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webサービスについての話題

世界に比べて、インスタグラムが日本で普及しない理由

インスタグラムの世界での利用者4億人突破!でも日本は?

一見インスタグラムが日本でも流行っているように見えるんですが、実は世界に比べると全然普及してないらしいです。世界では4億人を越えているのに日本での利用者数は810万人だと言います。

これは「ピンタレスト」や「ソーシャルコマース」が日本でイマイチ流行らなかった理由とイコールだと思うのですが、日本人って文脈が大好きで、文脈に則ってない物を受け入れづらいんですよね。文脈というのは単語と単語や、文章と文章の繋がりに何らかの意味を見いだすことです。

例えば夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したというエピソードがありますが、「月が綺麗ですね」からそんな意訳をするなんてスーパー文脈読めるわけです。さらに江戸時代には俳句なんていうものもありまして、松尾芭蕉のこの俳句を読んで何を思うでしょうか。

秋深き 隣(となり)は何を する人ぞ

これは秋がますます深まってきて、野山などが寂しく感じられると、人恋しくなって隣の人の事も気になってくる。という意味らしいんですね。寂しいなんて言葉は何一つ書いていないのに、この一説から「寂しさ」を読み取ることが出来るのも、スーパー文脈力と言えるでしょう。
ちなみに平安時代の恋のやり取りは主に文で歌のやりとりによって行なわれたそうで、ここでもスーパー文脈力が発揮されています。

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほ恨めしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
→夜になればまたあなたに会えると分かっていても、それでも夜明けが恨めしい

ということで、全然「会いたい!」という言葉は入っていないけれど、文脈で「あなたにずっと会いたいです」って言ってるんですね。ちょっと話は変わりますが、2ちゃんねるを見てても空気を読む力が凄くて、実際に「空気嫁(よめ)」というコメントもけっこう行き交っていたりします。

「バルス」祭りは、空気読む日本人ならではの現象

前に2ちゃんねるの板で

「このスレ、全員ビッグダディ」
というタイトルのスレッドがあり、コメントの一番目に
「俺はこういう人間だ。だからこのクソスレを立てた。」
って書いてあったのですが、2番名以降のコメントも
「俺はこういう人間だ.だからこのクソスレにコメントした。」
という感じで暗黙の了解が出来て、ルールに則っているのです。この空気と文脈を読んでコンテンツを形成してしまう力とかは、日本独自なのではないかなと思います。「バルス!」みたいに暗黙ルールを作ってそれに習うというのは、日本人の習性ですよね。

ということで、インスタグラムに話を戻すと、特に文脈はなくてきれいな写真の連続なんですね。こういうきれいな写真が連なってるサービス(ピンタレストやFANCY他のソーシャルコマース)は、海外である程度流行っていても日本だとそんなに…という状況になっています。
しかし、世界から遅れを取っているものの、インスタグラムはこれからも伸長すると思います。こちらのブログに詳しくは書いたのですが、SNSとは自分の自我(ego)に近い自身(self→自分の食べた物、行ったところ等。)を拡散するものであり、インスタグラムはこれに則ったプラットフォームなので投稿意欲が湧くからです。さらに、Facebookと違って投稿物にクオリティが求められるため、作品群としても見ることが出来ます。

さらに日本でも一定の層から下の人たちは、あまり文脈を必要としないカルチャーで育ったが故に、特に文脈のない、きれいな写真群をコンテンツとして楽しむ素養が出来ている気がします。

Facebookの売上がTwitterの9倍あり、3倍のユーザーがいる理由

ユーザー数はTwitterの3倍。しかし、売上は9倍も高いFacebook

その昔、mixiの利用者がたくさんいた頃、同じ様にモバゲータウンの利用者もたくさんいました。しかし、同じ様に利用者がたくさんいても、mixiに広告を出すと効果が良いのだけれど、モバゲータウンに広告を出しても対して効果がよくないという話をよく聞きました。

そして2015年現在、mixiはFacebookに取って変わられました。Facebookの第3四半期の売上は45億ドルに達していますが、一方Twitterは5億6920万ドルの売上とFacebookの1/9しかありません。月間のアクティブユーザーはFacebookが9億6800万人(第2四半期)、Twitterが3億2000万人(第3四半期)ですからアクティブユーザー数は3倍程度の開きに対して、収益は9倍も開きがあります。
その理由を、TwitterはFacebookのように小口の一般広告主に広告が解放されていないからと見る向きもありますが、前述のmixiとモバゲーの例も含めて考えるとこれは、根っこのところには心理学に根ざした要因があると思うのです。

ego(自我)と外界の間には、境界があいまいなトワイライトゾーンがある

心理学者の河合隼雄さんと小説家の村上春樹さんが、対談にてego(自我)とは別にself(自己)という概念があるのではないかという風に語っています。村上春樹さんは、次のように言っています。

”はっきりとしたことはまだ突き詰めてなくて、いま考えているところなんですが、ここにセルフというものがあって、ここにエゴというのがあるんじゃないか。で、ここに外界が周りを取り囲んでいるんじゃないか。”

ego
つまり、ego(自我)と外界の間には、self(自己)という境界があいまいなトワイライトゾーンがあるという指摘です。この村上春樹さんの言葉に対して、河合隼雄さんはself(自己)には環境も含まれるのではないかという話をします。

