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Appstoreでダウンロードを10倍にするASO

Appstoreで、ダウロードを増やす方法を知り合いに伝授した結果、1日10ダウンロード前後だったのが100ダウンロード前後まで伸びたというお知らせをもらいました。

▼ASOでダウンロードが10倍に伸びたアプリ
Doodle Maker – 写真にお絵描き&イラスト 子供 教育 落書きアプリ –

ということで、Appstoreでダウンロードを10倍に増やす方法をご紹介します。

ASO基本の方法

まず、アプリのタイトルのつけ方なのどの基本のやり方はこちらをご覧ください。こちらのブログのやり方で、基本の方法が網羅されています。

ダウンロード数を10倍にした最強ASOテクニック!App Store攻略のための「タイトル」「キーワード」etc…の作り方

上記をふまえた上に、さらにダウンロードを増やす方法をご紹介します。ちなみに、ダウンロードを増やすには、以下の係数が関わってきます。

インプレッション×プロダクトページ閲覧数×ダウンロード数

インプレッションは、検索された際などに自社のアプリが表示された回数で、プロダクトページ閲覧数は実際にアプリの詳細を見られた回数、ダウンロード数はiTunes Connect上はAppユニット数と表示されますがダウンロード数のことです。

インプレッションを増やすにはASOやプロモーションが必要で、プロダクトページ閲覧数やダウンロード数を増やすにはアイコンやスクリーンショットの最適化が必要です。
iTunesConnectのAppアナリティクスで各指標のユニークデバイス数が取得出来るので、上記の割合を算出すれば、どこの係数を上げればどのくらいダウンロード数が増えるか予測がつきます。(ダウンロード率=ダウンロード数÷プロダクトページ閲覧数が悪い場合は、スクリーンショットや説明文の改善の余地があるということになります。)

今回は、インプレッションを増やすことを中心に何点かコツを紹介します。ちなみに、うちのアプリにて、ASO施策を実施した結果、このようにインプレッションが10~15倍になりました。

ASO

インプレッションを増やす方法その1:強そうな検索ワードを文頭に持ってくる

上記のブログでも、アプリ名に検索ワードおよび、サジェスションに表示されるキーワードを組み合わせて入れることが推奨されています。例えばお天気アプリ「ニコニコ天気(仮)」があったとしましょう。試しにAppstoreに天気を入れてみると、このようなサジェスションが表示されます。
  • 天気
  • 天気予報
  • 天気予報 無料
  • 天気予報 よく当たる
  • 天気予報 うぇざーにゅーす
  • 天気予報 ウェザーニュース
  • 天気予報 気象庁
  • 天気予報 服装
ここから検索回数が多そうなワードを組み合わせると

ニコニコ天気(仮)- 無料の天気予報

のようなアプリ名になります。しかし「天気予報」からの流入が少しでも欲しければ、その単語を文頭に持ってきた方が評価が高くなるのです。ということは、ASO的に強いアプリ名は、このようになります。

天気予報を無料で – ニコニコ天気(仮)

有名どころのアプリや、Appstore以外からの流入がある程度ある場合は、アプリ名を文頭にした方が良いと思いますが、ASOに完全に注力するのであれば、いっそのこと強いワードを文頭に持ってきてみましょう。
(ちなみに最強の複合キーワードであった「無料」は最近使えなくなり、リジェクト対象となります。)
4/11追記 文頭に持ってきていたワードのランキングが急に下がるという現象があったため、ロジックが現在は調整されている可能性があります。

インプレッションを増やす方法その2:Appstoreはおバカ(形態素解析出来ない)ことを念頭に置く

形態素解析とは、文章を単語などの最小単位に切り分ける技術です。Googleなどの検索エンジンでは当たり前に使われている技術ですが、Appstoreの検索はこれが非常に弱いようなのです。
形態素解析出来ないということは、以下の2つの点に気を付けなければなりません。

1 キーワードに表記ぶれを入力する際には、ユーザーが検索するフレーズ全体を入れる

キーワードに表記ぶれを考えて入力する方法は上記のブログにもあります。しかし、表記ぶれを入力する場合はユーザーが検索すると思われるフレーズ全体を入れる必要があります。

例えば、放置ゲームを作ったとして、キーワードに「放置」と「ゲーム」という単語をひとつづつ入力したとしても「放置ゲーム」と判断してくれません。ゆえに、キーワードには「放置ゲーム」とくっつけて入れる必要があるのです。

そして、この法則はアプリタイトルでも注意が必要なポイントになります。以下は実際のアプリにつけてみたタイトルです。

A おすすめアプリや人気の無料ゲームを聞ける【アプリ名】

B おすすめ無料ゲームや人気のアプリを聞ける【アプリ名】

これを見ると、単語を入れ替えているだけで大差ないように見えますが「無料ゲーム」というワードからインプレッションが発生するのはAのタイトルなのです。
なぜかというと、Aは「無料ゲーム」が単体の単語として認識されますが、Bは「おすすめ無料ゲーム」というフレーズで認識されるからです。ゆえに、最も強いワードの周辺には名詞や形容詞を繋げずに「や」とか「の」を入れて、ひとつの単語として認識させる必要があるのです。

インプレッションを増やす方法その3:キーワード選定で迷ったら、Google検索を使おう

アプリタイトルに含める主要キーワードを決める時、検索ボリュームを調べたい時があります。例えば「乙女ゲーム」と「恋愛ゲーム」、どちらを入れるべきか迷った時などです。その場合はGoogle検索を使い、検索ボリュームの多いほうをメインキーワードに据えると良いと思います。
さらに、検索ボリュームをGoogleで調べるのはもう一つ別の理由があります。Googleからのアプリ検索の流入を狙うためです。恋愛ゲームと検索すると、このようにアプリ一覧が出てきます。

app

このGoogleからの検索流入が割と大きい上に、アプリのインストールまで至りやすいのです。うちの出しているアプリの場合は、ここからの流入が1~2割を占めています。

そして、このGoogleのアプリ検索にアプリが表示されるまでには1~2週間のタイムラグがあるので、いったん名前が定着したら頻繁に名前を変えないほうが良いでしょう。

ということで、アプリのダウンロード数を10倍に伸ばす方法でした。

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CLASSY.が「貧乏着回し特集」をやってはいけない理由

色々なネットメディアで話題になっているようですが、30代女性向けのファッション誌「CLASSY.」の着回し特集の設定が貧乏すぎると話題です。

詳細は、以下のリンクにありますが、主人公は入院中の母の治療費や弟の学費を負担しているため、支出を切り詰めており6畳一間のアパートで暮らす29歳の会社員。主食はどん兵衛という設定になっています。

「主食はどん兵衛」「母の治療費、弟の学費」…設定が貧乏すぎる?

