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LINEニュースTOPに掲載される、プレスリリースの送り方

先日「こんな桃太郎はイヤだ」というゲームをリリースさせて頂きまして、プロモーションはプレスリリースを配信したのみなのですが、なんとLINEニュースおもしろニュースのトップに掲載してもらいました!


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当日からLINE砲ともいうべきアクセスが来まして、翌日Appstoreにてシミュレーションカテゴリ19位、ゲーム総合124位にランクインしました。
ということで、メディアに載りやすいプレスリリースの送り方(書き方を含む)を解説します。

プレスリリースが取り上げられるかどうかは運

「LINEニュースTOPに載ったプレスリリースの送り方」などと言いながら、冒頭からあれなのですが、ニュースに取り上げて頂けるかどうかは、かなり運によります。プレスリリースを配信したとしても、1本も取り上げてもらえないこともあります。

結局のところ、リリースを配信してからメディアに掲載されるかどうかは、ネタの強さやメディア側のコンディションなど複合的な要因が絡まるので、運なのです。しかし、その運を1%でも上げるための努力をすることは出来ます。掲載の確率を1%でも上げるための方法をいくつか並べてみます。(タイトルが釣りっぽくてすみません)

どのメディアに載りたいか考える

プレスリリースを配信する際に、配信元が最も望むのはYahoo!ニュースやLINEニュースなどのメガポータルサイトのトップにニュースが掲載されることです。今回、大変幸運にもLINEニュースさんに取りあげて頂いたのですが、ポータルに取り上げらるには以下の順番を踏みます。

特定のメディアに載る

ニュースポータルにキュレーションされる

いったんメディアにニュースが掲載された後、メディアが記事を提供しているYahoo!やLINEなどのニュースポータルがキュレーションをして掲載を行います。
プレスリリースを配信する際には、まず載りたい媒体を考えることが必要です。そして、ニュースポータルにキュレーションされたい場合は、ニュースが一般的であり、万人が見ても刺さる要素を含んでいる必要があります。
例えば、かなりリッチなソーシャルゲームを作ったとして、ゲーム専門媒体には引き合いがありますが、ユーザー層は限られるため、ニュースポータルのトップには載りづらいことが予想されます。
ですから、ユーザー層が限られるサービスのプレスであればあるほど、載りたい媒体を特化して選定しておいた方が良いと思いますし、逆にマスにリーチしたいのであれば、ニュースソースが万人向けのネタである必要があります。

プレスリリースの記述のお作法を守る

載りたい媒体がイメージ出来たら、プレスリリース配信のお作法を守ることも大切です。詳しくはこちらのブログに基本的な事項を記載しているので、参考にしてみてください。

メディアに取り上げてもらえるプレスリリースを作る、実践的な5つの方法

この中でも一番大切なのは「プレスリリース自体が記事として成立している状態を目指す」ところです。記者さんたちは忙しいので、原稿を書き起こさずにそのままプレスリリースを自社のメディアに転載するケースが、かなりあります。(リリース配信初日から翌日はこのパターンで掲載されることがほとんどです。)

ですので、プレスリリース自体が記事として成立していれば、記者さんたちが手を入れることなくそのまま自社メディアに転載しやすくなっているのです。

以下が今回配信したプレスリリースですが、ゲーム内の画像を多めに使い、各画像のにキャプションをつけてゲーム内容の流れを分かりやすくするなどの工夫をしています。

こんな桃太郎はイヤだプレスリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000021436.html

載りたいメディアさんに、別方向からプッシュ

プレスリリース配信について、上記のPRTimesさんのサービスを使ったのですが、載りたいメディアさんには別途メールにてwordで作ったプレスリリースを送信しました。
今回のゲームはカジュアル系のゲームです。ゲーム専門メディアさんだと、内容がリッチなソーシャルゲームの方が相性が良いだろうと考え、女性向けの一般媒体に掲載してもらいたいなと思っていました。

ということで、上記のプレスリリース配信サービスとは別で、女性向けのメディアさんにメールにて1通づつプレスリリースを配信し、かつメールの件名は以下のようにカスタマイズをしたのです。

女子に楽しんでもらえる可愛い放置ゲーム「こんな桃太郎はイヤだ」プレスリリース

上記を見ていただいたからかは分かりませんが、結果的にPouchさんに取り上げてもらい、LINEニュースさんにキュレーションしてもらえる結果となりました。

ということで、プレスリリースを載りやすくする方法をいくつか書いてみました。メディアに掲載してくださった記者様のおかげで、サービスがお客さんの目に触れることになります。ですので、メディア側の視点を持つというところが、重要なのではないかと思います。

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高齢者における情報格差(デジタルデバイド)の問題

おばあちゃんたちは、ググれないという当たり前の事実

日中に地元のカフェに行くと、おばあちゃんやおじいちゃんたちが集って盛り上がっています。先日こんな会話を聞いてハッとしました。

おばあちゃんA「この後、カラオケに行こうかねえ」
おばあちゃんB「あんた、カラオケたって、どこにあるのよ」
おばあちゃんA「駅前歩いてれば、見つかるでしょうよ」

このやり取りを聞いた時に、ハッとしました。私たちは、日常、何処かに行きたいと思ったら呼吸をするがごとくググるわけです。あまりにも自然にググることが日常生活にあるために「そうか、おばあちゃんは検索できないんだ。」という当たり前の事実に、その時リアルに遭遇した気がしたのでした。