”だから、ひょっとしたらここは環境のほうも入ってるかもしれませんね。ある程度、うまいこと。(中略)だから例えば環境といっても、ここに座っている人とこのジュースとはずいぶん違うんです。例えば「僕のジュース」という言い方をするでしょう。ほんとは僕のジュースじゃないんだけど、僕のジュースといってもみんなおかしくないというのは、これを僕が飲んでもみんな怒らないからですね。ところがこの天井を僕の天井と言ったら誰も同意せんですね。だから「僕のジュース」とういのは、このトワイライトゾーンに入ってるかもわからん。”
(河合隼雄対談集「こころの声を聴く」新潮文庫より)

そして、Facebookに投稿されている内容は、だいたいが、ここでいうところのself(egoと外界の狭間にある環境)に該当するわけです。自分が訪れたレストランで撮影する料理の写真や、訪れた旅行先の写真、そして仲間内で飲んでいる風景など、ego(自我)に接しているself(自己)という環境の写真を投稿しているわけです。
ということは、Facebookの利用者は自分のタイムラインをselfそのものと捉えます。そこに流れたきたターゲティング広告をselfの一部としてとらえるため、反応が良いということになるのです。

一方のTwitterは、self(自己)の領域に係る投稿をするのは若年層だけで、だいたいは外界の話題(面白ネタやオピニオンによるコメントなど)を消費して楽しむプラットフォームです。つまり、Twitterのタイムラインは、self(自己)の外にある客観的な視点で見ているわけです。そのタイムラインに広告が流れてきても、閲覧中のテレビに流れて来る広告を見るのと、さほど変わらないのかもしれません。

self(自己)に属するSNSプラットフォームは利用者が最大化する

また、先日利用者数が4億人を突破したインスタグラムも、利用者がタイムラインをself(自己)としてとらえるソリューションです。自撮りや生活の一部を切り取った写真たちは、self(自己)を切り取ったソリューションと言えるでしょう。
そして、これらのself(自己)に属するソリューションは、利用者数が最大化する器と成り得ます。Twitterのアクティブユーザーが伸び悩むという話を聞いてから久しいですが、selfに属さない客観的なコンテンツを扱うソリューションは、3億人程度が上限なのかもしれません。

情報をゆるく繋いで、空間設計が求められるWebメディア

「Cancam」は「女性自身」よりもショートケーキのほうが近い

例えば「女性自身」と「Cancam」は同じ”雑誌”というくくりですが、むしろ距離が遠い気がします。「Cancam」は「女性自身」よりは、むしろショートケーキのほうが距離が近い気がします。雑誌と食べ物なのに。

このように、定量的には同じカテゴリに属するんだけれど、定性的には全く同じカテゴリに属さないものたちがたくさんあります。
例えば「NHK のど自慢」と「テラスハウス」は定量的にはテレビ番組ですが、「テラスハウス」はむしろのど自慢よりは、ヴィダル・サスーンの方が近い気がします。

では逆に、定量的には同じカテゴリに属さない以下の項目を見て何を思い浮かべるでしょうか

・リネンのチュニック(洋服)
・ミナ・ペルホネン(ブランド)
・そば粉のパンケーキ(食べ物)
・かもめ食堂(映画)

雑誌「リンネル」のようなナチュラル系女子の生活が浮かび上がってきますね。このように、定量的には同じカテゴリに属さないのだけれど、定性的には極めて近いところにいる情報をくくるのが、メディアの役割だとも言えます。
雑誌が主流だった時代は、この手法がメインとなってメディアは作られていたと思うのですが、webでは定量情報のみに注目したメディアがけっこうあります。ハウツーだったり映画の上映スケジュール、PC等のガジェット情報などです。同じカテゴリの定量情報の記事を扱うということは「情報が情報として存在している」ということであり、これからのメディアとしてはけっこう大変かと思います。

「情報が情報として存在している」記事をメディアとして集約するのは(雑誌で言えば東京ウォーカーなど)、情報が点在していた時代には意味があったのですが、いまは「検索」という手段によってほしい情報にすぐアクセスできてしまいます。そして、ユーザーは欲しい情報を取得したら、その情報が掲載されているメディアを意識することなく直帰してしまいます。
かつ、そういった情報にアクセスする人たちの属性はまちまちなので、メディアとして広告もつきにくい状況になります。

つまり「情報が情報として存在して良い」メディアとは、そもそも利用者数が多いYahoo!などのポータルサイトなどでないと、成立が難しいのです。

記事同士をゆるく繋いで、空間を設計する

逆に定性的に近い情報をくくったメディアの何が良いかと言うと、読み手がそこに共感を覚えてメディアを認知するようになるということです。そして、そのメディアが提供する場の雰囲気を味わうために、再びメディアを訪れて習慣化していきます。
こういったメディアは、Facebookページと非常に相性が良いです。Facebookのタイムラインを流れる情報は、自分に関連のある情報としてユーザーは認識しているため、タイムラインを流れるお気に入りのメディアの情報を閲覧することが自然な導線となります。
そして、Facebookページのいいねを集めるための広告は、興味属性やデモグラフィックでターゲティング配信が出来るため、メディアのファンになってほしいユーザーにアプローチすることができます。こちらが意図するユーザーを集客出来れば、メディアのマネタイズがやりやすくなります。

