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マーケティングについての話題

雑誌は30万部超えのプレジデント、デジタルは有料会員60万の日経電子版が圧勝。ビジネス誌クロニクル。

noteに投稿しました!
ビジネス誌7誌の発行部数分析に加えて、デジタル版にて躍進を続ける日経電子版の要因分析など、読み応え満載の8000字になっております!

雑誌は30万部超えのプレジデント、デジタルは有料会員60万の日経電子版が圧勝。ビジネス誌クロニクル。
https://note.mu/media_labo/n/n8e3cabc20b8d

「メディアのことがよく解るマガジン」をnoteで開始しました。


出版概況の解説から効果的なオウンドメディアまで。メディアのことがよく解る「メディアが解るマガジン」を立ち上げました!是非スキ&フォローよろしくお願いします。

第一回目は、アメリカのファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」のから見えるファッション誌の変遷についてです。

モデルからセレブの時代へ。インスタグラムの登場。「VOGUE(ヴォーグ)」に見る、ファッション誌の変遷
https://note.mu/media_labo/n/n7a3326d12e16

メディアから情報を取り除いた時に、残るもの。

メディアの特色(フィルター)を通した世界を読者に見せる

メディアというのは媒体なので、何かを介してあることを伝える器なのです。この“あること”というのが、情報にあたります。
そして、この何かというのがメディアがもつ一種のフィルターであり、このフィルターのさじかげんが、メディアがもつ特色であると言えます。

このメディアが持つフィルターは、特に紙の媒体にとっては重要性が増しています。“情報”を伝える点においては、圧倒的にウェブの方が有利だからです。
実際にフィルター(媒体の特色)が弱い紙媒体は、どんどんウェブに優位性を奪われて休刊したり部数が減少し続けています。映画情報を扱っていたぴあや、レストランやテーマパークの情報を扱っていた東京ウォーカーなどがそれにあたります。
今は、映画を観に行こうとしたらネットで上映時間を検索しますし、レストランに行こうと思ったら食べログを見るわけです。

では、メディアのフィルターが有効に機能している雑誌とはどれでしょうか。例えば以前の記事で取り上げたHanakoは、リニューアルの際に雑誌を家に置いておきたい雑貨のようなイメージでリニューアルしたと言います。Hanakoで頻繁に取り上げられるのがカフェ特集ですが、カフェの情報なら食べログでも見られるわけです。
しかし、食べログになくてHanakoにあるのは、世界観を作って読者が雑誌を見ている時間を演出していることです。

Hanakoの読者層の女性が好きそうなカフェ、レトロだったり、可愛らしいスイーツが並ぶ店舗をセレクトし、プロのカメラマンによる作品のような写真で紹介していきます。
だから、Hanakoを見ている人は単に情報を求めているわけではなく、読んでいる時間そのものを演出してくれる雑誌に価値を見出しているのです。

このように定量的な情報を、読者が好きそうな切り口(Hanakoであればカフェ)という視点で切り取り、それを雑誌の世界観とともに再構築することが、雑誌のフィルター(特色)であると言えるわけです。

この雑誌のフィルターをつくる作業は、いわゆるブランディングになります。対象読者層の選定、読者層が好む情報の選定、その情報をどのような文体とどのような写真で綴るか、その行程の全てが雑誌の空気感を醸成して、フィルターが形成されます。メディアのフィルターを通した見た世界を、読者に提示しているのです。

雑誌ではファンの獲得だったゴールが、webでは集客に

むかしの雑誌はこのフィルターの色が強く、それに共感した読者のコミュニティが形成されることで、一種のカルチャーが作られていました。

このあたりの媒体のフィルターについては、紙の編集者であれば暗黙知として持っている感覚かと思いますが、web媒体出身の編集者には伝わりづらいことになります。
それは、紙の媒体は、毎号読み続けてくれるファン(読者)を獲得することがゴールであるのに対し、web媒体の場合は検索ワードごとに自社メディアに誘導させるかという、情報の最適化がゴールになってるためです。

web媒体が効率的にこれを突き詰めた結果、ユーザーはいち早く目的の情報にアクセスすることが出来るようになったため“情報”だけをウリにしていた雑誌はどんどんwebに読者を奪われていきました。
ただ、webメディアはアクセスは肥大しているものの、かつての紙媒体のようにファン(読者)を獲得出来ているかというと懐疑的です。
以前の「MERY」は著作権の問題はあったにせよ、購読者層と同じ年代の大学生に記事を作らせることによって、読者層が求める切り口を提供し、ファン(読者)を獲得出来ていたように思いますが、かつての「MERY」のように読者層に支持されているwebメディアが果たしてどれほどあるでしょうか。