この「ググれない」ことに関する不利益を考えると、こんなことがあります。

1.行きたい場所がどこにあるか分からない。
2.行きたい場所への行き方が分からない。
3.買いたいモノをどこで買えるか分からない。
4.買いたいモノの価格や品質の比較が出来ない。

このうち、1〜3までは出来ることの範囲が狭くなるだけです。カラオケに行きたい場合は、自分が知っている範囲にあるカラオケ屋を探すことになります。もしくは、周りに人がいれば、その人に聞くことになります。
問題は4.の「買いたいモノの価格や品質の比較が出来ない。」です。今の時代、何かを購入する時はネットで検索して口コミなどを読み、それが適正価格で品質が担保されているのかを調べます。しかし、ググれない場合はそれが出来ないので、商品提供側の言い分を信じるか、もしくは周りに使ったことがある人がいれば、その人に聞くということになります。
ということは、商品提供側の手練手管が上手で悪意がある場合は、高齢者が不利益を被る温床になり得るということになります。
先日、PCデポにおいてデジタル端末のサポート支援に、高額の契約解除料が付帯されていた問題が発生しました。この場合も、自分で検索出来るリテラシーがあれば、お店の契約書を見た上で金額やサポート内容が適正なのかを調べられるわけです。
(PCデポ問題の顛末については、こちらの記事に詳しく書かれています。契約をしてしまった方は、認知症を患われていたそうで、この点もことを深刻にしています。)

PCデポ 高額解除料問題 大炎上の経緯とその背景
http://bylines.news.yahoo.co.jp/yoppy/20160823-00061403/

高齢者は、一度手に入れた情報をアップデートしづらい

さらにもう一点、高齢者の方に見られる傾向が問題をややこしくしている気がします。それは、一度手に入れた情報をなかなか更新しないということです。
駅前に、古くからやっている喫茶店があり、1日中高齢者の方々で賑わっていました。駅周りのいくつかの喫茶店は、高齢者の方々が毎日のように集い「そこに行けば、誰かしら顔見知りがいる」というコミュニティになっています。

その喫茶店は駅間の再開発のあおりを受けて閉店し、代わりにチェーン店のパン屋がオープンしました。店内には簡単なイートイン施設もありますが、喫茶店のように潤沢な座席数はありません。しかしパン屋のオープン後、喫茶店時代と同じく高齢者の方々が、イートインスペースに集っていたのです。そして、自分の親も含めですが、その店舗をパン屋とは決して呼ばず「喫茶店」と言い続けていました。

高額の治療器が飛ぶように売れていく理由

買いたいモノの価格や品質の比較が出来ず、一度手に入れた情報を更新しないということは、商品を販売する事業者側にとっては都合が良く、そういった傾向を利用して商品を販売しようとする企業もいます。高齢者を商店街の空きスペースなどに集めて行う体験販売などです。
家の近所に高圧電位治療器の体験店舗があります。「高圧電位治療器」という名前に聞き覚えが薄いのは、その商品の多くがこのような体験店舗にて高齢者向けに販売されているためと思われます。
体験の仕組みは、10分〜20分程度、高圧電位治療器を無料で何回も体験できるというものです。その体験店舗は、毎日一定の来場者数が来なければ閉店してしまうので、お友達を誘ってほしいと口コミでの集客を行います。そして、その過程で治療器を気に入ったら購入してほしいというものです。もちろん、治療器は高額で1台70万円程度します。
この体験店舗が大当たりしたようで、毎日200人以上の人たちが訪れていました。最近では人数が増えてきたので会場を駅前に移し、今でも毎日300人以上の人たちが訪れ、治療器も順調に売れていると聞きます。

一度私も訪れてみたのですが、良い悪いは別としてその手法は見事でした。治療器を体験するには、自分の名前を書いて提出する必要があります。会場にいる専任の販売員は、すべての来場者の名前を記憶しており、20名ほどが治療器を体験している間、来場者の名前を呼びかけながら、その治療器がいかに効果的であるかということをアピールしていくのです。
会場はさながら学校のようになっており、来場者は販売員の問いかけに答えて笑いも起こるなど、一種のコミュニティが形成されていました。販売員の胸元には「よっちゃん(仮称)」というネームプレートがついていて、みんな販売員のことをニックネームで呼びます。

ちなみに、Wikipediaによると「高圧電位治療器」の効能としては、頭痛、肩こり、不眠、慢性便秘の寛解のみであるとあります。

日本では認証基準に適合する製品に関しては医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬事法)により、頭痛・肩こり・不眠症や慢性便秘の寛解のみが効能として認められている
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9B%BB%E4%BD%8D%E6%B2%BB%E7%99%82%E5%99%A8

しかし、想定できることではありますが、実際の会場ではもっとたくさんの効能がアピールされていました。このウィキペディアにもありますが、血液がサラサラになるとか、高血圧や心臓病にも効果があるなどです。さらには、来場者の方々が「目が見えやすくなった」とか「杖を使わないと歩けなかったけれど歩けるようになった」と口コミでアピールもしています。(これは、おそらくプラセボと同じ効果なのだろうなと思うのですが。)
いずれにせよ、会場で販売員の発言を録音したら、薬事法に抵触するのではないかという気がします。