今後のメディアの設計としては、情報単位で成立する記事ではなく、記事同士が緩く連携してひとつの空間を作るような雰囲気作りの設計が重要です。
そして、web上においてはYahoo!など一部のポータルを除き「マス」という概念が存在しないため、嗜好によって細分化されたメディアが複数存在するようになります。ちなみに、こういう概念によって雰囲気作りがうまく作られているなと思うのは、価格コムが提供するメディア「キナリノ」です(https://kinarino.jp/)。
解析ツールによると100万UUを超えており、すでにタイアップ記事が入るなどマネタイズも始まっているようです。

ということで、今後のWebメディアは情報だけでなく場としての空気を醸成することが大事ですし、その方法は、定性的に似たカテゴリーの情報をセンスよくパッケージにして届けられるかにかかっているのです。

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「日本ではiPhoneは流行らない」と言われていたことを覚えているか

筆者は、長期記憶が異常に発達しているので、だいぶ前の記憶を細かく覚えていたりします。例えば、1年前の飲み会で、誰々がこう言ったよねという発言を覚えていたりというようなことです。
その長期記憶をたどって思い起こすと、今世間でマジョリティになっているモノって「絶対流行らないよね」と言われていたなと思います。

「日本はガラケー文化が強いから、iPhoneは流行らない」

2009年頃、当時所属していた会社で、マーケティング担当の社員による社内セミナーがありました。テーマは「世界OS大戦争」という内容で、ちょうど昨年iPhone3Gが発売され、Androidも発表されたばかりだったので、今後どこのOSが覇権を握るのかというテーマでした。今では史上を独占したiPhone(iOS)とAndroidですが、2009年時点ではまだまだ勝負は分からないという雰囲気で、他にもWindowsやシンビアン (Symbian) などというOSもありました。(というか、2008年におけるスマートフォンのOSシェアはシンビアンがトップだったので、誰もiPhoneとAndroidがここまで世界を席巻すると思っていませんでした。)

講演が終わった後、セミナーを聞いていた社長が「それで、日本でもiPhone流行ると思う?」という質問を講師の社員に投げかけたのですが、その人は「いやー、日本はガラケー文化が強いから、難しいでしょうねえ」と答えたのですね。2009年当時は、スマートフォンを使っているのはギークの人たちやIT企業関連の人たちが圧倒的で、一般の人たちはまだまだフィーチャーフォンを使っていました。

そのとき、社長はその社員に「マッキントッシュが発売された当時も、コンピューターを1人1台持つわけがないと言われていたんだ。(当時コンピューターと言えば、企業向けの巨大なメインフレームコンピュータが主流。)
だから、今こうだから、流行らないと思うっていうのは当てにならないんだよ。」と話していたのですが、実際その後の経過を見ると、スマートフォンがフィーチャーフォンを押しのけてメインストリームとなったのです。

しかし、人の記憶とは塗り替えられるもので、2009年当時スマートフォンが流行ることに懐疑的であったことを、皆忘れていると思うのです。

Facebookはなぜつまらなかったのか

さらに同年行われた別のセミナーでも「Facebook」について話題が上がった時、参加者の一人が「日本はmixiが強いから絶対流行らないと思うけど」という話をしていました。調べてみると2009年時のFacebook利用者は139万人で、対するmixiは920万人となっています。確かにこの時点でFacebookがmixiの利用者を追い抜いて月間利用者が1000万人を超えるなど、予想できなかったでしょう。
ちなみに、Facebookのセミナーでは、講師に向かって上級役員が「Facebookの面白さが分からない。つまらない」と発言していた姿も記憶しています。(ついでに、脳科学者の茂木健一郎さんも確か同じくらいのタイミングで「面白さがさっぱり分からない」と言っていたような気がします。)
当時、日本でFacebookをしていたのは、ITか広告代理店の関係者が多く、仕事つながりの人たちが多かったように思います。ゆえに、フィードを流れるのは自分と関係の薄い職場の人間の投稿が多かったの、でつまらなかったのだと推察します。その後、仲の良い友達や身近な人が使い始めるようになり、だんだんと面白くなっていきます。(そして今は、つながりすぎて逆につまらなくなりました…。)
初期のFacebookは「登録から10日以内に7人以上の友人と繋がる率」を最重要KPIに設定して、そのために2年間の新規開発を止めたそうで「つまらない原因」を解決する的確なKPIに注力していたのですね。

ピーター・ティール言うところの「ほとんど賛成する人がいないような 大切な真実」

ということで、iPhoneがフィーチャーフォンに勝てないと言っていた人も、Facebookがつまらないと思っていた人も、今となっては記憶が塗り替えられて「最初からスゴかった」みたいなことになっている気がしますが、得てして市場を席巻するものというのは、最初は「流行らない、絶対だめ」と言われるものが多いのかと思います。ピーター・ティール言うところの「ほとんど賛成する人がいないような 大切な真実」ということなのかもしれません。

ちなみに、みんなが「来る、絶対来る」と言っているものは逆に来ない確率が高かったりします。ピーター・ティールも「ゼロ・トゥ・ワン」で再生可能エネルギーを例に出してあげていますが、今までを思い返しても「セカンドライフ」は何だったのかなと思いますし、誰も覚えていないと思いますが2011年あたりは「サブスクリプションコマース(定期購入)」が来ると言われていました。あと、ユビキタスやライフログだったり、バズワードとして広まるけれど実態はなんだったのかと思い返したりします。という理由から、IOTに関しても懐疑的な見方をしていたりしますが…。

出典:参考
http://www.find-job.net/startup/event_growth0726
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20091224_339368.html
http://gaiax-socialmedialab.jp/socialmedia/368