この記事によると、貧乏設定にした理由は、今回の着回し特集が「GU」(ユニクロのファーストリテイリング社による低価格のアパレルブランド)を扱ったからということなのです。
しかし、これはちょっとやってはいけなかったんじゃないかと、思います。

かつてのメディアは、憧れという色眼鏡をかけてくれた

前にブログでも書いたのですが、メディアとは「こういう生活、ファッションが素敵だよ」というロールモデルの色眼鏡を読者にかけてあげるものでした。Cancam全盛期はエビちゃんOLというロールモデルを作り出し、そのファッションや生活の理想形を見せてあげる色眼鏡であったわけです。

メディアはどこに向かうのか 〜ライフスタイルの先導から共感へ〜



例えば、「ちょい悪オヤジ」というフレーズが有名な雑誌「LEON」は、年収2000万以上なければ送れないようなライフスタイルを打ち出していましたが、実際の購読者層は年収1,000万以下の読者が大半だったといいます。それは、年収1,000万以下の読者に対して、年収2,000万以上あるライフスタイルを見せてあげていたわけです。

この「Cancam」や「LEON」などのロールモデルを提示していた雑誌は読者に「憧れのライフスタイル」という色眼鏡をかけてあげていたことになります。

メディアは共感型に変わり”自分が素敵”だという色眼鏡をかけてあげるように

しかし、2000年代後半以降は可処分所得の急激な減少などに伴い、「憧れのライフスタイル」という色眼鏡をかけてあげるメディアは減っていきます。代わりに台頭してきたのが、共感型のメディアです。「ほらほら、こんな素敵なライフスタイルが良いでしょう?」という憧れの提示から「今のこのライフスタイルでも、十分素敵になれるよね」というような読者に寄り添う流れに変遷してきたのです。

ライフスタイルへの共感という眼鏡をかけることで「いまの自分のライフスタイルで良いんだ」という自己肯定感や、そういったメディアを見ている自分が、ちょっと素敵であるという認識を与えてくれるのです。
以前に「Hanako」が雑貨として親しまれているという話がありましたが、それも”オシャレなカフェなどの情報をゆったり楽しんでいる自分”に対して、価値を感じていたからではないでしょうか。

つまり、昔のメディアが東京タワーの頂上から「この東京タワーすごいでしょう」と呼び掛けていたとしたら、今のメディアは「これで良いんだよね」と、読者を3センチ浮かせてくれるコンセプトへと移り変わってきたのです。

「CLASSY.」の貧乏着回しは、読者にどんな色眼鏡をかけるのか

それでは今回の「CLASSY.」の貧乏着回し特集は、読者にどんな色眼鏡をかけるのでしょうか。それは「GUを着ている人は貧乏である」という色眼鏡です。GUを着ている読者を「GUで良いんだよね。素敵だよ。」と寄り添うのではなく「生活に困っているから、GUを着ているんだよね。」と上から突き放す形になっています。

GUやユニクロ、そのほかZARAなどのファストファッションの着回し特集は、どこのファッション誌でもマストとなっている特集です。しかし、メディアは読者を肯定してあげて、3センチ浮かせてあげるべきであって、読者のライフスタイルを否定するべきではないのです。

ネットメディアなどの外部から見れば、ただのネタ系特集に見えますが、読者はどうとらえるでしょうか。おそらく「えっ?」と思うはずです。「わたしGU着てるけど、GU着てるのって貧乏なの??」と。
そして、その「えっ?」が数回積み重なるたびに、少しづつメディアから離れていってしまうのではないでしょうか。

ということで、メディアの役割とは、読者を3センチ浮かせてあげることであり、見せるべきロールモデルが崩壊した今となっては、共感型として寄り添うべきだと思うのです。

これをここに貼るべきか迷ったのですが、ここ1年の発行部数を調べてみると1年前に比べて9万部も部数が減っているのです。やはり、これは読者の共感を得られていない証左ではないかと思うのですが。
しかし、その前の8年間で「Classy.」はファッションのベーシック化の流れを受けて10万部の発行部数を積み上げており、1年前までは最もアラサーに支持されるファッション誌だったように思うのです。

図1
データ出典:http://www.j-magazine.or.jp/data_001.php

バズるキャンペーンを打つには、ギャップを作ることを考えよう

前回「メディアに取り上げてもらえるプレスリリースを作る、実践的な5つの方法」をご紹介したのですが、今回はさらに実践編になります。実際に配信した<プレスリリースをもとに、バズやすいキャンペーンの作り方をご紹介します。

その1 載りたいメディア(媒体)をイメージして、キャンペーンを考えよう

プレスリリースを打つからには、載りたいメディア(媒体)があるはずです。まずは、ここに載りたいという目標となるメディア(媒体)を選定し、キャンペーンを考えはじめます。
目標となる媒体を選定するには、前回ご紹介したPRTimesを使うのがおすすめです。PRtimesでは、メディアリストを作る機能があるのですが、ここでメディア一覧と概要を見られるため、目標となる媒体を設定しやすいのです。

我々は、好みのアプリをチャットで聞ける「アプリット」というアプリのキャンペーンを考えたのですが、ねとらぼさんやガジェット通信さんのようなネタ系媒体に載ることを目標にしました。

その2 バズるキャンペーンは、ギャップを作ることを考える

目標となる媒体が決まったら、どのようなニュースを載せているかを見て、メディアの温度感をつかんでおきます。しかし、おしなべてインターネットのメディアに載りやすく、バズにつながりやすい方法があります。それは、キャンペーンにギャップを作ることです。