ちなみにこのエリアに住む65歳〜89歳までのお年寄りの人口を割り出してみたところ約5万4千人でした。1日の来場者数が350人とすると1か月の述べ来場者数は1万500人。1人あたり月に3回通っているとすると、3,500人の人たちが月あたりのユニークユーザーになります。これは65歳〜89歳までの地域のお年寄りの人口割合に対して6.5%という高い数値になります。

そして、うちの親にAmazonのページを見せながら「高圧電位治療器」は家庭用であれば1万円台から買えることを説明したのですが、全く聞き入れてもらえませんでした。その時に印象的だったのが「よっちゃん(販売員)のところの商品は全然違うんだよ」と、販売員に対して絶大な信頼を寄せていたことです。

結局のところ、高圧電位治療器を購入してる顧客が何に価値を感じていたのかと言えば、それは販売会場というコミュニティにおける日々のコミュニケーションです。販売員のトークをお客さんである来場者たちとともに楽しむという、一種のイベントを楽しんでいたのです。その延長線上として、所得に余裕がある人は高額の治療器を購入していました。(そして、購入した治療器が自宅にあるのにも関わらず、会場に通い続けました。)

つまるところ、高齢者における情報格差を解消するための入り口に、インターネットは立てないのかもしれません。高齢者に対して、まずコミュニケーションを図って「この人(やサービス)が言うことは信頼できる」という確証を得てもらい、それを横に口コミしてもらう必要があるのです。つまりは、この問題を根本的に解決しようとすると、全国に講習会場を開くといったリアルな場づくりから始める必要があるのかもしれません。

チャットで簡単にスマホの使い方を聞けるアプリ

とりあえず今現在出来る何かをしようと考え、基本的なスマートフォンの使い方をiPhoneで質問出来るというチャットアプリをリリースすることにしました。チャットで使い方や気になることを質問すると、LINEのようなチャット画面で返答が来るという仕組みです。 総務省が平成26年に発表した資料(平成26年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書※1)によると、60代のスマートフォン所有率は平成24年の4.7パーセントから平成26年には18.3パーセントまで上昇しています。スマホを使っている時点で、割合リテラシーが高い方々かとは思いますが、スマートフォンやインターネットについて気になることを何でも質問してもらえたらという気持ちです。
冒頭でPCデポの高額解約金の問題についても記述しましたが、デジタル機器やインターネットサービスの購入や契約についての疑問などにもお答え出来たらと思っています。

そして、このブログにも書きましたが、高齢者の方にはインターネットでいくら発信してもご本人には届きません。どうぞお母様やお父様、ご親戚の方は近所の方々など、iPhoneを使われている方がいらっしゃったら、このアプリのことを教えてあげてもらえると嬉しいです。

「スマホお悩み質問アプリfor iPhone」
▼紹介サイト
http://iphonesos.jp/
▼アプリダウンロードページ
https://appsto.re/jp/bv8Icb.i

5分で出来るUIの改善〜リンクボタンのテキストを見直そう〜

UIを改善しようとすると、アナリティクス等の解析ツールでページ間の遷移率などを測定し、ボトルネックを抽出してページの構成を見直す必要があります。

しかし、5分でUIを改善出来るお手軽な方法があります。それは、リンクボタンのテキストを見直すことです。サイトを訪問してくれたユーザーは、リンクボタンのコピーライティングひとつで、積極的にクリックをしたりむしろクリックを止めたりします。大規模なサイトの場合は、A/Bテストでリンクボタンの最適化を図っているかと思われますので、ここでは小規模なサイトで、かつ資料請求や申込みをゴールとしたサイト向けにクリック率を高めるリンクボタンのコツをいくつかご紹介します。

1.みんな大好き「シミュレーション」

サイト内において「見積もりをする」などのワードを使っていたら、一度「見積もりシミュレーション」というワードに変えてみましょう。基本的にユーザーは、リスクテイク派と慎重派の人々に別れます。慎重派の人たちは、リンクボタンをクリックした後の挙動が予測出来ないことを嫌がります。この「シミュレーション」というワードを入れることにより「この先に待ち受けているのは、あくまでもシミュレーションなんだ」という緩和剤になります。

2.「お問い合わせ」よりも「相談する」

申込みや見積もりの機能を備えているサイトの場合、特に扱う商材の単価が高ければ、内容について事前に聞いてみたいという欲求が生まれます。そこで「よくある質問」や「お問い合わせ」機能は必須だと言えますが、慎重派の人たちにとってはこのお問い合わせというワードもやや重く感じるのです。これを「サポートに相談」に切り替えてみると、心理的負担が軽くなり「ちょっと聞いてみよう」という心理的余裕が生まれます。
ちなみに、この「相談する」ボタンは、商品内容の詳細の下や、申込みボタンの手前に配置しておくと有効でしょう。

3.「!」を多用していないか注意

「!」ビックリマーク、通称エクスクラメーションマークは、多くの人にとって「危険だ!止めろ!」を想起させます。このシンボルがリンクボタンの付近にあると、本能的に「その先に進むな!」に見えるのです。ということで、今いちど「!」の使い方を気をつけてみましょう。

ということで、3つほどリンクボタンのテキストに関するコツをご紹介しましたが、全てに共通するのは「ユーザーがリンクボタンをクリックするリスクを下げる」ということです。慎重派の人々は、想像以上に「申込み」や「見積もり」などのワードに敏感になるため、その先へ進む心理的障壁を和らげてあげることが肝要なんですね。

UIUXはワイヤーを作る前に、9割完了している

よくUIUXおいてUIとUXが混同されているという記事を見かけます。UIはユーザーインターフェースですから、サービスの導線設計、UXはユーザーエクスペリエンスですからユーザーにどういう体験をしてもらうかという切り分けです。

私も自社サービスやクライアントワーク含めてUIUXの設計をしていますが、UIUXの設計はパワーポイントでワイヤーを作る前に9割完了していないといけないと思います。UIUXをコンビニに例えて解説してみましょう。

お菓子売り場の棚に、どうお菓子を並べる?