しかも、今はひとつのコンセプトで対象読者をくくることが容易でした。年代、性別によって人生をいくつかのモデルパターンに分けられたからです。しかし、生き方が多様化した今、ライフスタイルで読者層をくくることは難しくなっています。(しかし、紙の雑誌は頑張ってライフスタイルでくくろうとしています。)
web媒体においてもこのフィルターを持つべきなのか、そしてライフスタイルの打ち出し以外で読者に対してフィルターを提供出来るのかは、メディアにとって重要な課題なのではないかと思います。

マンガアプリに見る、従来のデバイスのUIを引き継いでしまう現象

スマホが登場した時、ページをめくるインターフェースが多かった

従来のデバイスのインターフェースは、次の世代のデバイスまで引き継がれる傾向があります。

例えば、スマホが登場したばかりの頃は、紙をめくるようなインターフェンスのサービスがけっこうありました。

電子書籍は、本を電子化したものなので、ページめくりがあります。しかし、本来はインターネットに制限はないため、ページ送りしなくても良いわけです。
なので、一定期間たった後に、noteなどスマホに最適化されたインターフェースのサービスが登場しています。

スマホの登場で、一番影響を受けるコンテンツは漫画です。すでに各社が出している漫画アプリは数百万ダウンロードを超えており、大変人気です。
漫画というのは、出版社の歴史も長いので、非常に従来のインターフェースに引っ張られる傾向にあります。

漫画の多くは右から左にコマ割が移行しますが、スマホで見るときはこのコマ割りが小さくてセリフが読みづらい傾向にあります。

スマホで観るのに適したコマ割りは、上から下へと視線が流れるコマが大きいものです。
最近はスマホ用に描かれた漫画は、このインターフェースに従っています。

アプリになっても引き継がれる”連載モデル”

さらに特徴的なのは、出版社各社が出している漫画アプリが“連載”というインターフェースに準拠していることです。
全ての定期的に発刊される漫画雑誌は、全て漫画が連載という形をとっています。
なかには、数十年も連載している漫画もあるわけです。

だから、出版社がスマホを使って漫画コンテンツを発信しようとすると、前提として連載ありきになります。
実際、ジャンプなどの漫画雑誌は、連載型が中心です。毎日何がしかの漫画が更新されていきます。

しかし、実は漫画コンテンツ的に一番多くのユーザーを囲いやすいのは連載型ではなくストック型になります。
ピッコマがこのインターフェースにおいてもっとも成功していると思われますが、最初の何話かを無料にしておき、それ以降は24時間に1話だけ読めるチケットを発行します。
続きが気になる人は、課金をすると続きが読めるようになります。
(結末間際の数話も、課金前提となります。)
このようになストック型だと、漫画アプリを訪問したユーザー全員を対象として購読率や課金率がかかっていくことになります。

一方、連載型の場合は、連載するうちに一定量づつ購読を止めでは脱落する人たちが出始めます。
しかも、無料になるのは最新話であるため、フリーミアムにするコンテンツのさじ加減を、期間で調整していることになります。
仮にその漫画が100話あったとしたら、そこにいたるストーリーは有料課金が前提なので読む気力がそがれるのです。

一方ピッコマのようなストック型だと、一日一話は無料で読めることが分かっているため、継続率が高くなり、継続率が高いということは課金をしてくれるユーザーの母数が増えるということなのです。

このように、継続率や課金率といった係数で考えるとピッコマのようなストック型のインターフェースが有効なのですが、出版社的には今まで連載型で漫画を発信し続けヒット作を育て、ストックしたコミックで課金するという一連のモデルがベースにあるため、ストックしたコンテンツを無料で読ませることに心理的ハンドルが高いのです。

このように、インターフェースは、前世代のデバイスに加えて、従来のビジネスモデルや慣習にも強い影響を受けます。

そのモデルを崩して新しいハードデバイスに最適化するのは、たいてい新しい新興勢力になります。

女性向けサービスの出稿は、断トツでインスタグラム


女性向けサービスの出稿は、段ドツでインスタグラムが効果良いですね

タイトル、上記の画像にて、伝えたいことは全て伝えてしまったわけですが…。
レシピットという、チャットで質問すると、レシピが返答される便利なサービスを運営しています。女性比率が9割以上なのですが、Facebookにて出稿をかけると圧倒的にインスタグラムが効果良いんですね。2、3回出稿したところ、どんどん広告の露出がチューニングされて最終的にインスタグラムにしか出稿されなくなりました。(緑=リーチ 青=CV)