例えば、サンリオのキティちゃんは「仕事を選ばないキティさん」として、ネット上で有名です。キティちゃんが相手を選ばないで、色々な人やキャラとコラボしているということなのですが、その背景には「国民的可愛いキャラであるキティちゃんが、相手を選ばないはずがない」という前提があるからです。

この前提を裏切るギャップ=色々な人やモノとコラボしている、ということで、話題になっているのです。

つまり、キャンペーンをバズらせたい場合「これは、こういうものである」という前提が確率されている商材やブランドに有効です。これもネット上の有名なスラングで「公式が病気」という言葉がありますが、ちゃんとしているはずの企業やブランドが、あえてギャップを作ることで「公式が病気」として話題になるのです。(逆にブランド力の毀損にもつながりかねないので、慎重さは大事ですが)

その3 前提がない場合は、既存のコンテンツの力を借りる

しかし、私たちがプロモーションしたいアプリは、前提がないので、そもそもギャップを作れません。その場合、コンテンツの力を借りることになります。このコンテンツは、ターゲットとなるユーザー層が興味を持つコンテンツである必要があります。

私たちは、女性にリーチしたいと思い「イケメン」というコンテンツを持ってくることにしました。

その4 コンテンツにギャップを作る

そして、このコンテンツにギャップを作ります。「イケメン」というみんなの共通知に対して「そんなわけないだろう」という裏をかくギャップを作るのです。

私たちのアプリ「アプリット」には、パンダ先生というマスコットキャラクターが登場します。この「イケメン」と「パンダ」を掛け合わせることによって、イケメンパンダ先生というキャラクターを設定しました。
イケメンなのに、全身パンダのかぶりものをしているのです。イケメンといえば、爽やか、優しい、カッコいいというプラスのイメージしかないですが、そこに「全身パンダのかぶりもの」というギャップを設定したのです。

キャンペーン内容は、一定期間内に質問をすると、イケメンパンダ先生が答えてくれるというキャンペーンに決定しました。

その5 バズるのは、画像8割×ネタ2割。

キャンペーン内容決定後は、プレスリリースに載せる画像に最も手をかけます。メディア(媒体)に載ったときに読者の興味をひいてバズるもとになるのは、画像です。画像が8割くらい重要で、ネタそのものは2割程度といっても過言ではありません。
(ネタが強い場合は、ネタだけでも全然拡散されます。任天堂が新機種発売するというニュースはネタそのものが強すぎるので、どこの媒体も掲載しますし、みんなが見たいニュースです。)

ということで、我々はイケメンパンダ先生の画像を、わざわざ絵師さんに発注して用意しました。さらに、ここで気をつけないといけないのが、画像のみでコンテンツが完結していると、さらに拡散されやすくなるということです。

画像のインパクトを強めるために、イケメンパンダ先生のキャラクター設定をし(イケメンパンダ学園出身の少しキザなパンダ)、セリフ入りの画像を用意しました。このセリフが入ると入らないとでは、画像の破壊力がだいぶ違うのです。

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ということで、プレスリリースを配信した結果、電撃オンラインさんなどのメディアさんに掲載していただけました。電撃オンラインさんでは公式ツイッターでもつぶやいてもらえたのですが、画像の破壊力が手伝って、電撃Girl’sStyleさんでは300リツイートを超えるリツイートとなりました。



ということで、拡散されるプレスリリースには、ギャップを作ることが重要というお話でした。

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メディアに取り上げてもらえるプレスリリースを作る、実践的な5つの方法

サービスやプロダクトをリリースして以降は、プロモーションが要になってきますが、広告予算を割けない場合も多いわけです。ですので、プレスリリースを発表してメディアに取り上げてもらえれば、広告予算はプレスリリースの作成費用のみなので、美味しいことになります。
しかし、メディア側には多くのプレスリリースが配届くので、必ず乗る保証はありません。プレスリリースが乗りやすくなる5つの実践的な方法をご紹介します

その1:プレスリリース配信サービスを使う

プレスリリースを配信するには、PRTMESさんのようなプレスリリース配信サービスを使うか、メールでメディア媒体あてに1通づつリリースを送信するかの方法があります。この場合、断然配信サービスを使った方が掲載率が良いです。一度75媒体のメディアさん向けに1通づつリリースを送ってみましたが、掲載されたのはアプリレビューサイト、1サイトのみでした。(ちなみにアプリレビューサイトさんについては、アプリヴさんは取り上げてくれやすいのでレビュー依頼を出した方が良いでしょう。)

PRTMESのプレスリリース配信サービスを使うと、一回の配信につき300メディアに一斉送信できるほか、提携のメディアにそのままプレスリリースが転載されるため取り上げてもらいやすくなります。1配信ごとに3万円が掛かりますが、起業して2年以内であれば月に1回配信が無料になるプランもあります。

スタートアッププラン
https://prtimes.jp/startup_free/

その2:プレスリリースの記述のルールを守る

「載りやすいプレスリリースの書き方」的なネットの記事によく書かれている内容がになりますが、上記のPrtimesも無料登録をすると、プレスリリース配信についてのハウツーハンドブックをダウンロード出来るようになるので、一読しておいたほうが良いでしょう。個人的にこのへんのルールで最も重要なのは、以下2点に関する画像周りの準備をしておくと載りやすいかと思います。

・画像素材を多めに掲載する(読了率が上がる上に、素材があるので転載しやすい)
・高解像度の画像素材を用意する(別サーバーに格納して、ダウンロードリンクをつけても良い)

その3:一番載りやすいのはサービスをリリースする時

プレスリリースを出した時に、最も載りやすいのはサービスやプロダクトを発表した時のプレスリリースです。過去に複数回プレスリリースを出してみましたが、掲載率を見ても、キャンペーンの掲載時よりもサービスリリース時のほうが2倍くらい載りやすいようです。ですので、サービスやプロダクトの発表時にプレスリリースを打たないのは勿体無いということになります。

その4:記事として成立するプレスリリースにする

この点が、プレスリリースを配信する際に最も重要な点と言えます。メディアの記者の方々は、メディアに掲載するための「ネタ」を探しています。ですので、プレスリリース単体で記事のネタとして成立すれば、そのまま転載してくれる可能性が高まるのです。