余白がある世界について

選択肢の大半がふざけているゲーム「絶体絶命都市」

「絶体絶命都市」というゲームシリーズがあるのですが、これがとても面白いんです。ニコニコ動画などでも実況動画が多数アップされているのですが、水没しそうな新興の大都市から脱出するというシリアスなテーマでありながら、限りなく選択肢がふざけています。
例えば、いじめられっ子の高校生の女の子が、いじめていた女子生徒が崖から落ちそうになっている時に、「何も言わないでニヤリと笑う」とか「良い気味よと言う」とか、シュールな選択肢が出て来るんですね。しかも、そういうふざけた選択肢が8個中7個を占めていたりして、突っ込みが好きなネット民にとってはたまらないゲームなのです。
さらに、セリフの選択肢の他にもおふざけ要素があり、ゴミ袋とガムテープを組み合わせて、妙なコスチュームを作れたりもします。遊び心の伸びしろというか、突っ込みどころのある余白が多いなと思います。
ニコニコ動画のゲーム実況では、このように突っ込みどころの多いゲームが好まれる傾向にあるのですが、だいたいが2000年代に発売された据え置き型ゲームです。
余白の反対は、効率です。今のスマホのソーシャルゲームなどを見ると、とにかく効率が突き詰められて考えられています。例えば、「絶体絶命都市」のように選択肢が8個も用意されていて、しかもボイスがついていたら声優さんの稼働がかさみます。それが、課金率に還元されなければムダなものと判断されるでしょう。最近のゲームは、とにかく課金収益における効率性から逆算して作ったモノが多いなと思います。
ふざけていることを、許さないんですね。

突き詰められた効率。「ほぼ日刊イトイ新聞」のあえて作る余白

効率が突き詰められると、色んなことが最適化されるので、だいたいどれも似たようなものになります。今のappstoreの上位にいるのも似たようなライト系のパズルゲームだったり、クイズゲームがほとんどだと思います。
そこに余白が存在しないということは、突然変異が発生しないということなんですね。だいたいみんな80点前後の平均点を取れるコンテンツになり、100点を超えるような突然変異的なコンテンツを生む伸びしろが、少なくなるということなんです。
これは、今のウェブメディアにも言えることで、マーケティングというツールで効率と最適化を行なうと、まだまだSEOが有効なので検索クエリに引っかかりやすいページを量産しようということになります。さらに流行のキュレーションサイトのコンセプトは、いずれも「手に届くなんとか」とか「身近ななんとか」とか、似通ったものになって、似たような記事が量産されています。
糸井重里さんの「ほぼ日刊イトイ新聞」は、意識的に余白を大事にしてるなと思います。毎日更新される糸井さんのコラム「今日のダーリン」というコーナーがあるのですが、バックナンバーは読めません。SEO的に言ったら、ストックに記事にならないのでもったいないのですが、あえてそうしているのです。マーケティング的に解釈すると、1日で消えてしまうことによって、毎日アクセスしようというモチベーションを喚起しているということになりそうですが、おそらく糸井さんの心中はそういうところではなくて、あえてそういう伸びしろや余白を意図的に作ってるんじゃないのかなと思います。
▼今日のダーリンのバックナンバーについて。「ほぼ日刊イトイ新聞」より

「今日のダーリン」は、基本的には、

「毎日、更新されて、
毎日、消えていくコンテンツ」というふうに
とらえていただければ、と思います。

「いつか無くなるものを求めちゃいかんのだよ。
無くなるものは、求めるためではなく、
そいつで遊ぶために、この世にあるんだからな」
(『セフティ・マッチの金の言葉』より)

特殊すぎる日本のツイッター〜おっさんの溜まり場からマイルド2ちゃんねるになるまで〜

Twitterの利用者が頭打ち?日本を開発の注力拠点に?

Twitterの月間利用者数が3億1600万人となり、今年に入ってから減速しているとかで株価が下がっているそうです。3億もいるなら良いじゃないと思ってしまいそうですが、Twitterが長いこと3億人前後にとどまっている間にFacebookは1日の利用者数が10億人を突破しているとかで、Twitterは行き詰まりを見せるのではないかという予測になっているのです。創業者のジャック・ドーシーさんがCEOに復帰する中、日本での開発拠点に注力するというニュースも流れています。
実は、日本語は世界で2番目につぶやかれている言語で、日本人のTwitter好きは異常とも言われているのです。

しかし、Twitterの日本ユーザーは客観的に見てすごく特殊なように思えます。最近では、ツイッターはマイルド2ちゃんねるなのではないかと思うほどです。ということで、Twitterのユーザー属性を見ていってみたいと思います。

おっさんのたまり場から、マイルド2ちゃんねるになるまで

twitter

1 始めにTwitterを使い始めたのは、おっさん
こちらがTwitterのユーザー分類をイラストにしてみた図です。まず、最初にTwitterを使い始めたのは、IT企業や広告代理店の関係者(おもにおっさん)でした。2009年6月時点は利用者は約320万人(※1)で男性が7割を占め、35歳から54際が全体の6割を占めていたのです。今じゃ考えられないですね。何か海外から来たサービスを使ってみようというのと、オピニオン(津田大介さんなど)をフォローする動機で始めたのではないかと思います。