例えば、あなたがコンビニ店長だったとして、お菓子売り場にどのように商品を並べますか?とりあえず入荷してきたお菓子をなんとなく並べるというのは、パワーポイントでなんとなくUIから作り始めるというのと同じことです。
お菓子売り場の棚を作るには、二つの情報が欠けています。まず、売上を最大化するためには売れ筋のお菓子を置くべきです。ということは、今までの売上情報を見て、売れ筋のお菓子は取りやすい目の高さに並べておくということが必要になります。
つまり、お菓子を並べる(UIを設計する)には、過去の定量情報を参照する必要があるわけです。

さらに、定量情報の分析に加えて、やるべきことがあります。実際にお菓子を買って行く人を観察したり、インタビュー(=定性調査)をすることです。よく買われるお菓子はなぜ買われるのか、全く買われないお菓子がなぜ買われないのかの理由を分析し、定量調査と掛け合わせてユーザーシナリオを作成することが出来ます。

例えば、良い位置においてあるのにも関わらず、全く買われないチョコレートがあったとしましょう。実際に観察をして、チョコレートを手に取った人が棚に戻したとします。その理由を聞いてみると「職場で食べるには、パッケージが大きいし、カロリーも高いから止めた」と回答しました。であれば、パッケージが小さめのカロリーが少ないチョコレートを置けば、購入される可能性があるということです。
また「職場で食べるには〜」という回答がユーザーから多かった場合は、オフィスでのおやつを買いに来る会社員というユーザーシナリオを作成し、それに最適化した商品を揃えることが出来ます。(周辺が居住空間なのか、ビジネスエリアなのかも、ユーザーシナリオを作るための定量データになります。)

ということで、お菓子を並べ始めるには、定量調査と定性調査を掛け合わせ、ユーザーの本当のニーズ(ユーザーインサイト)を知った上で、いくつかのユーザーシナリオを作成し、そのシナリオに沿ったUIを作ることが必要なのです。

ユーザーインサイトで本当のニーズを見極めることが大切


ということで、UIUXの設計と言いますが、9割がたは分析とマーケティングに費やすのが正解だと思うんですね。逆に、それをしないと本当のユーザーのニーズがつかめていないため、ユーザーが欲していない機能を前出ししてしまったりするのです。

そして、当初仮説として設定したユーザーニーズが実際には、ずれていることも多々あります。

先日もECの設計をしていたのですが、ユーザーが自由にカスタムして購入したいだろうという仮説に反して、おすすめのパッケージ販売を望む需要の方が高かったのです。
ということは、UIを設計する上ではおすすめのパッケージを全面に押し出すべきという解になり、これはちゃんとマーケティングをしないと浮かび上がってこない事実なのです。

ということで、UIUXを考えるには、その前準備が9割であるというお話でした。

Facebookからディズニーランドまで。ヒットのカギは「終わりが分からない構造」

広場型のmixiとフィード型のFacebookにおける組織の違い

だいぶ前の話になるのですが、「広場型のmixi、フィード型のFacebookと組織の関係」という原稿を書いたことありました。

概要を説明すると、Facebook最大の強みは「タイムフィード」というインターフェースに全てのコンテンツを集約させたことであり、対するmixiは旧来のWebページのように各コンテンツへのリンクが集約された広場型の構造になっている。(そして、この違いは一人の企画者(ザッカーバーグ)の思想をその他大勢が体現するという組織なのか、日本に多く見られる部署間の擦り合わせで決定されていく組織なのかという、構造に違いにあるのではないかという内容でした。)

現在SNSは、ほぼ全てが「タイムフィード」型になっています。タイムフィードの強みは「終わりがないから利用時間が劇的に増える」ということと、「全てのコンテンツをワンフィードに集約させることにより、ユーザーは受動的にコンテンツを体験出来る」ということです。
総務省のレポートによると平成24年のネット利用時間平均は67.3分ですが、2年後の平成26年には73分と伸長しています。ネット利用時間の増加には、この「タイムフィード」型という、終わりのないインターフェースが大きく寄与していると言えるでしょう。

sns利用時間
出典:モバイル機器によるインターネット利用時間の増加
http://www.soumu.go.jp/main_content/000357568.pdf

最近思うのですが、SNSに限らず現実の世の中で成功しているインターフェースはこの「タイムフィード型」になっており、これを言い換えると「終わりが分からない構造」にしていると思うんですね。

動画と動画を繋いで「終わりが分からない構造」に

例えば動画定額視聴サービスのHuluは、ドラマの1話目を見終わった後、自動的に2話目が再生されます。最終話であっても、関連した違うドラマの1話目が自動的に再生されるようになっているのです。

先日フジテレビの「バイキング」を見ていたら、司会者が番組の最後でその後の枠のニュース番組「直撃LIVEグッディ!」の司会者とトークをするコーナーがありました。
これもまた、「終わりが分からない構造」にして、番組と番組の継ぎ目を感じさせずに続けて番組を見させるという造りになっています。(ただ、両方とも低視聴率ですが。)