例えば、弊社のiPhoneアプリ「アプリット」は、チャットで好みのアプリを聞くことの出来るサービスです。これをこのままプレスリリースにしようとすると、リリースのタイトルはこんな感じになります。

おすすめのアプリをチャットで聞ける「Applit(アプリット)」正式版リリース

これでは、まだ記事のネタとして弱いです。記事のネタとは、メディアの読者の方がそのメディアのひとつの読み物として楽しめる状態を目指します。つまり、読者目線で面白いと思える要素を仕込む必要があるのです。

ということで、記事のネタ的な視点を加えたあとのタイトル及びリリースがこちらです。

5割近くの人たちは、アプリをネット検索で見つけている!?おすすめのアプリをチャットで聞ける「Applit(アプリット)」正式版リリース

https://prtimes.jp/main/action.php?run=html&page=releasedetail&company_id=21436&release_id=4&owner=1

この「5割近くの人たちは、アプリをネット検索で見つけている」という小ネタが、メディアに掲載された転載された場合に「ああ、そうなんだ」という読者の「へえ」を誘うトリガーになっているのです。小ネタの入れ方のコツとして、配信したいニュースソースの関連情報で「へえ」を誘えるような意外性のあるネタがないか探す事です。そして、そのネタを冒頭に挿入する事によって、メディアサイドの人には目に留まりやすくなりますし、実際にメディアに載った場合も読了してもらえる率が高くなります。

その5:メディア記者の方がサービスを使う事に備える

メディア記者の方がプレスリリースに運良く目を留めてくれた場合、そのままプレスリリースを転載するかカスタマイズして記事を書いてくれる場合と、実際にサービスを使ってみてレビュー記事を使ってくれる場合があります。プレスリリース配信後3日以内は、メディア記者の方がサービスを使ってくれることを想定した方が良いでしょう。そこで、不具合があった場合は、掲載を取りやめる可能性もあるわけです。

先ほどのリリースを打った2日後に、AppBankさんがアプリを紹介してくれました。この記事でも「質問をしてからの回答が早い」点を取り上げて頂いていますが、裏側では質問が来てからすぐ回答を返せる仕組みを整えておく必要があります。プレスリリース配信後数日は、サービスの特徴が上手く伝わるように特に体制を整えておいたほうが良いでしょう。

iPhoneの使い方からアプリのレビューまで細かい情報をチャットで教えてくれる!
http://www.appbank.net/2016/11/11/iphone-application/1275410.php

というわけで、プレスリリースに載るための5つのポイントをご紹介しました。次回はより実践的なプレスリリースの組み立て方を紹介してみようと思います。

「Amazon Dash Button」によって、ヤマト運輸の方々が更に大変になるかも

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今の所、1回の注文における商品の数量を増やせない「Amazon Dash Button」

「Amazon Dash Button」は数量を増やして注文が出来ない

家では南アルプスの天然水を飲んでいるのですが、つい注文を忘れてしまいがちです。ですので「Amazon Dash Button」が発表されるとともに、すぐさま南アルプスの天然水のDash Buttonを注文して、早速取り付けてみました。(セットアップの過程で、ボタンを押してみようって出たので、チュートリアルの一環かと思ってポチったら実際に注文されてしまいました。)

しかし、セットアップして気付いたのですが「Amazon Dash Button」って商品の数量が増やせないのです。いつも私は水を5ケースくらいまとめて頼んでしまうのですが、ラインナップを見ても2ケースが1個の商品になっているものしかないし、1回の注文につき数量を増やせる設定がないんですね。(Amazon Dash Buttonは誤発注防止のために、一度ボタンを押したら、商品が届くまでボタンを押しても無効になります。)

これは、困ったなーと思ってアマゾンに問い合わせてみたところ・・・
  • 今の所、1回の注文における商品の数量を増やすことは出来ない
  • 一度ボタンを押したら、商品が届くまでボタン押下が無効になる機能は解除できるので、どうしても数量を増やしたかったら、その機能を解除した上で、ボタンを複数回押せば数量は増える
ということでした。しかし、誤発注防止のためのボタン押下が無効になる機能を解除するのは、心理的にどうしても怖いわけです。(小さなお子さんがいる家庭は特にそうでしょう)

しかし、結構な家庭で洗剤とかコーヒーとかをまとめ買いする需要っていうのはあると思うんですね。そう考えると、どうなるかというと…

「送料無料だし、翌日届くから、小刻みにボタン押して頼むか」になる

そもそも「Amazon Dash Button」はプライム会員限定サービスなので、だいたい翌日届くことは確実なわけです。ということは、今まで複数個まとめ買いしてストックしておく派だった人でも、とりあえずボタン押すだけだし、なくなったら注文するか。というインセンティブが働きがちな気がします。
このサービスの利用者が増えて、みんながみんな消費財を小刻みに注文しだすと、今まで以上に配達をしているヤマト運輸の配達員の人々が大変になるかもしれないな…と思いました。(元々は、佐川急便が配達を担当していましたが、2013年に取引を打ち切っています。)

しかも、アマゾンって自社のサービスの改変に伴うステークホルダヘの影響を、絶対に事前に告知しないと思うんですよね(電子書籍サービスの件しかり)。

アマゾンの配送を引き受け「正直しんどい」 過酷すぎるヤマト運輸の実態
http://news.livedoor.com/article/detail/11430306/

アマゾン読み放題、勝手に「20社削除」の衝撃
http://toyokeizai.net/articles/-/139256

メディアはどこに向かうのか2 〜ネットメディアにコミュニティ(ビオトープ)は存在するか?〜

先日「メディアはどこに向かうのか 〜ライフスタイルの先導から共感へ〜」という記事を書いたが、雑誌メディアに限定した内容だった。
内容をまとめると、雑誌メディアは、メディアが提示する色眼鏡(コンセプト)を支持する人たちが集まり、コミュニティ(ビオトープ)化していたが、2000年代後半以降はそれが解体されたという内容となっている。

ニワトリが先か卵が先かという話になるが、雑誌メディアにおけるコミュニティ(ビオトープ)の解体は、ネットメディアの成長と比例している。ネットメディアの隆盛にはコミュニティ(ビオトープ)は、存在するのだろうか。