ちなみに、最近インスタグラムが高齢化しているという記事がバズっておりましたが、こちらは女性における年齢別分布です。確かに25歳~34歳をボリュームゾーンとして全体に分布していることが分かります。若年層以外の商材でも、十分に効果があるわけです。

出稿する際は、インスタグラム用の正方形のクリエイティブが設定出来るので、女性向けのサービスの出稿をかける場合は、必須です。

ちなみにFacebookのネットワークの広告は、このように出稿のたびにチューニングをかけてくれるのでCPAが安定していき、広告の露出先も効果が良いものになっていくのですが、その速度が速いので初回の出稿からある程度安価なCPAで獲得出来ます。

一方、Googleさんが提供しているアプリネットワーク=UACは、数千円というあり得ないCPAで始まり、1~3か月を経てチューニングされて安価なCPAに落ち着きます。予算を全体で100万前後かけられるのであれば、UACへの継続出稿もアリでしょう。

いずれにしろ、細かく設定しなくてもクリエイティブにさえ気を使っておけば、アドネットワーク側がチューニングしてCPAが安価に落ち着いていきます。
となると、広告代理店の役割とは…という時代になってきましたね。

シーチキンでマーケティングしみてる。マーケティングの考え方とは。

日常の気づきからマーケティングがはじまる

ある日、シーチキンってすごいやつなのではないかと思いました。シーチキンを使った有名レシピ、無限ピーマンをご存知でしょうか。ピーマンにシーチキンをまぜてチンしたものです。
世の中には、シーチキンを使った美味しいレシピがあふれています。シーチキンを食べている時に、実はシーチキンってすごいのではないかという気付きを得ます。マーケティングの起点は、日常の気づきや違和感から出発するのです。

気づきをデータで確かめる

しかし、気づきは気づきでしかありません。マーケティングの重要な要素として、気付きをファクトデータを持って正確にとらえるという作業に移行します。
シーチキンという商品カテゴリはすでに成熟市場でしょうから、シーチキンを販売している会社内での売上シェアを調べてみます。(ここで、ググった結果、シーチキンという名称ははごろもフーズだけが使える名称であり、正しく商品カテゴリを表すのであればツナ缶であるということが判明します。しかし、ツナ缶におけるシーチキンのシェアは5割を超えているようなので、シーチキンはツナ缶カテゴリを代表するもので良いでしょう。)

ということで、はごろもフーズのIRを見てみましょう。
(マーケティングにおける情報収集において、有効なデータのひとつがIR情報です。売上や利益の推移のみならず、各事業の主要KPIが決算報告書にて開示されている場合が多いからです。)

ということで、2018年3月期のはごろもフーズのIRを見てみます。

はごろもフーズ株式会社
平成30年3月期決算短信
https://file.swcms.net/file/hagoromofoods/dam/jcr:7edf4618-7cc0-43b9-a918-1f58514ef87e/140120180514437179.pdf

はごろもフーズにおける家庭用食品売上高は635億5,111万円ですが、そのうちツナカテゴリの売上は342億7245万円です。家庭用食品売上に占める割合は43%にのぼります。
シーチキンのツナ缶におけるシェアが5割以上ということは、ざっと計算して700億前後のツナ缶が年間に流通しているということになります。こちらの市場調査レポートによるとツナカテゴリの2017年の市場規模は790億円となっています。

多種多様な志向に対応した商品の育成進む
農産・畜産・水産加工品・乳油製品74品目の加工食品国内市場を調査
https://www.fuji-keizai.co.jp/market/17028.html

この結果を見ても、シーチキンはすごいやつと言えそうですが、比較対象の軸を増やす必要があります。それは、同じような商品セグメントとの比較をすることです。データは、比較をして初めて意味が生じます。

先ほどのレポートの中で、20品目の水産加工品(魚肉ハム・ソーセージや海苔など)の2017年の市場規模は8,703億円となっています。ということは、ツナは20品目の水産加工品全体の市場規模の9%を占めるということになります。ということは、ツナ以外の水産加工品に比べて、単純計算でツナは2倍すごい(流通している)ということになるうですね。

これで肌感覚で感じた「ツナってすごいやつなんじゃないか」が、ファクトデータによって「すごいやつだった」ことが実証されました。

得られたファクトを、仮説を以って抽象概念化する

さて、ツナがすごいやつであることが分かりました。だいたいのリサーチやマーケティングレポートは、ここで終了していることが多いです。ツナはすごいやつでした。以上。

マーケティングにおいて重要なのは、この後です。日常の気づきや違和感をデータで確かめ、事実として確定させる。その後、このファクトを仮説を以って抽象概念化するのです。
なぜツナは水産加工品セクションにて、強い商品カテゴリになっているのでしょうか。以下のような仮説が導き出されます。