テーマパークの様に「終わりが分からない構造」になった新宿伊勢丹

ディズニーランドなどのテーマパークはぐるっと園内を一周させる「終わりが分からない構造」になっていますが、小売りにおける店舗作りにも有用だと思います。新宿伊勢丹は2013年に100億円の総工費を投じて改装を図っているのですが、改装後に2Fフロアの集客がとても良くなったと言います。本来20代女性向けのフロアですが、他の年代の客層も2Fを訪れるようになったそうです。

従来の百貨店はショップとショップの境目が分かる構造になっていますが、実際に伊勢丹2Fのフロアを訪れてみると、天井につけられた飾りなどによってゆるく円状に導線設計がされていて、ショップの継ぎ目が分からなくなっています。気づかないうちに、フロアを何週もしてしまう設計になっているのです。(急に目の前にバーカウンター等も登場して楽しいですね。)

さらに、2011年に有楽町西武がルミネに変わりましたが、有楽町の駅を出ると「ルミネストリート」という簡易な店舗が並んでいる通りがあり、ルミネのビルまで案内をするように続いています。これは、駅からルミネまでの継ぎ目を分からなくし、店舗まで誘導するという効果があるのです。
7489出典:http://www.fashion-headline.com/article/2013/03/06/877.html

20代女子たちが変えた新宿伊勢丹の秘密
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140609/266550/?P=2

「終わりのない構造」で回遊性が確保されている箱根

流行っている観光地も「終わりのない構造」によって回遊性が確保されています。箱根・湯河原地域の平成25年で延観光客数は、3千100万人を超えており、箱根町単体で見ると前年比7.3%増となっている人気の観光地です。

箱根ほどこの「終わりがなく」「継ぎ目もなく」設計されている観光地もないでしょう。箱根を訪れる人の多くはこのような導線をたどります。

index-photo-01出典:http://www.hakonenavi.jp/ticket/before/hakonefree01/ab_hakonefree01/

「箱根湯本駅」→箱根登山鉄道で「強羅駅」まで
→渓谷や山の風景を楽しむ
「強羅駅」→ケーブルカーで「早雲山」まで
→「彫刻の森美術館」など数々の観光スポットが点在
「早雲山」→ロープウェイで「大湧谷」→「桃源台」
→ロープウェイを楽しみながら、黒たまごを食べる
「桃源台」→海賊船で「元箱根」「箱根町」
→海賊船への乗船が楽しい
「箱根町」→箱根登山バスで「箱根湯本駅」へ戻る

このように箱根をグルっと一周出来る導線が設計されており、ロープウェーや海賊船など、乗っているだけで既にレジャーになる乗り物も豊富なのです。
さらに、鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船、登山バスと全ての交通手段がセットになったフリーパスが販売されており、非常に回遊性の高い観光地になっているのですね。

■平成25年入込観光客数調査(箱根)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f80022/p839616.html

逆に惜しいのが熱海です。一時期集客数が落ち込んだものの、最近は女性客の日帰りエステや夏場の花火大会等で息を吹き返し平成24年度以降観光客数が増加しています。平成23年度に523万人だった客数は平成26年度には640万人と年間100万人以上も伸びているのです。

ただ、惜しいのは、集客が出来ているのは熱海の駅前から少し離れたホテルのエステなので、駅からホテルまで直行するという導線になっています。これをルミネ有楽町のように、駅前からホテルまで、さらに拡張してその周辺の導線を作り込むことが出来れば、もっと顧客あたりの単価が伸びるような気がします。

■平成27年熱海市の観光
http://www.city.atami.shizuoka.jp/userfiles/495/file/%E2%98%85%EF%BC%A827%E5%B9%B4%E7%89%88%EF%BC%88PDF%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

mixiの旅 〜マイミクを遠くに訪ねて第1回(最終回)〜

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mixiのポイント1 〜昔のログイン画面〜
2000年代半ばくらいのログイン画面は、そんな感じの写真が掲載されていた。
 

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mixiのポイント2 〜通知は赤字で表示〜

日記を書いてコメントがついたり、誰かから新着メッセージがあるとページの中央に赤字で「新着メッセージが3件あります」と表示された。mixiを開いた時、この赤字がついていると嬉しく、ついていないと寂しい感じがしたものだった。

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mixiのポイント3 〜ログイン履歴は色で分かる〜
ログインしたマイミクが1時間以内だと濃いオレンジ、1日以内だと薄いオレンジ色がつく。mixi02
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mixiのポイント4 〜友達から回ってくるチェーンメール”バトン”〜
・「マイミクに関する10の質問」など、特定のテーマについての質問を日記にアップし、次の回答者を指名するというバトンが流行。まさに友達から回って来るチェーンメール。
※「もしもあなたが●●されたら」という「もしもバトン」の一部。
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mixiのポイント5 〜10年で色々変わりすぎ〜
mixiが生まれたのは2004年。今から6年前の2009年の利用者数はなんと約1,792万人もいたのだとか(出典:wikipedia)。
みんなおなじみLINEが登場したのは、震災以降の2011年6月なので、まだ5年しか経っていないのだ。

世界に比べて、インスタグラムが日本で普及しない理由

インスタグラムの世界での利用者4億人突破!でも日本は?