コンテンツは、入れ物(ソリューション)によって変容する

コンテンツが入れ物(ソリューション)によって変容するというのは、長らく変わらない真理だ。例えば動画というコンテンツは、映画館という入れ物の中では2時間くらいの長さが妥当だった。その後テレビという入れ物が登場すると、お茶の間に集まった家族が楽しめるように30分や1時間尺くらいの番組が多くなった。そしてネット動画が普及している今となっては、人気の動画は1分程度の尺になった。入れ物の箱(ソリューション)が映画→テレビ→ネット(スマホ)という風に変容するに伴い、動画コンテンツはどんどん短い尺になっている。
それでは、メディアは紙という入れ物からネットに移行するにあたって、どのような変化があったのだろう。

ネットという入れ物によって変容したメディア

ネットメディアになってから、メディアはこのように変わった。

1 メディアとしてのコンセプトを打ち出し辛くなった

雑誌メディアは、1冊の本から成る。これは、1つの本として全体の流れを作りやすい構造だ。1冊の雑誌の中で起承転結をつけることにより「私たちのメディアはこうだ」というコンセプトを打ち出し(色眼鏡をかけ)やすい構造になっている。一方、ウェブメディアは、細切れの記事単位で構成されている。そして読者は、検索結果で表示されたり、ソーシャルでシェアされた個別の記事単位を閲覧することになる。メディア全体の中で起承転結をつけることは難しく、一定のコンセプトに沿った文脈を個別の記事に載せることになる。ウェブメディアの記事は、情報が情報として流通することを目的とされた箱なのだ。(前回の記事にもあるが、雑誌メディアも情報を情報として流通させる形態に変化してきており、雑誌のウェブ化と言えるかもしれない。)
しかし、複数の記事単位で構成されたウェブメディアでも「私たちの媒体はこうだ、こういうコンセプトだ」という色を少しづつ載せることは出来る。読者は、グーグルの検索結果やSNSでシェアされた記事に接触し、それが複数回行われるうちに、そのメディアを気に入ってトップページをブックマーク(あるいはアプリをダウンロード)するかもしれない。

2 ライフスタイルの提示から、読者へ寄り添う形へ

雑誌メディアの特徴は、メディアが主導するライフスタイルやロールモデル(Hanako世代、エビちゃんOL)を提示することだった。メディアの主導により、ファッションだったり、ライフスタイルにおけるブームが作られていた。しかし、ウェブメディアはライフスタイルやロールモデルを提示することはなく、読者の共感を誘うようなコンテンツがメインとなる。(これも前回の記事にあるが、雑誌メディアも最近はこういう流れがある。)

これはウェブの集客方法に起因する。ウェブメディアの集客方法はSEOかSNSでの集客に2分される(が、ほとんどSEOだ)。SEOで集客を行うということは、読者の検索需要がある記事を逆張りして作るということになる。すでに読者が読みたいというニーズがある記事を作成するのだから、読者の共感を誘うコンテンツがメインとなるのだ。ソーシャルの場合でも「いいね」をするということは、共感を抱いているということだ。いずれにしろ、共感を誘うコンテンツを作れるかどうかがカギになる。

ネットメディアにコミュニティ(ビオトープ)は存在するか?

ネットメディアにコミュニティ(ビオトープ)は存在するのだろうか。前回のブログをアップしたところで佐々木俊尚さんにツイッターで紹介していただき、こんなコメントをいただいた。


ネットメディアはバーティカル化し、そこでコミュニティ(ビオトープ)は形成されるという。しかし、私の個人的な感覚では、コミュニティ(ビオトープ)を形成しているバーティカルなネットメディアが、どれなのか良く分からない。例えばクオリティの高い1次情報メディアはあるかと思うと、それはあると思う。例えば、音楽情報を提供する「音楽ナタリー」がそうだ。代表の方の書籍も読んだことがあるが、ナタリーは記者自らが原典にあたり、情報が足りないと思えば電話などでも追加取材をしているという。しかし、コミュニティ(ビオトープ)を形成しているかといえば、そうでもない。それは、情報の網羅性にある。ナタリーは、ジャパニーズポップスからアイドル、ロックバンドに至るまでありとあらゆる音楽ジャンルの情報を網羅している。それは、読み手が見たいコンテンツを提供するというナタリーの編集方針でもあるらしいのだが、情報を網羅しているだけに、読者のスタンスは好きな音楽情報の入手先であり、コミュニティ化はしていないように思う。
ネットメディアの「オモコロ」も大変に面白いメディアではあるが、そこでコミュニティが形成されているかというと、そうでもないと思う。「オモコロ」は、カルチャーの枠を超えて万人が心の奥底でフフッとなれるコンテンツを提供しており、読者は「オモコロ」のフフッとなるコンテンツを見て、フフッとなっているだけな気がする。

と、考えた時、コミュニティ(ビオトープ)を形成しているバーティカルメディアとは、一体どこにあるのだろうか。それは、存在するのだろうか。
ここまで書いておいてなんだが、きっと私の知らないところで、それは存在するのかもしれないと思う。ネットメディアが紙メディアに比べて大きく異なる点は「それを好きな人はよく知っているが、知らない人は知らない」というタコツボ化である。雑誌「BRUTUS」の発行部数は10万部に満たない(96,805※)が、「BRUTUS」に熱心なファンがいてとても偉大な雑誌であることはもっと多くの人が知っている。雑誌メディアは、実際の発行部数が小さかったとしても、外部の人々によるブランドの認知はされている。だから、周囲を見渡せば、あそことあそこにコミュニティ(ビオトープ)があるんだなということが分かる。

しかし、ウェブメディアは見渡してもコミュニティ(ビオトープ)の形成はわからない。おそらくそれが月間100万人の訪問があったとしても分からない。きっと月間1,000万人が訪問くらいになって、初めて外部の人たちが「こんなメディアがあるのか」と認知するレベルなのだと思う。
ということで、バーティカルなウェブメディアのコミュニティ化(ビオトープ)は、それぞれにひっそりと進行しているのかもしれない。

http://www.j-magazine.or.jp/data_002/m2.html

メディアはどこに向かうのか 〜ライフスタイルの先導から共感へ〜

メディアって何だろう

昔から雑誌が好きで、書店の雑誌コーナーに通っては、ラックの上から下まで目についた雑誌を手に取り、ページをパラパラをめくっていた。雑誌メディアとは何だろうと、改めて考えたときに、一番当てはまるメタファーは「色眼鏡」なのかと思う。