※1出典 https://ja.wikipedia.org/wiki/Twitter

2 芸能人のアカウント開設によって、一般の人たちが使い始める
おっさんの情報ツールとして機能していたTwitterですが、徐々に著名人が参入してきます。2009年後半には孫さんや広瀬香美さんなどがアカウントを開設し、2010年には有吉弘行さんや、きゃりーぱみゅぱみゅさんがアカウントを開設。有名人をフォローしたい一般の人たちが流入し、2010年10月時点での利用者が1千100万人を超える(※2)など、急速に普及していきます。また、2011年の東日本大震災でも情報取得のツールとしてTwitterが注目され、普及のきっかけとなっているかと思います。

※2出典 http://media.looops.net/

【流れ込む2ちゃんねるのカルチャー】
このあたりから、Twitterに2ちゃんねるのカルチャーが感じられるようになります。例えば、一斉に「天空の城ラピュタ」のほろびの呪文「バルス」をつぶやくいわゆる祭りや、大喜利的なお題のハッシュタグはそもそも2ちゃんねる上で行われていたやりとりに類似しています。そして投稿の内容にも2ちゃんねる特有のネットスラングが見られるようになり、シャープなどの企業公式アカウントもネットスラング(アカウントのことを垢と呼ぶなど)を使うようになります。
なぜTwitterに2ちゃんねるのカルチャー(いわゆるネットカルチャー)が侵食していったのかは謎ですが、仮説としてTwitterで2ちゃんねるまとめブログがよくシェアされるようになり、その文化に親しんだということが一点。そして、2012年6月に一部の2ちゃんねるまとめブログが2ちゃんねるからの転載禁止命令を受け、Twitterの人気のつぶやきをまとめるようになりました。その作用もあって2ちゃんねるのカルチャーが相互に入ってきたのかなという気がします。

3 若年層の間でブレイク
最後にTwitterを使い始めたのが10代〜20代前半の若年層です。15~19歳でTwitterのアカウント所有率が5割に達するというデータ(※3)もあり、ここ数年は若年層の利用率が高まっています。理由としては口コミで広まった他、Twitterを使った動画配信サービス「ツイキャス」の普及もひとつの要因としてあるのかなと思います。2013年3月に200万人だったツイキャスの利用者数は、2015年9月には1000万人を超えたそうです(※4)。
この若年層の使い方はかなり特殊で、自分の些細な日常を身近な友達にシェアするLINEのような使い方をしています。実際に、鍵つきアカウントにして身近な知り合いにしか公開していないことも多いようです。しかし、Twitterが開かれたソーシャルであることへの理解が足りないことから、ソースの口を鼻に突っ込むなどの写真をTwitterに投稿して炎上するなど、いわゆる「バカッター」と呼ばれる人が出て来てしまうのもこの層です。

※3 http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2341
※4 https://ja.wikipedia.org/wiki/TwitCasting

■まとめ

ということで、おっさんの溜まり場であったTwitterがマイルド2ちゃんねるとなり、若年層にブレイクするまでを整理してみました。本当に日本て特殊な市場だなと思うのですが、今後については広告でのマネタイズは難しいかなと感じます。Twitterはコンテンツ流通のプラットフォームなので、大喜利などに代表されるように面白系のコンテンツが即座にリツイートされて拡散しますが、リアルグラフとして使っているのは若年層のみです。
しかし、インスタグラムやミックスチャンネルなどに若年層が流れていくのではという気もしており、リアルグラフに紐づかない広告は総じて単価が下がるように思えます。
また、Twitterの土壌がマイルド2ちゃんねるである以上、Facebookほどは普及しないのではないかという気もします。ということで、この後Twitteの動きがどうなるのか注目したいところです。

2極化するキュレーションメディア

■台頭するキュレーションメディア。アクセス経路には2種類のタイプが

キュレーションメディアを含めて、色々なメディアが台頭しているわけですが、アクセス経路が2極化してるんですね。そして、そのアクセス経路の際というのは、そのままメディアの作り方とかマネタイズ方法の違いに直結しているのです。
まず、唐突にいくつかのキュレーションメディアのアクセス経路を、similarwebで解析した図になります。

site_acces

左の3サイトと右の3サイトには共通する点はなんでしょうか?

左の3つは検索による流入がとても多い(紫のバー)のですが、右の3つはソーシャル経由(水色のバー)の流入がとても多いのです。このアクセス経路についての特徴は、今後のメディアのあり方を考える上でもとても大切なポイントです。

■検索に強い女子向けコンテンツ

さ て、検索での流入が多い左の3サイトは、上から女子向けまとめの「mery」、同じく女子向けの「4meee! 」、そして日常の医療情報をまとめた「カラキュレ」という順番です。ここで一つポイントなのは、検索流入が多いということは、ジャンル全体として検索ワードが 強いということです。特に女子向けのまとめサイトのワード(例えば「ボタニカル コーデ」のようなトレンドアイテム×コーデのキーワードや「アイライナー ウォータープルーフ」のようなコスメアイテム×特徴など)は、頻繁に 検索されるので流入が確保しやすいのです。

一方、医療情報のまとめサイトである「カラキュレ」ですが、基本的に医療のワードというのは日常的に検索をするというよりは、何か外的なきっかけがあって検索を行います。例えばなんだか、胸が痛いので「右胸 痛み」で検索するなどです。

ここで注目したいのが、meryと4meee!に関しては、一番左の青色のバー、サイトへの直接訪問の 割合がカラキュレに比べて比較的高いことです。これは、お気に入りから直接サイトを見た場合などは直接訪問にカウントされます。つまり、女子向けのまとめサイトは、検索クエリにも強い上に、習慣的にユーザーに見てもらえるというメディアとして強い構造になっているのです。