一見インスタグラムが日本でも流行っているように見えるんですが、実は世界に比べると全然普及してないらしいです。世界では4億人を越えているのに日本での利用者数は810万人だと言います。

これは「ピンタレスト」や「ソーシャルコマース」が日本でイマイチ流行らなかった理由とイコールだと思うのですが、日本人って文脈が大好きで、文脈に則ってない物を受け入れづらいんですよね。文脈というのは単語と単語や、文章と文章の繋がりに何らかの意味を見いだすことです。

例えば夏目漱石が「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳したというエピソードがありますが、「月が綺麗ですね」からそんな意訳をするなんてスーパー文脈読めるわけです。さらに江戸時代には俳句なんていうものもありまして、松尾芭蕉のこの俳句を読んで何を思うでしょうか。

秋深き 隣(となり)は何を する人ぞ

これは秋がますます深まってきて、野山などが寂しく感じられると、人恋しくなって隣の人の事も気になってくる。という意味らしいんですね。寂しいなんて言葉は何一つ書いていないのに、この一説から「寂しさ」を読み取ることが出来るのも、スーパー文脈力と言えるでしょう。
ちなみに平安時代の恋のやり取りは主に文で歌のやりとりによって行なわれたそうで、ここでもスーパー文脈力が発揮されています。

明けぬれば 暮るるものとは 知りながら
なほ恨めしき あさぼらけかな
藤原道信朝臣
→夜になればまたあなたに会えると分かっていても、それでも夜明けが恨めしい

ということで、全然「会いたい!」という言葉は入っていないけれど、文脈で「あなたにずっと会いたいです」って言ってるんですね。ちょっと話は変わりますが、2ちゃんねるを見てても空気を読む力が凄くて、実際に「空気嫁(よめ)」というコメントもけっこう行き交っていたりします。

「バルス」祭りは、空気読む日本人ならではの現象

前に2ちゃんねるの板で

「このスレ、全員ビッグダディ」
というタイトルのスレッドがあり、コメントの一番目に
「俺はこういう人間だ。だからこのクソスレを立てた。」
って書いてあったのですが、2番名以降のコメントも
「俺はこういう人間だ.だからこのクソスレにコメントした。」
という感じで暗黙の了解が出来て、ルールに則っているのです。この空気と文脈を読んでコンテンツを形成してしまう力とかは、日本独自なのではないかなと思います。「バルス!」みたいに暗黙ルールを作ってそれに習うというのは、日本人の習性ですよね。

ということで、インスタグラムに話を戻すと、特に文脈はなくてきれいな写真の連続なんですね。こういうきれいな写真が連なってるサービス(ピンタレストやFANCY他のソーシャルコマース)は、海外である程度流行っていても日本だとそんなに…という状況になっています。
しかし、世界から遅れを取っているものの、インスタグラムはこれからも伸長すると思います。こちらのブログに詳しくは書いたのですが、SNSとは自分の自我(ego)に近い自身(self→自分の食べた物、行ったところ等。)を拡散するものであり、インスタグラムはこれに則ったプラットフォームなので投稿意欲が湧くからです。さらに、Facebookと違って投稿物にクオリティが求められるため、作品群としても見ることが出来ます。

さらに日本でも一定の層から下の人たちは、あまり文脈を必要としないカルチャーで育ったが故に、特に文脈のない、きれいな写真群をコンテンツとして楽しむ素養が出来ている気がします。

Facebookの売上がTwitterの9倍あり、3倍のユーザーがいる理由

ユーザー数はTwitterの3倍。しかし、売上は9倍も高いFacebook

その昔、mixiの利用者がたくさんいた頃、同じ様にモバゲータウンの利用者もたくさんいました。しかし、同じ様に利用者がたくさんいても、mixiに広告を出すと効果が良いのだけれど、モバゲータウンに広告を出しても対して効果がよくないという話をよく聞きました。

そして2015年現在、mixiはFacebookに取って変わられました。Facebookの第3四半期の売上は45億ドルに達していますが、一方Twitterは5億6920万ドルの売上とFacebookの1/9しかありません。月間のアクティブユーザーはFacebookが9億6800万人(第2四半期)、Twitterが3億2000万人(第3四半期)ですからアクティブユーザー数は3倍程度の開きに対して、収益は9倍も開きがあります。
その理由を、TwitterはFacebookのように小口の一般広告主に広告が解放されていないからと見る向きもありますが、前述のmixiとモバゲーの例も含めて考えるとこれは、根っこのところには心理学に根ざした要因があると思うのです。

ego(自我)と外界の間には、境界があいまいなトワイライトゾーンがある

心理学者の河合隼雄さんと小説家の村上春樹さんが、対談にてego(自我)とは別にself(自己)という概念があるのではないかという風に語っています。村上春樹さんは、次のように言っています。

”はっきりとしたことはまだ突き詰めてなくて、いま考えているところなんですが、ここにセルフというものがあって、ここにエゴというのがあるんじゃないか。で、ここに外界が周りを取り囲んでいるんじゃないか。”

ego
つまり、ego(自我)と外界の間には、self(自己)という境界があいまいなトワイライトゾーンがあるという指摘です。この村上春樹さんの言葉に対して、河合隼雄さんはself(自己)には環境も含まれるのではないかという話をします。