ヨガといえば、女性がフィットネス的に楽しめるアクテビティだ。しかし、ヨガはその昔、オウム真理教の影響もあり、うさんくさい目で見られていた。しかし、2004年にヨガの専門誌「Yogini(ヨギーニ)」が創刊されると、体に良くて痩せてキレイになるフィットネスとしてブランディングされ、一気にヨガ市場が拡大したのだという。LINEの田端さんのインタビューで見かけたエピソードだ。

この「Yogini(ヨギーニ)」というメディアが果たした役割は、ヨガというアクティビティを、「痩せてキレイになれる」「体に良い」「オシャレ」というフィルターをつけて見せてあげたことだと思う。「ヨガはオシャレで体に良いよ」という色眼鏡をかけてあげたのだ。色眼鏡をかけるとは、メディアが特定のテーマに対して、読者に提示する視点を提供してあげることであり、メディアが支持されているということは、メディアの色眼鏡(視点)を装着したいと思う人が多いということだ。

吉祥寺も自由が丘も、定量的にはただの街だけれど、Hanakoという雑誌メディアの色眼鏡をかけると「探索するのが楽しいオシャレな街」ということになる。

メディアとはコミュニティ(ビオトープ)だ

「メディアの色眼鏡」をかけたいという人が集まってくると、メディアはコミュニティ化する。コミュニティにあらずとも、なんとなく同じ色眼鏡をかけた人たちが集まってきて、それぞれのビオトープ(生息圏)が出来る。例えば、Hanako世代という言葉があるけれど、1980年代後半に20代だった女性は、雑誌Hanakoによって消費傾向に影響を受けていたという。自分が好きなものを買って、自分が好きなところへ旅行に行く。そんな自由な消費スタイルという色眼鏡をメディアが打ち出すと、それに影響を受けた層がゆるく集まってビオトープ(生息圏)のようなものが出来る。

メディアのコミュニティ(ビオトープ)化には、2つの手法がある

メディアのコミュニティ(ビオトープ)化に至るには2つの手法がある。1つ目は、メディア自身が色眼鏡を定義し、それを啓蒙すること。先ほどの80年代の「Hanako」における自由な消費スタイルなどがそれにあたる。さらに、2000年代半ばに赤文字系雑誌の「Cancam」を通して流行した「エビちゃんOL」も、コンサバ系OLファッションに身を包んで髪の毛はゆるい巻き髪をするという色眼鏡を定義して啓蒙していた。ロハスで自然な暮らしを提案する「リンネル」や「クウネル」と言った雑誌も”ロハスで自然な暮らし”という色眼鏡を読者に提供している。

この手法を広めるにあたって有効だったのが、メディアの色眼鏡の象徴(アイコン)となる人物を設定することだ。例えば、「Cancam」の「エビちゃんOL」の象徴(アイコン)は文字通りモデルの蛯原友里であり、ビオトープにいる読者たちは「コンサバOLになりたい=蛯原友里が象徴」という明確なゴールが出来る。

コミュニティ(ビオトープ)を形成する2つ目の方法は「体系的な知識を必要とする閉じたサロンを作ること」だ。雑誌で言うと音楽雑誌の「ROCKIN’ON JAPAN」を読んでいる人たちは「かなり音楽に詳しい人」であり、日本の音楽シーンの歴史年表がある程度体系的に頭に入っていて話が出来る(どこそこのバンドは、どこそこのバンドを影響を受けている)前提になる。
その雑誌を読んでいることが、コミュニティ(ビオトープ)に入るための入場券になるのだ。同様に「STUDIO VOICE」を読んでいる人は、サブカルチャーに詳しく、日本のサブカル誌についての知識がある程度体系的にある前提となる。
(体系的な知識を必要とする という前提でいうと政治経済ニュースにも当てはまり、NewsPicksもこの構造にハマる気がする。)

メディアのコミュニティ(ビオトープ)化の終わり

メディアが読者に色眼鏡をかけて、コミュニティ(ビオトープ)化していたのは、2000年代半ばくらいまでだったと思う。2000年代後半以降はメディアを取り巻く定義は激変した。それは主に以下の点に集約される。

1.数十万人たちをくくれる色眼鏡が消滅した

現在において「Hanako世代」や「エビちゃんOL」など、メディアの色眼鏡をかけたビオトープ圏をくくれる言葉は存在しなくなった。人々の消費行動やライフスタイルを、一つの大きな枠で括られなくなったのだ。言い換えると、人々はライフスタイルにおけるロールモデルを必要としなくなった。cancamは最盛期は80万部を超えており、購読者層はコンサバエビちゃんOLを目指していたが、現在において数十万人をひとくくりに出来るメディアの色眼鏡や、象徴としてのロールモデルは存在しない。

2.体系的な知識を必要とするサロン的メディアは解体された

体系的な知識を必要とするサロン的メディア、例えば映画雑誌や音楽雑誌などは次々と廃刊となり、特定のジャンルにおいて濃い知識を持ち寄って、サロン的に動いていたメディアは解体された。2000年代にはミニシアターブームもあり、都市部には「ある程度カルチャーを分かっておくべき」的な空気感があったが、現在においては「面白ければいいじゃん」的なノリで体系的な知識が必要とされるメディアは皆無に等しい。

メディアはどこに向かうのか

コミュニティ化(ビオトープ)が終わったメディアは、色眼鏡を読者にかけるのではなくて、単に「情報」を提供し始めた。特にファッションにおいては、ファッションの潮流がベーシック化になる流れを受けて、逆に色眼鏡を設定することが購読者層獲得にマイナスに働くからだ。ファストファッションの台頭により、ファッション誌はGUなどのプチプライスのアイテムをメイン特集にするなど、読者の消費環境に寄り添った特集記事を”情報”として提供し始めた。(これは、2000年代まではメディア主導でライフスタイルが作られていた動きから見ると、真逆の動きと言える、。)
もしくは、雑誌に特典付録という麻薬的なアイテムをセットにすることにより、紙メディアの部数を伸ばそうと試みた。