・副菜の具として、ツナ缶が向いている

ツナ缶を使う時、何に使うでしょうか?ふつうはサラダに入れたり、炒め物に混ぜたりします。そう、ツナ缶はそれ単体で主役になることはありません。だいたい主菜に加えるもう1品として、副菜に活用されることが多いのです。
副菜に使われるということは、食材の登場回数が多いということになります。週に2回以上夕飯にハンバーグを食べることは少ないと思いますが、ツナ缶は副菜に”投入される”ものなので、月曜はサラダに混ぜて、金曜日は炒め物に混ぜて、と週に2回以上食卓に登場してもおかしくありません。

この点を中小概念化すると、ツナの強みのひとつは

〇副菜に対する混ぜ物である=ゆえに食卓での登場回数が主菜よりも多くなる

という仮説が立てられます。

さらに、ツナに対してもうひとつの仮説が導き出されます。無限ピーマンのレシピにおいて、ツナは具のひとつですが、味付けとしても機能しているのです。ツナはマグロの油缶なので、オイルとともに塩味が足されています(最近はノンオイルも流行りですが)。ゆえに、ツナ缶は、具のみならず味付けの調味料としての役割もになっているのです。

これを補間するデータもあります。以下の総務省のデータを見ると、年間支出額が成長軌道にのっているのはお酢とドレッシングの2つのみです。お酢は健康志向のトレンドが影響していると思われますが、ドレッシングは買ってきてそのまま野菜にかけられる調味料です。オイルや食塩を混ぜ合わせてドレッシングを作るよりは、買ってきてそのまま使えるドレッシングが使われているということです。

調味料への支出
http://www.stat.go.jp/data/kakei/tsushin/pdf/23_9.pdf

また、下記データによると2014年頃まで合わせ調味料の市場が伸びていることが分かります。個々の調味料を使うよりは、それひとつで済ませられる調味料の利便性があがっているのです。

メニュー用調味料、成長加速 市場規模5%増 640億円規模へ
https://www.ssnp.co.jp/news/seasoning/2014/09/1409290003518850.html

ということで、ツナのふたつめの強みとして以下があげられるでしょう。

〇他の食材と合わせることで、調味料にもなる

抽象概念化を、具体化して転用する

ということで、ツナ缶が強い理由について、下記の抽象化した仮説が得られます。

〇副菜に対する混ぜ物である=ゆえに食卓での登場回数が多くなる
〇他の食材と合わせることで、調味料にもなる

この抽象化した概念を他の市場や商品に当てはめて、具体的に転用することではじめて今までのリサーチやマーケティングの概念が生きてきます。

例えば、同じ水産加工品の缶詰といえば「鯖缶」があげられます。「鯖缶」も人気の缶詰であることは間違いありませんが、流通量でいえばツナ缶よりは劣るでしょう。
先ほどの抽象概念を「鯖缶」に当てはめると、2つとも条件として欠落しています。その理由は何でしょうか。仮説になりますが、それは鯖缶の形状に寄ります。
ツナ缶はフレーク状ですが、鯖缶はサバの形状をとどめており、自分で身をほぐせば混ぜ物にも出来ますが、どちらかというと主役感が強いのです。
ツナ缶はフレーク状にすることで、暗に「混ぜ物ですよ」アピールが出来ているんですね。

この公式に当てはめると、鯖缶もフレーク状にして混ぜ物であることをアピールすれば、食卓での登場回数が多くなる可能性がありそうです。

さらに、これは魚介類ではなくて他の食品カテゴリに当てはまるとどうなるでしょうか。例えば、漬物を作っているメーカーがこの概念に注目して商品開発をした場合、漬物を細かく粉砕し、つけ汁ごと商品化することが考えられます。漬物が細かく粉砕されているのでおにぎりの具にもなりますし、炒め物やサラダのアクセントにもなります。そして、つけ汁が調味料の役割を果たしてくれるのです。

このように、マーケティングは日常の気づきや違和感からはじまり、その気づきのデータによるファクト化、抽象概念化、概念を具体化して転用するというステップを踏みます。

この抽象概念を引き出しにたくさん入れておくことが、すぐに役立つアイデアの引き出しとなります。

私たちが「Tポイントカードを持っていますか?」と聞かれ続けた理由

ファミマを訪れる多数派は、Tポイントカードを持っていないか、ポイントを意識していない

ファミマで「Tポイントカード持っていますか?」って聞かれてイラっとした人はけっこういると思うんですよ。一回や二回ならまだしも、行くたびに聞かれると「だから、持ってねーっつてるだろー」っていう気持ちになるのも、いたしかたないわけです。
(最近は、あまり聞かれなくなった気もしますが。)