■Facebookページからの流入が多い3サイト

さ て、一方右側の3サイトは水色のバー、ソーシャル経由での流入が目立ちます。しかも、そのほとんどはFacebookページからの流入です。現在のキュ レーションサイトの要は、Facebookページに広告費をかけていいねボタンを押させ、人々のタイムフィードにメディアの情報を表示させるかがカギなのです。
Facebookページからの流入が強いメディアは、検索流入がメインとなっているメディアに比べて、メディア認知が強いというメリットがあります。検索経由でメディアに到達しても、すぐに目的の情報を得れば離脱をしてしまうので、「このサイトを見ている」という認識は薄いのですが、Facebookページで恒常的に人々と接触を測れば、メディアを認知してもらうことが可能となり、ユーザーとの接触に、再現性が生まれるのです。
実際、10名くらいの女性に聞いてみたところ、半分以上はすでにメディアそのものを閲覧しに行くことは少なく、Facebookページ経由での訪問ということでした。

さて、この両者の流入経由の違いは、そのままメディアの作り方やマネタイズ方法が大きく変わってくるのですが、それはそのうち書いてみたいと思います。

バイラルメディアからグルーポン匂がする件

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雨上がりのタケノコのように増えるバイラルメディア

バイラルメディアが流行っているらしいですね。雨上がり後のたけのこのように、国内外でにょきにょきと増殖しているようですが、なんだかグルーポンを思い出します。以下の点で類似点が多いのです。

・参入障壁が低い割には
・サービス立ち上げ後に割合多くのトラフィックが稼げるため
・短期間で多くの提供者が参入するものの
・事業の継続性は不透明であり
・物量作戦がモノを言う

そもそもITか広告業界じゃない人たちにとっては「バイラルメディア」って何?くらいの感じなんだと思います。FacebookとかTwitterでまわってきたリンク先を一時的に閲覧しにいっているので、きっとサイト自体を認識していないでしょう。流行するきっかけになったのが「Huffington Post」の共同創業者が立ち上げた「BuzzFeed」というバイラルメディアが急成長しているからだそうです。以下によると去年末時点でユニークが1.3億人に達しています。

・2013年11月には130M(1.3億人)のUUになった。2013年1月には40Mだった。
・300名の社員がいる。
・通常のメディアのようなバナー広告ではなく、スポンサードされた記事広告による収益を立てている。その広告主にはGEやトヨタが含まれる。
http://blog.skyland.vc/mi-bairarumedeiabuzzfeedshi-jia-zong-e-200m-2013nian-nomai-shang-ha-60m

しかし、メディア自体は2006年からあったそうなので、SNSの普及とともに近年火がついたのでしょう。2014年の売上げは1.2億ドルに達するそうで今後も規模は拡大しそうです。

日本での拡大は可能なのか

さて、国内においても多数のバイラルメディアが登場していますが、個人的な感想で言うと拡大するのは結構大変かなぁという感じがしています。日本国内ではメディアとしてのポジションが取りづらいのです。まず、バイラルメディアの最大の魅力としては面白系の画像や動画集が上げられますが、これを専門にしてきたのが2ちゃんねるまとめブログです。しかも、最近2ちゃんねる本体から引用不可のお達しがあったため、まとめブログ自体がバイラルメディア化しているのです。Twitterで出回った人気画像等は次の日にすぐまとめブログに掲載されています。大手のまとめブログは最盛期には1億PVを超えていたと言いますから、今でもそれなりにメディアパワーがあることを考えると、無数のまとめブログが競合であるということになってしまいます。

それでは、単発系のネタがだめだったら、複数のコンテンツをキュレーションして文脈を生み出そうとなるのですが、そうすると今度はこのジャンルの最大手であるNaverまとめが存在しているんですね。同様のネタを揃えたとしても、検索では勝ちづらいのです。BuzzFeedを見ると、トップに掲載されているのはある程度文脈を含むNaver的なキュレーションが多くなっており、こういった文脈的なコンテンツが作れないとタイアップ広告が入らないのです。よし、だったら媒体独自の視点でおもしろい1次情報を提供っていうジャンルになると、Gigazineとかぶってしまうのです。調べたら月間ユニーク数は3000万を超えているそうで、Naverまとめよりちょっと劣るくらいの規模です。さらにバイラルメディアに掲載するべき1次情報の量には限りがありますから、既に各所でネタがかぶり始めているという現実があります。

ということで、日本だとバイラルメディアのポジショニングが難しいなーと思うのですが、じゃあ世界向けに言語が通じなくても分かる普遍的なものを揃えようと思うと、海外のバイラルメディアが競合になってしまいます。一個活路があるなと思ったのが、アジア地域に絞った他言語対応にしてみたら良いんじゃないかと思いました。アプリの世界でも女子向けのデコ系アプリがアジア地域のティーンにウケており、ダウンロード数が1000万を突破しているものもいくつかあります。何カ国か日本のカルチャーに興味のある国に絞って、その国の言語対応したコンテンツを流すとけっこう良さそうな気がします。しかも、日本はガールズブログがさかんですから、コンテンツは大量に眠っているかもしれません。ガールズブログをアジア向けに他言語対応させたら結構なメディアになるかもしれません。バイラルメディアから話がそれましたが。