”だから、ひょっとしたらここは環境のほうも入ってるかもしれませんね。ある程度、うまいこと。(中略)だから例えば環境といっても、ここに座っている人とこのジュースとはずいぶん違うんです。例えば「僕のジュース」という言い方をするでしょう。ほんとは僕のジュースじゃないんだけど、僕のジュースといってもみんなおかしくないというのは、これを僕が飲んでもみんな怒らないからですね。ところがこの天井を僕の天井と言ったら誰も同意せんですね。だから「僕のジュース」とういのは、このトワイライトゾーンに入ってるかもわからん。”
(河合隼雄対談集「こころの声を聴く」新潮文庫より)

そして、Facebookに投稿されている内容は、だいたいが、ここでいうところのself(egoと外界の狭間にある環境)に該当するわけです。自分が訪れたレストランで撮影する料理の写真や、訪れた旅行先の写真、そして仲間内で飲んでいる風景など、ego(自我)に接しているself(自己)という環境の写真を投稿しているわけです。
ということは、Facebookの利用者は自分のタイムラインをselfそのものと捉えます。そこに流れたきたターゲティング広告をselfの一部としてとらえるため、反応が良いということになるのです。

一方のTwitterは、self(自己)の領域に係る投稿をするのは若年層だけで、だいたいは外界の話題(面白ネタやオピニオンによるコメントなど)を消費して楽しむプラットフォームです。つまり、Twitterのタイムラインは、self(自己)の外にある客観的な視点で見ているわけです。そのタイムラインに広告が流れてきても、閲覧中のテレビに流れて来る広告を見るのと、さほど変わらないのかもしれません。

self(自己)に属するSNSプラットフォームは利用者が最大化する

また、先日利用者数が4億人を突破したインスタグラムも、利用者がタイムラインをself(自己)としてとらえるソリューションです。自撮りや生活の一部を切り取った写真たちは、self(自己)を切り取ったソリューションと言えるでしょう。
そして、これらのself(自己)に属するソリューションは、利用者数が最大化する器と成り得ます。Twitterのアクティブユーザーが伸び悩むという話を聞いてから久しいですが、selfに属さない客観的なコンテンツを扱うソリューションは、3億人程度が上限なのかもしれません。

情報をゆるく繋いで、空間設計が求められるWebメディア

「Cancam」は「女性自身」よりもショートケーキのほうが近い

例えば「女性自身」と「Cancam」は同じ”雑誌”というくくりですが、むしろ距離が遠い気がします。「Cancam」は「女性自身」よりは、むしろショートケーキのほうが距離が近い気がします。雑誌と食べ物なのに。

このように、定量的には同じカテゴリに属するんだけれど、定性的には全く同じカテゴリに属さないものたちがたくさんあります。
例えば「NHK のど自慢」と「テラスハウス」は定量的にはテレビ番組ですが、「テラスハウス」はむしろのど自慢よりは、ヴィダル・サスーンの方が近い気がします。

では逆に、定量的には同じカテゴリに属さない以下の項目を見て何を思い浮かべるでしょうか

・リネンのチュニック(洋服)
・ミナ・ペルホネン(ブランド)
・そば粉のパンケーキ(食べ物)
・かもめ食堂(映画)

雑誌「リンネル」のようなナチュラル系女子の生活が浮かび上がってきますね。このように、定量的には同じカテゴリに属さないのだけれど、定性的には極めて近いところにいる情報をくくるのが、メディアの役割だとも言えます。
雑誌が主流だった時代は、この手法がメインとなってメディアは作られていたと思うのですが、webでは定量情報のみに注目したメディアがけっこうあります。ハウツーだったり映画の上映スケジュール、PC等のガジェット情報などです。同じカテゴリの定量情報の記事を扱うということは「情報が情報として存在している」ということであり、これからのメディアとしてはけっこう大変かと思います。

「情報が情報として存在している」記事をメディアとして集約するのは(雑誌で言えば東京ウォーカーなど)、情報が点在していた時代には意味があったのですが、いまは「検索」という手段によってほしい情報にすぐアクセスできてしまいます。そして、ユーザーは欲しい情報を取得したら、その情報が掲載されているメディアを意識することなく直帰してしまいます。
かつ、そういった情報にアクセスする人たちの属性はまちまちなので、メディアとして広告もつきにくい状況になります。

つまり「情報が情報として存在して良い」メディアとは、そもそも利用者数が多いYahoo!などのポータルサイトなどでないと、成立が難しいのです。

記事同士をゆるく繋いで、空間を設計する

逆に定性的に近い情報をくくったメディアの何が良いかと言うと、読み手がそこに共感を覚えてメディアを認知するようになるということです。そして、そのメディアが提供する場の雰囲気を味わうために、再びメディアを訪れて習慣化していきます。
こういったメディアは、Facebookページと非常に相性が良いです。Facebookのタイムラインを流れる情報は、自分に関連のある情報としてユーザーは認識しているため、タイムラインを流れるお気に入りのメディアの情報を閲覧することが自然な導線となります。
そして、Facebookページのいいねを集めるための広告は、興味属性やデモグラフィックでターゲティング配信が出来るため、メディアのファンになってほしいユーザーにアプローチすることができます。こちらが意図するユーザーを集客出来れば、メディアのマネタイズがやりやすくなります。