実際にTポイントカードを持っている人がどのくらいいるか調べてみたのですが、なんと5,981万人もいるんですよ(2016年時点)。
この資料によると、日本の総人口の47%が持っている計算になります。

カルチュア・コンビニエンス・クラブの取組みについて
(Tカード/Tポイント物価指数)
http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/sss/pdf/161014_shiryou2.pdf

しかも、20代~70代に絞ると持っている比率はさらに高いわけです。ここまで、みんなが持っている割に存在感が薄い気がするのは、Tポイントがファミリーマート他の様々なサービスと提携しまくっているため、提携のサービスに入会すると自動的にTポイントカードの機能がついてくるためでしょう。Tポイントカードを持っている意識は薄いが、結果として持っている層が多いのではないでしょうか。

ちなみに、ファミリーマートの来店客数は1日に1,000万人とあります。(2014年時点)

ファミリーマートアニュアルリポート
http://www.fu-hd.com/ir/library/annual/document/fm/fm2014.pdf

ものすごいざっくり計算すると、来店者のうちの半分くらいはTポイントを保持している形になります。
(総人口には赤ちゃんなども含まれるため、実際Tポイントを所有している割合はもっと高くなりますが、ざっくりで言うと。)

そして、店員が「Tポイントカードを持っていますか?」という問いが有効なのは、Tポイントカードを持っていてポイントを貯めているけれど、出し忘れている人です。
来店客の内訳を整理すると

1そもそもTポイントカードを持っていない(来店者のうち半分弱くらい)
2Tポイントカードを持っているが、ポイントを貯めてない(来店者のうち半分強のうちのX割程度)
3Tポイントカードを持っていて、ポイントを貯めているが出し忘れた(来店者のうち半分強のうちのX割程度)
※冒頭のグラフ参照。

ということになり、少なくとも1と2で全体の6~8割くらいは占めるのではないかと思うわけです。ということは、「Tポイントカード持っていますか?」という一言で便益を受けるのは全体の2~4割ということになります。
残りの6~8割は「毎回聞かれるとイラっとする」のクラスタなのではないでしょうか。

ということで整理すると、お客さん全員に「Tポイントカードを持ってますか?」と聞かない方が良いと思うのですが、なぜ聞かれてきたのでしょうか。Tポイントカードを引き合いに出しましたが、nanacoだとかWAONだとか、そのほかポイントの類は全て「お持ちですか?」と聞かれます。

クレームや問い合わせによって、少数派の声が大きく見える

それは、2~4割のポイントを集めている顧客によるクレームが怖いからではないでしょうか。だいたいのポイント系カードは、会計後の後付け処理が出来ない(OR大変)な仕組みになっているようです。ポイントを熱心に集めているお客さんの方が、会計が終わった後に「ポイントついてなかったよ!」というクレームが入ることが多いことは容易に想像されます。

すると、店側としては「クレーム入るから、マニュアルで”ポイントはお持ちですか?”」と全員に聞きましょうというマニュアルを作るわけです。
そうすると、来店者全員が「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれることになり、結果として全体の大多数を占めるお客さんの便益を下げる結果になるのです。

この、母集団の構成は少ないけど声が大きい顧客の声が通りやすいというのは、近年顕著にみられる傾向です。CMや企業が作ったプロモーションムービーなども、100万人が見て99万9,900人がOKだと思ったとしても、100人からクレームが来たら放映中止になります。

これが、私たちが「Tポイントカード(に限らず)ポイントカード全般を持っていますか?」と聞かれ続けていた理由かと思います。この原因をさらに一歩深掘ると、担当部署(あるいは管理者)が上から怒られたくない、ということになります。
「ポイントカードを持ってますか?」と聞くオペレーションを止めて、数百人から「ポイントカードを出し忘れた。」というクレームなり問合せが来た場合、上から怒られるのは担当部署だからです。
大多数の人たちが「ポイントカード持ってますか?」と聞かれたくないと思っていても、サイレントマジョリティの声は可視化されないので、見えやすいクレームや問い合わせを優先して対応してしまうわけです。

ゆえに、こういった事象を解消するには、経営層くらいまで上の人たちが「サイレントマジョリティ」を大切にした方が良いよね。という意識がないとなかなか難しいのかと思います。