このように、雑誌がライフスタイルについてのロールモデルを主導する時代は終わり、消費者の消費行動に即した等身大の「情報」を提供するようになった。(そして、それは消費者に受け入れられ、雑誌を定期的に購読する層であった現在の30代、40代をターゲットとしたファッション誌などは部数を伸ばしている。)

しかし、一部の雑誌は今もまだそれぞれの雑誌固有の色眼鏡を提供し続けて、読者はその色眼鏡をかけたいと親密な関係を結んでいる。「ブルータス」といったカルチャー誌や部数を維持している「Hanako」などもそうだ。主婦向けの「Mart」なども主婦たちのコミュニティが形成され、そこから新商品が登場している。
これらを見ていると、読者は雑誌が提供するロールモデルに従っているのではなく、雑誌の提案するポリシーや空気感に「共感」を抱いているように感じる。成功しているカルチャー誌のキモは、メディアが提案するポリシーや空気感を「共感」を持って受け入れてもらえることが大事なのではないだろうか。

▼続き
メディアはどこに向かうのか2 〜ネットメディアにコミュニティ(ビオトープ)は存在するか?〜

嗜好が細分化した時代に、人々を一つに繋げるコンテンツ

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インターネット、スマホの登場により細分化した人々の嗜好

最近ピコ太郎の動画がYOUYUBEで流行っていると聞いて見てみたものの、いまいち何が面白いのか分からない今日この頃です。

さて、スマートフォンの登場以降、人々の嗜好はどんどん細分化しています。かつてのマスであったテレビが、マスではなくなりつつあり「万人が知っている」共通の情報はどんどん少なくなっています。
嗜好の細分化に一役買っているのは、スマホデバイスの普及です。スマホデバイスが普及した結果、様々なソリューションに常時アクセスすることが可能になりました。

facebookやツイッターもSNSという名のソリューションですし、YOUTUBEやニコニコ動画という動画ソリューションも台頭しました。さらにソーシャルゲームというソリューションが生まれた結果、今までゲームをしなかった層にもゲームが普及しました。
以前は情報の入手手段がマスメディアしかなかったのですが、人々が情報を手に入れるソリューションば細分化しているのです。

さらに、個々のソリューションの中も、さらに細分化しています。ツイッターを見てみても、政治、経済などについてつぶやいているアカウントがある一方、中高生が身内でのコミュニケーションの一環としてつぶやいているアカウントもあります。そして、これらはお互いに交わることがありません。
自分たちが興味のある情報やアカウントをフォローし、それぞれの住み分けとクラスタがあるのです。このように、自分の興味がある情報だけを追うようになるのも、インターネットのソリューションの特性と言えます。

この10年で、みんながが知っている【共通知】という括りが減り、好みや嗜好が細分化して、自分たちのクラスタが生息するエリアのみ情報のみを、取り入れるようになったのです。

ピコ太郎やラッスンゴレライ。リズムネタやキャラネタにお笑いが偏る理由

好みや嗜好が細分化するということは、以前であれば「テレビを見ている人がたいてい知っている」という共通の情報がなくなるということです。例えば爆笑問題さんは、漫才で時事ネタを扱っているので、旬のニュースや芸能ネタを取り入れます。ライブでショーンKさんのネタを扱ったと言いますが、このネタを笑うには観客に「ショーンKさんが経歴詐称で話題になった」という知識がある必要があります。昔の日本であれば、テレビのワイドショーで扱ったニュースはだいたいの人たちが知っていましたが、今はテレビが家にない人も珍しくありません。ショーンKさんの経歴詐称の話題を知らない人にとっては、知識がないので笑えないネタなのです。
お笑いというのは、人々の共通知をくすぐるコンテンツなので、今は非常にお笑いというものが作りにくくなっています。

それでは、笑いの最大公約数を取るためのネタを考えると「共通の知識」がなくても笑える「見た目が面白い」「五感で理解出来る」と言った分かりやすい方向に行きます。これが、リズムネタやキャラネタに転化され、幼稚園児が見ても笑えるようなプリミティブなものになっていきます。プリミティブな笑いは表層的な共通知なので、分かりやすい分、飽きられるのも早くなります。リズムネタやキャラネタが流行っては、半年以内には消えていくということがここ数年起こっている現象です。

本当は、深いところで一つになりたがっている

嗜好の細分化が起こった結果、人々は表層的な共通知でしか繋がることが出来なくなりました。しかし、その反動的に一つに繋がりたいという気持ちが非常に強くなっています。以前に比べて、「何が共通項か分からないけれど、人々を一つに繋げることのコンテンツ」の爆発力が高まっているのです。それはスタジオジブリの作品だったり「君の名は。」が予想外のヒットになっていることに現れています。
しかし、この深層的な共通知は、これが共通知であるという因数分解が出来ないため、時代の流れを読むのに長けたクリエイターによる感覚やセンスに依存します。そして、クリエイター自身も爆発的ヒットになるかどうかは、事前に予測が不可能なのです。

ということで、現代における3つのコンテンツの種類とは「細分化した嗜好に合わせたコンテンツ」「プリミティブな感覚に即した表層的なコンテンツ(コンテンツの消費期限は早い)」「深層的な共通知に働きかけるアートなコンテンツ」に分類されます。そして、最後の1つは誰にも爆発的ヒットになるかは予測できないものの、人々がこのコンテンツを深く欲しているため、一度爆発すると並外れたヒットになる確率が高いのです。

雑誌とウェブメディアの編集者に求められるスキルの違い

近頃雑誌の休刊が相次いでいます。ファッションなど趣味嗜好の情報を雑誌のみに頼っていた時代が終わり、多くの人はウェブメディアで情報を手に入れるようになりました。
雑誌とウェブの違いを比較した上で、編集者に求められるスキルの違いを考えてみました。
(ここでいうウェブメディアは、中堅程度のキュレーションメディア等を指します。例えばNewsPicksのように、独自の取材記事などがメインになるメディアはウェブメディアというよりは、雑誌メディアのウェブ化のように感じます。)