ということで、このままグルーポンと同じルートをたどると、数年以内に国内で同様のサービスを行っているのは1社か2社くらいでしょうか。ここ1、2年で勝負が決まりそうですね。

パズドラに続く、次のヒットゲームとは?ゲームの歴史から考える

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歴史とともに先鋭化してしまうサービス


ハードウェアとコンテンツは、セットで普及するわけですが、歴史とともにどうしても先鋭化してしまいます。ターゲットのニーズに答えていくうちにマニアックになり、気づいたらターゲット層が縮小しているのです。

例えば、ファミコンは家族で楽しめるゲーム機ですが、その後スーパーファミコン、プレステ、プレステ2、プレステ3、、、と続くにつれハードが高性能になり、それに合わせてソフトもグラフィックが豪華になり、プレイ時間が長くなるという風に変遷していきます。当初のターゲット層はファミリーであったのに、気づいたらゲーマーがメインユーザーになって使ってくれる母数が減っているのです。

これはゲームに限らず、世の中に存在する全てのサービスが同じ道をたどります。例えば洗濯機もただ洗うだけじゃなくて、乾燥機能や洗濯機の掃除機能をつけたり、、と色々ニーズに答えようとした結果、たくさんボタンがあって、使いこなせる人が少数になっていたりします。

歴史を人もとくと、たいていちゃぶ台をひっくり返して全てを0に戻すプレイヤーが現れます。例えば、家庭用ゲーム機の場合は、任天堂がWiiを発売、スペックはそこそこだったものの「お母さんに嫌われないゲーム機」を目指して、再びターゲットをファミリー層に引き戻しました。

ソーシャルゲームの先駆けはモバゲーの「怪盗ロワイアル」ですが、モバゲーとGREEが自社プラットフォームを解放するとともに多くのゲームデベロッパーが参入します。そして、時間が経つにつれ、どんどんゲーム内容がコアになっていき、対象ターゲットも狭まっていきます。そして、その流れは家庭用ゲーム機よりも断然早かったのです。
なぜかと言えば、ソフトが買い切りの家庭用ゲーム機に比べて、ソーシャルゲームは永続的に課金させることが可能であり、かつ課金ポイントのデータを取得することが可能だったため「いかに課金させるか」というテーマの元どんどん進化していったからです。

問題になったコンプガチャを初めてとして、ギルドバトル、レイドボスなどMMORPGでもおなじみの仕組みが導入され、いかに上位に食い込むかというテーマにゲームの目的が設定されます。ソーシャルゲームの主戦場が、フィーチャーフォンからスマートフォンにうつると、カードバトルと言われる、いかにレアなカードを入手するかという目的に集約され、ゲームデベロッパーは美麗系と言われるカードを描ける絵師の確保に奔走するようになります。そして、気づいたらほとんどのゲームが「美麗系カードを集めるゲーム」になってしまうのです。
その結果、ボタンをポチポチするだけの無課金ユーザーは、こういった設計のゲームを楽しめなくなっていき、気づいたらゲームをプレイしてくれるユーザーの母数が減っていくのです。

こういった状況の中、ちゃぶ台をひっくり返したのが「パズル&ドラゴン」です。パズルという初心者にも親しみやすいライトゲーム要素を持たせて、無課金でもある程度遊べることを重視したゲーム設定がされていました。
パズドラ以前は、ダウンロードされているゲームでも100万ダウンロード前後でしたが(LINEゲームは除く)、パズル&ドラゴンは2014年1月時点で2300万DLを突破しています。

次のパズドラはどこ?


パズドラのすごいところは、ビジネス的にはちゃぶ台をひっくり返す必要がないのに、ひっくり返したというところです。家庭用ゲーム機は、ソフトの値段が一定であり売り切りです。つまり、対象顧客が現象するとそのまま売上げに影響します。
しかし、ソーシャルゲームはユーザーによってゲームにかけるお金がバラバラです。コンテンツを先鋭化させればさせるだけ顧客単価(ARPPU)をあげることが可能なのです。月数十万以上をゲームに費やすユーザーも存在しており、ユーザーの母数が減っても顧客単価が上昇してれば、売上げが上がります。そういった状況の中で、無理にちゃぶ台をひっくり返すリスクを追うことの方がむしろ冒険でした。
ガンホーさんは、売り上げよりも、むしろたくさんのユーザーに楽しんでもらいたいという視点で、このゲームを作ったのではないかなと思います。

「パズル&ドラゴン」の登場以降、業界に激震が走り「パズドラみたいなのを作れ」が合い言葉になり、実際に類似ゲームが次々と作られていきます。
その後、ソーシャルゲーム大手のコロプラから「クイズRPG魔法使いと黒猫のウィズ」が発表され、こちらも大ヒットします。2014年2月時点で2000万ダウンロードを突破しています。

この流れから考えると、パズルやクイズなど、万人が興味を持てるライトゲームを搭載することが大ヒットの鍵のようです。
コンソール機時代はパズルやクイズは枯れたコンテンツであり、それらが一番隆盛を極めていたのはファミコン時代でした。ライトゲームの類いは、ファミコンやスーファミあたりで出尽くしている感があり、プリミティブな視点で楽しんでいたゲームを発掘することがテーマかと思います。