今後のメディアの設計としては、情報単位で成立する記事ではなく、記事同士が緩く連携してひとつの空間を作るような雰囲気作りの設計が重要です。
そして、web上においてはYahoo!など一部のポータルを除き「マス」という概念が存在しないため、嗜好によって細分化されたメディアが複数存在するようになります。ちなみに、こういう概念によって雰囲気作りがうまく作られているなと思うのは、価格コムが提供するメディア「キナリノ」です(https://kinarino.jp/)。
解析ツールによると100万UUを超えており、すでにタイアップ記事が入るなどマネタイズも始まっているようです。

ということで、今後のWebメディアは情報だけでなく場としての空気を醸成することが大事ですし、その方法は、定性的に似たカテゴリーの情報をセンスよくパッケージにして届けられるかにかかっているのです。

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「日本ではiPhoneは流行らない」と言われていたことを覚えているか

筆者は、長期記憶が異常に発達しているので、だいぶ前の記憶を細かく覚えていたりします。例えば、1年前の飲み会で、誰々がこう言ったよねという発言を覚えていたりというようなことです。
その長期記憶をたどって思い起こすと、今世間でマジョリティになっているモノって「絶対流行らないよね」と言われていたなと思います。

「日本はガラケー文化が強いから、iPhoneは流行らない」

2009年頃、当時所属していた会社で、マーケティング担当の社員による社内セミナーがありました。テーマは「世界OS大戦争」という内容で、ちょうど昨年iPhone3Gが発売され、Androidも発表されたばかりだったので、今後どこのOSが覇権を握るのかというテーマでした。今では史上を独占したiPhone(iOS)とAndroidですが、2009年時点ではまだまだ勝負は分からないという雰囲気で、他にもWindowsやシンビアン (Symbian) などというOSもありました。(というか、2008年におけるスマートフォンのOSシェアはシンビアンがトップだったので、誰もiPhoneとAndroidがここまで世界を席巻すると思っていませんでした。)

講演が終わった後、セミナーを聞いていた社長が「それで、日本でもiPhone流行ると思う?」という質問を講師の社員に投げかけたのですが、その人は「いやー、日本はガラケー文化が強いから、難しいでしょうねえ」と答えたのですね。2009年当時は、スマートフォンを使っているのはギークの人たちやIT企業関連の人たちが圧倒的で、一般の人たちはまだまだフィーチャーフォンを使っていました。

そのとき、社長はその社員に「マッキントッシュが発売された当時も、コンピューターを1人1台持つわけがないと言われていたんだ。(当時コンピューターと言えば、企業向けの巨大なメインフレームコンピュータが主流。)
だから、今こうだから、流行らないと思うっていうのは当てにならないんだよ。」と話していたのですが、実際その後の経過を見ると、スマートフォンがフィーチャーフォンを押しのけてメインストリームとなったのです。

しかし、人の記憶とは塗り替えられるもので、2009年当時スマートフォンが流行ることに懐疑的であったことを、皆忘れていると思うのです。

Facebookはなぜつまらなかったのか

さらに同年行われた別のセミナーでも「Facebook」について話題が上がった時、参加者の一人が「日本はmixiが強いから絶対流行らないと思うけど」という話をしていました。調べてみると2009年時のFacebook利用者は139万人で、対するmixiは920万人となっています。確かにこの時点でFacebookがmixiの利用者を追い抜いて月間利用者が1000万人を超えるなど、予想できなかったでしょう。
ちなみに、Facebookのセミナーでは、講師に向かって上級役員が「Facebookの面白さが分からない。つまらない」と発言していた姿も記憶しています。(ついでに、脳科学者の茂木健一郎さんも確か同じくらいのタイミングで「面白さがさっぱり分からない」と言っていたような気がします。)
当時、日本でFacebookをしていたのは、ITか広告代理店の関係者が多く、仕事つながりの人たちが多かったように思います。ゆえに、フィードを流れるのは自分と関係の薄い職場の人間の投稿が多かったの、でつまらなかったのだと推察します。その後、仲の良い友達や身近な人が使い始めるようになり、だんだんと面白くなっていきます。(そして今は、つながりすぎて逆につまらなくなりました…。)
初期のFacebookは「登録から10日以内に7人以上の友人と繋がる率」を最重要KPIに設定して、そのために2年間の新規開発を止めたそうで「つまらない原因」を解決する的確なKPIに注力していたのですね。

ピーター・ティール言うところの「ほとんど賛成する人がいないような 大切な真実」

ということで、iPhoneがフィーチャーフォンに勝てないと言っていた人も、Facebookがつまらないと思っていた人も、今となっては記憶が塗り替えられて「最初からスゴかった」みたいなことになっている気がしますが、得てして市場を席巻するものというのは、最初は「流行らない、絶対だめ」と言われるものが多いのかと思います。ピーター・ティール言うところの「ほとんど賛成する人がいないような 大切な真実」ということなのかもしれません。

ちなみに、みんなが「来る、絶対来る」と言っているものは逆に来ない確率が高かったりします。ピーター・ティールも「ゼロ・トゥ・ワン」で再生可能エネルギーを例に出してあげていますが、今までを思い返しても「セカンドライフ」は何だったのかなと思いますし、誰も覚えていないと思いますが2011年あたりは「サブスクリプションコマース(定期購入)」が来ると言われていました。あと、ユビキタスやライフログだったり、バズワードとして広まるけれど実態はなんだったのかと思い返したりします。という理由から、IOTに関しても懐疑的な見方をしていたりしますが…。

出典:参考
http://www.find-job.net/startup/event_growth0726
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20091224_339368.html
http://gaiax-socialmedialab.jp/socialmedia/368