに、やはり待つことは難しいのです。

しかし、待てる経営は、時として大勝ちする場合があります。というか、待てることが大勝ちする条件です。

検索エンジンの歴史。待てなかった日本企業と、待てたgoogle

その昔、インターネットが流行し出すと検索エンジンが来るんじゃないということで、日本の企業も大量の開発費をつぎ込んで日本製検索エンジンを作っていました。しかし検索エンジンをいくら作っても儲かりそうにありません。結局、収益化を急いで検索結果に広告を差し込んでしまいました。今のリスティング検索ではなく、オーガニックの検索結果の上位に、広告のサイトを表示したのです。
当時、出来たばかりだったgoogleは収益化を急ぎませんでした。検索結果の精度が悪くなった検索エンジンからユーザーは離れ、どんどんgoogleはシェアを伸ばしていきました。日本企業は検索エンジンの開発に資金を投入しなくなり、結局シェアを確保したgoogleが数年後にリスティング広告を発表してありえない収益をたたき出すようになったのです。ちなみにgoogleの2013年1~3月期決算は、売上高が前年同期比31%増の139億6900万ドル(約1兆3720億円)だそうです。

WEB2.0の波が引いても待ち続けたクックパッドとアットコスメ

WEB2.0がブームになった時、集合知という言葉がもてはやされて次々にCGMサービスが登場しました。クックパッドとアットコスメは集合知がブームになるよりも前、90年代の終わりかけに登場したサービスですが、収益が起動に乗ってきたのは2005年以降です。それまでに4、5年の月日を乗り越えたからこそユーザーが定着し、両社とも上場、クックパッドについてはすごい高利益体制を維持しています。通期で49億を超える売上を上げ、営業利益が26億で利益率が53%と驚異的な数値です。

60億の赤字を出しても投資し続けたアメブロ

プラットフォーム事業は莫大な投資を必要としますが、アメブロは5年間、60億の累積赤字を出しています。藤田社長は「会う人みなに止めた方がいいと忠告された」と書籍で語っています。しかし、藤田社長自らアメーバの統括責任者に就任し、3年で黒字を達成できなかったら社長をしりぞくと退路を断ち、3年めの2009年に黒字化を達成。2012年9月期の決算ではAmeba事業の売上高は250億円で営業利益は74億円、営業利益率は29.6%となっています。藤田社長の書籍にもありましたが、広告代理店は非常に利益率が低いのです。藤田社長は、利益率の高い自社メディアを作るために、6年もの間「待った」のでした。

そして、藤田社長はブログでこんな発言もしており、待つことの重要性を話しています。

twitterが大ヒットしたのは、日本版がローンチして2年経ったある日、突然でした。それまでは目立った流行り方はしていませんでした。成功の要因は、その間粘り強くサービスを改善を積み重ねていたからだと思います。Facebookは最初から今のようなでかいところを狙いにいった訳ではありません。当初は学生のみに限定したサービスでした。機能を追加したり、オープン化したり、ダカイを繰り返して今に至っています。大きく成功すると、さも最初からそれを狙っていたように成功要因を解説する人が出てきますが、実際は、現場での試行錯誤の結果であって、しっかりとコンセプトとターゲットを絞ってサービスを確立し、リリース後、ダカイを重ねて拡大させていくというやり方がホームランを出せる確率が最も高い方法と私は考えてます。しつこいようですが、今年は地道にダカイゼンを積み重ねて、ホームランを待つ、というスタンスです。

巨額投資が必要な動画プラットフォームに賭けたニコニコ動画

ニコニコ動画も2008年以降2年弱の間、赤字事業でした。動画プラットフォームは、特に多額の投資が必要だったため視聴者数が伸びれば伸びるだけ赤字も膨らむ構造でした。しかし、固定ファンを惹きつけたニコニコ動画は有料会員制度を設け、現在その数は175万人に上り、今もまだ増え続けています。2012年9月期第4四半期のニコニコ動画の売上は37億5千7百万で営業利益は6億3千2百万で利益率は16.8%ととなっています。この事業は「フェニックス・プロジェクト」と名付けられていたそうです。当時ドワンゴの携帯ビジネスはひっ迫しており、会社を根底から盛り返すための一発逆転の事業が必要でした。ドワンゴの小林社長も「これでドワンゴは蘇えるぞ!との思いから付けました。」と語っています。

天文学的な累積赤字1兆円を回収したAmazon

世界で一番「待てる」企業がAmazonです。Amazonの累積赤字の最大額はなんと1兆円。普通だったらひるんでしまう天文学的数値ですが、ジェフ・ベゾスは周囲の批判にもめげずに6年で黒字化しています。ちなみに、2012年における日本での売上は78億ドル(!)。楽天の2858億円を抜いています。