ちなみに、問い合わせやクレーム対応回避以外で、いちいち聞く場合もあります。それはポイントカードなどの販促をしたい時です。マルイなどは、クレジットカードの収益構造が大きいため、毎回マルイのカードを持っているか聞かれますし、持っていないと都度営業をかけられます。これも、人によっては止めてほしいと思うでしょうが、企業にとっては販促活動なのです。

異様に長い会議時間を、半分に短縮する方法

会議時間が異様に長くなる理由

日本の会社って会議時間が異様に長いのです。それを回避するためには、ツリー型の議論を取り入れる必要があります。
ツリー型議論とは、全員が議題に対してツリー(階層)を意識して議論を行うことです。

例えば、会社の懇親会の企画をしたとしましょう。メンバーで集まって、懇親会の企画と詳細を詰める会議をします。
以下の議論の中で、ツリー型議論を乱しているのは誰でしょうか。

Aさん「懇親会は、飲み会のイメージでしょうか?それとも、ゲームなどのコンテンツも入れましょうか?」
Bさん「確かにコンテンツを入れても良いかもしれませんね。」
Cさん「コンテンツの中身はビンゴとかですか?それとも、グループ別に出し物を行う感じですか?」
Aさん「あまり具体的なイメージはないですね。」
Cさん「ビンゴを行うのであれば、ビンゴセットを持っているので持って行けます。景品は別途手配する必要がありますが。」

この中でツリー型の議論を乱しているのは、Cさんです。

この会議の中で第1階層になる議論は、懇親会では飲み会とするか、それともコンテンツを入れるかという議論です。

〇飲み会とするか、コンテンツを入れるか(第1階層)
└飲み会とする
└コンテンツを入れる

しかし、Cさんの話はコンテンツを入れた場合の実行プランの話をしているので、第2階層の話に言及しています。

■飲み会とするか、コンテンツを入れるか(第1階層)
└飲み会とする
└コンテンツを入れる
└どういったコンテンツが良いか?⇒ビンゴをする(第2階層)

Cさんがビンゴの実行プランについて、この後5分ほど話をしたとしましょう。しかし、5分ほど話が進んだ後で誰かが「ただの飲み会で良くないですか?」という話をして、皆が合意したとします。そうすると、ビンゴについての話をした5分間が無駄になるわけです。

会議の場でこれが非常に多くみられる兆候で”今どこの階層の話をしているか”を意識しないと、階層を下った各論の話をしだす人が出て、無駄な時間が多くなるのです。

階層ごとの議論を意識することで、会議時間を半分に短縮

では、冒頭の例ではどう議論を進めれば良かったのでしょうか。まず、第1階層の議論である「飲み会とするか、コンテンツを入れるか」を決める必要があります。それを決定した上で、第2階層以降の議論に入るべきです。

まず、飲み会とした場合とコンテンツとした場合のメリットデメリットを議論し”コンテンツありの方が良い”となったとします。
これを以って第1階層の議論に決着がつくので”どういったコンテンツが良いか”という第2階層の議論に進むのです。さらに、そのコンテンツを決めた後に”どのように準備するか?”という第3階層の議論に進みます。

■飲み会とするか、コンテンツを入れるか(第1階層)
└飲み会とする
└〇コンテンツを入れる
└どういったコンテンツが良いか?(第2階層)
└どのように準備するか?(第3階層)

これを見ると、冒頭のCさんの議論が全てをすっ飛ばして、どのように準備するか?という第3階層の議論まで飛躍していることが分かります。

このように、階層ごとで決議を取る前に階層を下りて各論を話してしまうと、無駄な発言と議論が多くなるのです。個人的には、日本の会議における議論の無駄の7割は、これが原因だと思っています。
このツリー型議論を導入することにより、会議時間は半分以下に減らせるでしょう。

ツリー型議論を進めるには、司会者が発言をシャットダウンすることが必要


このようにツリー型で進めるためには、司会の役割が非常に重要になります。具体的には、階層外の話題を持ち出した人の話をいったんシャットダウンすることです。
冒頭の例でいえば、Cさんが「ビンゴを行うのであれば~」と話し出した瞬間に「まだ、飲み会にするかコンテンツを入れるかが決まっていないので、先にそれを決めてからにしましょう」とシャットダウンして議論の階層を引き戻すのです。

ツリー型の議論が出来ない人は、冒頭のツリー構造が頭の中にないので、常に脱線しがちになります。そういった人が会議に毎回参加する場合は、司会がその都度シャットダウンする必要があります。
実は、現実的にスムーズな議論を進めるためには”ツリー構造を理解できる人たちだけで、議論する”が一番スムーズな議論進行になるのです。