ところで、実はここまで前置きなのですが、以前から「アトリエ系のゲームはどうかなー」と思っていました。アトリエ系ゲームとは、1997年に第1作「マリーのアトリエ」が発売されたのですが、練金術師の主人公が、様々な素材を集めて合成していき、目的のアイテムをこさえていくというゲームです。
ただ、目的のアイテムを複数合成させたり、合成させたアイテム同士をさらに組み合わせたりと複雑になりがちなので、どうしたものかなーと思っていたら、個人が作った素晴らしいフリーゲームを見つけてしまいました。(以下リンクは、ゲームの実況動画です)

ミミクリーマン

これは、ミミックというモンスターが主人公なのですが、伝説の剣を手に入れるため、自分の宝箱に罠を仕掛けて近づくモンスターからアイテムをゲットし、合成していくゲームなのです。

自分の宝箱に罠を仕掛けるのがミソで、初期段階を見ただけだと数個のアイテムから簡単にアイテムが合成できます。しかも、モチーフがゲームユーザーが慣れ親しんだ例のRPGを想起させるため、世界観を受け入れやすいです。

罠を仕掛けて、アイテムを合成ということで「影牢」×「アトリエ」のコンセプトをRPG仕立てにした感じです。この実況動画を見たときに「これだ!」と独り言を言ってしまいました。コメントでも「アプリで出してー」というコメントが多いので、デベロッパーの皆様、作者様にコンタクトを取られてはいかがでしょうか?もちろん、個人作家の方が作られたゲームなので、現状の内容だと著作権的に合うとなのでそのあたりの改変は必要ですが。

ニュースメディアのイノベーション

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スマートフォン市場における最後のメインディッシュか

2007年に初代iPhoneが発売されて6年が経ちました。この間、スマートフォンというデバイスの普及に伴い、様々なコンテンツやソリューションが発表され、あれよあれよという間に3億人が使うソリューションも生まれました。

だいたいのコンテンツやソリューションは出尽くしている感はあるのですが、最後のイノベーションの余地があるのではないかと注目されているのがニュースメディアです。堀江さんが、「細切れの時間を奪うには)長くて400文字くらいが妥当」と発言した通り、スマートフォンのコンテンツは、ツイッターしかり細分化の方向へと進んでいます。(あんまりその流れ好きじゃないんですが

ということでLINEが内容を要約したLINEニュースを配信していたり、ライブドアニュースもニューステキストに要約文をつけたりしています。

要約をつける流れはむしろ海外が先で、前にもエントリに書きましたが、アメリカの高校生が自動要約ソリューションを開発してそれを米Yahoo!が巨額を投じて買収したりもしていました。

さらに、配信最適化を行うグノシーほかのサービスもダウンロード数をのばしています。ニュースメディアの流れが、要約、配信最適化であることは間違いないようです。

本当にそれでいいのか?

この流れが加速すると、間違いなく情報のタコツボ化と、ニュースの単純化が起こります。自分の興味のあるジャンルのニュースのみを、単純化されたテキストで受け取るのです。

本当にそれで良いのですかね?

というのが、ここ最近頭の中にもたげる疑問です。要約、配信最適化に比べてとても弱い潮流ですが、複雑な(しかし、重要な)ニュースをシンプルにして配信するというニュースメディアの流れもあります。

例えばテレビや新聞では、シリアが科学破壊兵器を使用した可能性がある。というニュースを報じますが、なぜシリアが科学破壊兵器を使用するに至ったのかという理由は改めて説明されません。それを知るには1年以上前のニュースソースに自分でアクセスして経緯をひもとく必要がありますが、けっこう大変な作業です。

世の中にとって一大事なニュースの経緯や背景を、できるだけシンプルに説明する。そういうニュースメディアが出始めています。(つまり、池上彰さんのネット版ですね。)元Yahoo!トピの編集長だった奥村倫弘さんが立ち上げたとうメディア「THE PAGE」もその一つです。

http://thepage.jp 

あと、個人的には雑誌のクーリエ・ジャポンはチェックしておきたいところ(最近読めていない・・・)。ブログも肉厚なエントリがたくさんです。

クーリエ・ジャポンの現場から(編集部ブログ)
http://courrier.jp/blog/

さらに、個人が中心となった同様のテーマのメディアもちらほら出始めています。

「日本と愉快な仲間たち」
http://japanandworld.net

一歩深く読むニュース解説メディア「THE NEW CLASSIC
http://newclassic.jp 

外の反応を報道するニュースサイト「NewSphere(ニュースフィア)」
http://newsphere.jp

大手のITやメディア系企業がなぜこういうメディアを運用しないかといえば、こういうメディアは手間がかかる割に儲からないからです。先ほどの要約や配信最適化をするソリューションは、一度ソリューションを作って軌道に乗ればユーザーは指数関数的に一気に増えます。コンテンツは自ら作らず、プラットフォームとして配信者と受け取り側の中間に入るため、コンテンツはいくらでもあるからです。

しかし、「THE PAGE」のようなメディアは、原稿の本数とPVが比例して成長するので、成長に時間と手間がかかります。(このへんがPV至上の現在の広告モデルが限界と言われる所以ですね)

ということで、手間と時間がかかる割には、一気に市場の覇者になれる可能性が薄いビジネスなので、ニュースメディアに信念を持っていないと運営しづらいのです。

それでも、私はこういったメディアに期待したいと思います。過去にNAVERまとめで時事ネタを何本かまとめたことがあるのですが、PVは全く低いものでした。しかし、見てくれている人たちの熱量は高いと思うのですよね。