ちなみに、ベゾスは来日時にインタビューの中でこんなやりとりもしています。

短期的利益を追求する企業が増えている中で、確かにアマゾンは辛抱強い。先行投資期間が長い印象があります。

ベゾス:おっしゃるとおり、私たちは辛抱強い。待つのは平気です。2、3年でうまくいく必要はまったくありません。状況によっても変わりますが、一般的に私たちの会社が見ているタイムラインは、5年から7年。 もちろんどこかの時点で顧みる必要は出てくるでしょう。うまくいかないものにいつまでも投資することはできませんから。しかし、1つの事業を構築するために5~7年にわたって投資する用意は常にあります。 我々は市場シェアを自分たちで決めることはできないと常に思っています。最高の顧客経験を提供することに重点を置いてビジネスを展開するだけ。あとは顧客がアマゾンのシェアを決めます。アマゾンで買い物をするのか、それとも別のところでするのか。これは常に顧客が決めることです。

待つというのは受動的な言葉ですが、この「待てる経営」している企業は受動的な体制ではありません。投資から改修までを「待つ」ということは、それをはばむ外部要因から事業を守り、積極的に攻めに出て維持していかなくてはならないのです。

そして、待つことの出来る企業には、ほぼ全てに当てはまる共通点があります。それは、創業社長が最高決定権を握っていることです。数年ものスパン赤字でありながら事業を守るということは、もはやそれは信念以外の何物でもありません。創業社長だからこそできる、きわめて攻撃的な事業運営なのです。

パズドラと任天堂Wiiの隠れた共通点

パズドラ

パズドラと任天堂Wiiが誕生した理由

パズドラはご存知の大人気スマフォゲームで、任天堂wiiは家庭用ゲーム機なのですが、この2つはかなり背景が似ている気がしています。

任天堂wiiの歴史はこんな感じです。

1.コンソール(据え型)ゲーム機登場

2.どんどん高機能化してターゲットユーザーが絞られる

3.任天堂がターゲットユーザーをファミリー(母親)に設定してwiiを発売

最初にファミコンが発売され、以降スーパーファミコン、プレステ、任天堂64、プレステ2という風にハードがどんどん高機能化していきます。処理スペックがどんどんあがって画質が鮮明になっていきました。その結果、ゲームをプレイするユーザーがどんどんコアゲーマーになり、ファミコン時代と比べてゲームをプレイする人数の母数が減っていきます。そこで、任天堂は再度ターゲットユーザーをファミリーに設定、リビングに置けるゲーム機を目指した結果「母親がOKを出すゲーム機」という結論になります。その結果、wiiのスペックはそれほど高くはありませんが、スティックで感覚的にゲームがプレイできるハードウエアが誕生したのです。

対して、パズドラの歴史。

1.ソーシャルゲーム登場(怪盗ロワイアル)

2.どんどん複雑化してターゲットユーザーが限定されていく

3.ガンホーがターゲットユーザーを一般人に設定してパズドラ発表

最初に本格的なソーシャルゲームが出たのは、モバゲーの怪盗ロワイアルだったかと思います。その後、ガチャの仕組みが複雑になったり、仲間たちとボスを倒すギルドバトルやボスとの遭遇タイミングが限定されるレイドボスなどゲームシステムがどんどん複雑になっていき、プレイするユーザーがどんどん限定されていきました。しかし、ガンホーが“ゲームとして面白いものを作りたい”というコンセプトで「パズドラ」を発表、今までソーシャルゲームをプレイしたことがなかったユーザーを獲得します。現在は1400万DLを超えているそうで、他のソーシャルゲームはヒットしていても100万程度ですからいかに裾野を広げたかが分かります。

成熟に入った市場を拡大するのは、トップの決断

コンソールゲーム機の高性能化は、メーカーが機能を盛ってハードウェアを進化させてしまうという、日本のメーカーにありがちな現象なのだと思います。対して、ソーシャルゲームの仕組みが複雑化したのは、複雑にすればするほど1人あたりの収益が上がるからです。価格は需要と供給の一致点に定まりますが、ソーシャルゲームの場合は需要が高いユーザーがいればいるだけ課金してくれるので、課金タイミングを増やす仕組みをたくさん入れるわけです。

また、wiiの場合は岩田聡社長がターゲットをファミリーに設定するというマーケティングの結果生まれたハードですが、ガンホーの場合はマーケティング云々よりも「とにかくゲームとして面白い物を作れ」だったそうです。実際にパズドラの開発でも、開発者たちの奥さんに意見を聞く嫁レビューというものが取り入れれて、パズルのピースの斜め移動を許す(通常のパズルゲームじゃ考えられないですね)などとにかく初心者に優しい設計になりました。

しかし、共通する点もあります。まず、市場が成熟に入っていてターゲットユーザーが固定化していたという点、そして実施にあたってはトップの決断が必要だった点です。wiiの開発をする際は、岩田社長により社内を説得する必要があったそうです。パズドラにおいても森下一喜社長は、「戦略は面白いゲームを作ること。馬鹿げているかもしれないが、極めて本質的だ」と語っており、収益は二の次でとにかく長く遊んでもらうことだとしています。

ということで、現在成熟期に入っていてこれ以上ユーザーの母数が伸びそうにない場合は、商品の再定義が必要なのかもしれません。そして、成熟期に入ってる以上は組織が固定化して業務も慣例化しているため、社内を説得するにはトップの決断が必要になるでしょう。