また、ツリー型の構造理解を養うために最適なのは読書です。しかもビジネス書ではなく、物語です。物語を理解するには、文脈を読み取る能力と、それを頭で整理する力が必要となります。小さいころから物語を読んでいる人は、自然とこのツリー型に物事を分解出来る能力が身についているのです。

ということで、ツリー型議論のすすめという記事でしたが、ツリー型に議論を進められないメンバーでの会議をするたびに、内心けっこうげんなりしています。

バナーのデザインで、アプリ広告のCPIを4倍改善

レシピットというチャットでレシピの質問が出来るアプリを運用しています。たまにプロモーションをかけているのですが、予算がないアプリの広告といえば、なんといってもFacebook広告です。

ということで、数種類のクリエイティブで広告出稿してみたのですが、CPI(アプリ1件あたりのインストールにかかる広告費)に4倍もの差が出るんですね。
この3つのクリエイティブのうち、もっとも獲得効率の良いクリエイティブはどれでしょうか。

正解は、真ん中の料理を並べたクリエイティブになります。


一番左の主婦と思われる女性のクリエイティブが¥287なので、女性のクリエイティブに比べると3倍効率が良いことになります。
また、一番右のアプリのイメージ画面とアイコンの組み合わせが¥402なので、4倍効率が良いことになります。

さて、CPIを低く抑えるためにバナーのクリエイティブに必要なこととは何でしょうか。

アテンションを取るための工夫をする

まずはバナーに目を留めてもらわなければならないので、アテンションを取る工夫をします。工夫の内容としてはバナーを動画クリエイティブにする、色味が強い写真やイラストを使う、人物を登場させるなどがあります。これらの工夫によってインプレッションを増やすわけです。
(最も効果が出やすいのが動画のクリエイティブで15秒尺ほどの短いものをおすすめします。)
この条件に当てはまるのが、左右2つのクリエイティブになります。しかし、それでも獲得効率で見ると3倍もの差がついています。それはなぜでしょうか。

サービスのイメージと合致したクリエイティブを使う

ユーザーがクリックしてランディングページやインストールページに飛んだ際、バナークリエイティブと本サービスのイメージに差があると離脱が多く発生します。
そのため、サービスのイメージとクリエイティブを合致させた方が、離脱が少なくて済むのです。このケースでいうと、レシピアプリなので食べ物のクリエイティブはレシピアプリというサービスとイメージがリンクするので、離脱が少なくなることが想定されます。

このように、CPIを低く抑えるためには、サービス内容とギャップのないデザインにすることが有効です。アプリプロモーションに限らず全般に言えることですが、ペットショップであれば犬や猫のクリエイティブ、重機の会社であればブルドーザーのクリエイティブを使うなど、そのものズバリのクリエイティブでサービスとのイメージをリンクさせた方が獲得効率が格段に良くなります。

よくありがちな失敗として、アテンション(クリック数)のみを意識してクリエイティブを過激にしてしまう(ゲームにおけるエロさの強調など)がありますが、これはクリック数が増えてもその先にて離脱が増えるので、やはりサービス内容とクリエイティブのイメージを合致させておくことが大変重要になります。

WEB広告を出稿する前後にやっておくべきこと6点

WEB広告をなんとなく出稿てしまって、結果が良かったのか悪かったのかがふんわりしていることが多いと思います。WEB広告を出稿する前と、その後にやっておくべきことを解説します。

出稿前にやっておくべきこと

■1 顧客あたりの広告予算を決めておく

広告を出稿した後は、費用対効果を分析する必要があるので、まず顧客ひとりにかけられる広告予算を設定します。saasなどのサブスクリプションのサービスであれば、1人あたりの顧客が生み出す収益を割り出し、そこから原価と利益を引いた額の何割かを広告予算に割り当てて良いと言うことになります。

▼saasなどのサブスクリプションサービスにおける1顧客あたりの広告予算
下記を割り出した上で販売管理費のうち、1顧客にかける広告予算を決定する。

LTV(顧客あたりの月額売上÷月間退会率)ー1人あたりにかかる原価=1人あたりの販売管理費+利益
→広告費は販売管理費に含まれるため、販売管理費から広告予算を按分する。

■2 カスタマージャーニーから広告フローを作成する

カスタマージャーニーというのは、顧客が商品の購入に至るまでの思考、行動、感情などをモデル化したものです。ユーザーへのインタビューなどを通して作成します。例えば旅行代理店であれば、旅行への申し込みをするまでのユーザーの行動をモデル化します。例えば、ユーザーが旅行に行く前には「〇〇(目的地) 格安」といったクエリで検索するという情報が得られれば、広告においてはリスティング広告が必須だということが分かり、さらに有効な検索クエリへの手がかりも得られることになります。

カスタマージャーニーは顧客のペルソナごとに何種類か作成することをおすすめします。その上で、最終的に広告フローを作成します。商材によっては、直接コンバージョンに影響しなくても、認知のみを取る広告を組み合わせる必要がある場合があります。(主に不動産や車などの高価格商材が当てはまります。)
認知を取る広告、認知後の顧客を誘導する広告、コンバージョンに直接影響する広告など、AISASのモデルに沿って広告をフロー化していきます。

カスタマージャーニーで得られた顧客とのタッチポイントを整理した上で、広告フローに落とし込み、認知獲得の広告にいくらかけるか、コンバージョンに繋がる広告にいくらかけるかを割り振ります。

ただし、このステップについては、特に顧客単価が高い商材について有効なので、商材が数千円程度の化粧品であったりした場合は、簡易にやって良いステップだと思います。

■3 広告代理店に委託するか判断する

自前で広告を運用するか、それとも広告代理店に委託するかを判断します。自前で運用する場合は、自社にノウハウは溜まるというメリットはありますが、人材をアサインする必要があるのと、ノウハウが溜まるまでにトライ&エラーが生じるというデメリットがあります。代理店に委託した場合は、運用人材はアサインしなくても良くなり、短期間で効果が出やすいというメリットがありますが、自社に細かいノウハウは溜まりづらい、代理店フィーが出稿額の15~30%程度かかるというデメリットがあります。

また、広告代理店に委託する場合はミニマムの出稿金額が決められているため、月額の出稿金額が100万円に満たない場合は、自前ではじめられることをおすすめします。

■4 広告流入ごとの成約(コンバージョン)が計測できる設定をしておく

意外と広告流入ごとの成約(コンバージョン)を計測していないケースがあります。アプリプロモーションの場合は、広告代理店に委託すると、自動的にadjustなどのコンバージョンが計測できるツールの導入前提で出稿することが多いのですが、WEBプロモーションの場合はアナリティクスなどの計測ツールにて、コンバージョン設定を自社で行わなければなりません。
例えばダイレクトレスポンス系の商材であれば、申込完了ページにコンバージョンを設定しておきます。そして、WEB広告への出稿URLに流入先を判別するためのUTMパラメータを付与することにより、コンバージョンに到達したユーザーの流入元が分かります。

出稿後にやっておくべきこと

■5 広告レポートの把握と次回アクションの設定

出稿が完了したら、広告レポートの把握と次回アクションの設定をする必要があります。チェックポイントとアクションは下記の通りです。
  • 広告ごとのコンバージョン件数を割り出し、広告ごとの獲得単価を計算
    (ただし、広告モデル作成時に認知を取るために指定していた広告はそもそもKPIがコンバージョンではなくて閲覧数などになるため、この限りではない。)
  • 広告ごとの獲得単価が、顧客あたりの広告予算を超えていないかチェックする
  • 広告ごとのインプレッションやCTR(クリック率)を計測して、広告クリエイティブの最適化を行う
    →代理店に委託している場合は、この点のレポートや提案をもらうことが出来ます。
  • 上記の結果から広告予算の再調整や、ランディングページの改修、クリエイティブ最適化などを行う。

■6 広告流入ごとのユーザーの継続率を計測する

saasなど顧客の継続率が重要な商材の場合は、広告流入ごとにユーザーの継続率を数か月単位で追った上で、予算を再分配した方が効率的な場合があります。単月で見て顧客あたりの単価が安く抑えられていたとしても、他の広告に比べて解約が早ければ、結果的に一件単価が高く見える他の広告の方が効率が良くなるからです。

コンバージョンの前提が会員登録である場合は、登録時に広告パラメータを会員データベースに紐づけて、広告ごとの退会率を取れるようにするのがベストです。特に会員登録がなく、単純にサイトへの再訪という観点での継続率を取りたい場合は、アナリティクスで集計するには以下の2つの方法があります。

1.コホート分析
2.UTMパラメータにてセグメント設定を行い、当該期間におけるユーザー数とセッション数の割合を見る

1番目のコホート分析は、UTMパラメータで設定しておいた広告経由ごとの継続率が見られます。2番目はUTMパラメータでセグメント設定をしておき、当該期間にてユーザー数とセッション数を比べるとどの程度のユーザーが再訪しているかが分かります。例えば広告A経由のセグメント設定をしたとして、このセグメントにおける3か月のユーザー数が1,000、セッション数が3,000とすると、1ユーザーにつき平均3回訪問していることになります。

ということで、WEB広告を出稿する前と後にやっておくべきことでした。