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■視点・切り口
雑誌メディア=トレンドや媒体が先導
ウェブメディア=読者目線

この「視点・切り口」の違いが、雑誌とウェブの最大の違いです。雑誌で扱うテーマは常にトレンドや媒体が先導してきました。つまり、雑誌自体が「いろいろなブームを先導してきた」のです。例えば「Cancam」はエビちゃんOLというブームを巻き起こしましたし、その昔、雑誌「Hanako」の読者層が時代を象徴する女性像となり、1989年にはHanako族という言葉が流行語大賞にもなりました。
雑誌がトレンドを先取りしてブームを作り、雑誌に載っているモノやライフスタイルを追い求めているという図式が出来上がっていたのです。

対して、ウェブメディアに求められるのは読者目線です。ウェブメディアは読者が日常気になっていた課題を解決するような記事が好まれます。例えば、女性向けメディアであれば「伸ばしかけの前髪のアレンジ方法」や「可愛すぎない大人の花柄モチーフコーデ」などです。前者の記事は、前髪を伸ばしかけの女性の課題を解決し、後者は花柄モチーフが流行していても、可愛すぎて着れないと思っている女性の課題を解決します。

このように、雑誌メディアが「これを買うといいですよ。こういう生活が素敵です。」と、ライフスタイルの提案をしてきたのに対して、ウェブメディアは「あなたの課題を解決しますよ」という読者に寄り添った切り口になっているのです。
この両者の違いは、集客方法の違いに起因します。ウェブメディアの集客導線の多くは未だに検索流入です。検索の集客を最大化するということは、すでにある課題(=検索ワード)への回答を用意することが最適解だからです。

■ビジュアル
雑誌メディア=ビジュアルはコンテンツそのもの
ウェブメディア=ビジュアルはテキストのアイキャッチ

雑誌メディアにおける写真などのビジュアルは、コンテンツそのものです。これは、雑誌のサイズが大きいというハコの形状が影響しています。
雑誌におけるビジュアルはカメラマンが撮影したり、イラストレーターが専用に描き起こすため、非常にクオリティの高いものになっています。

対して、ウェブメディアのビジュアルは、テキストのアイキャッチ的役割が強くなっています。文章中に差し込まれた写真を目で追いながら、合間のテキストを流し読みする構造になっています。
ウェブメディアでも今後はビジュアルがコンテンツの主軸になっていく可能性はありますが、1記事あたりにお金をかけられないというウェブメディアの特性があるため、多くのウェブメディアはゼロからビジュアルを起こすということは、あまりしていません。
また、ウェブの世界は限りなく「視点・切り口」が読者寄りになっているため、プロが撮った完璧な写真よりは、消費者が撮った生活感のある写真の方が好まれたりもします。

■ライティング
雑誌メディア=正確性、専門知識
ウェブメディア=大量生産、個々の要素をまとめる力

雑誌メディアにおけるライティングには、正確性と専門知識が求められます。一度紙に刷ってしまうと修正が出来ないため、ことばの表記や「てにをは」など、厳密にチェックされます。そして、正確性とともに専門知識も重要です。映画媒体であれば、年間映画を10本しか観ない人よりは、年間映画を100本観る人の方が中身が厚い記事を書くことが出来ます。
ファッションについてもトレンドの源流になっている海外コレクションの最新情報や、ファッションの体系的情報を得ている人の方が中身の濃い記事を書くことができます。

一方、ウェブメディアのライターには記事を大量に生産することが求められ、編集者にはそれを管理する能力が求められます。先の理由により、ウェブメディアの集客はSEOが主軸なので、1記事あたりのアクセス数から逆算すると、記事を量産する必要があるからです。
そして、記事のジャンルとしてまとめ記事がメインになってくるため、一見脈絡のないものを一つのテーマでまとめる力が求められます。例えば、今年の旬のファッションアイテムがニットセットアップであれば、ニットセットアップのビジュアルを探して出してまとめたり、「意外とご飯のお供にしたら美味しかったモノ」というくくりを与えて食材のまとめ記事を作るなどです。

雑誌メディアが専門知識を使った深堀りを得意とするのに対して、ウェブメディアは分かりやすい解説やまとめに主軸においています。

■求められる重要なスキル
雑誌メディアの編集者=読者を引きつける取材、文章力
ウェブメディア編集者=マーケティング(SEO、ソーシャル)、コスト管理

ということで、これらをふまえた上でそれぞれの編集者に求められるスキルを整理すると、このようになります。雑誌メディアの編集者に求められるのは、そのまま「編集」スキルです。しかし、ウェブメディアの編集者には、マーケティングとコスト管理という全く異なるスキルが求められます。
ウェブメディアは特性上、1本あたりの原稿で出来るだけ多くの人を集客しなければなりません。ですから、SEOを考えて記事の原稿タイトルを決めたり、出来るだけソーシャルで拡散しやすい題材という集客から逆算をしたコンテンツの設計をする必要があります。かつ、大量の原稿を作成する必要があるため、1本あたりいくらという厳しいコスト管理が求められるのです。

雑誌メディアが編集に徹していられるのは、収益とコンテンツが切り離されているからです。雑誌は雑誌全体でブランディングされ、想定される購買読者層がおり、その購買層にリーチしたい広告主がいます。雑誌は、どのページがどのように読者に響いたのかという効果測定をしません(というか出来ません。)
しかし、ウェブメディアは1ページあたりのユニーク数やPV数が測定できるため、収益とコンテンツが直結しており、コンテンツが収益のために最適化されていきます。この最適化をするのがマーケティングなのです。

ということで、雑誌メディアとウェブメディアの編集者に求められるスキルの違いを解説してみました。この違いの根幹にあるのは「収益とコンテンツが分離しているか否か」及び「1本の原稿あたりにかけられる費用」の違いです。
つまりウェブメディアが雑誌メディア並みにリッチな媒体になるには「収益とコンテンツが分離している」状態を作り(=メディア全体としてのブランディング)、「1本の原稿あたりにかけられる費用が雑誌並みに高くなる」必要があります。

そういう意味では、課金モデルで収益化を実現している「News Picks」は「1本の原稿あたりにかけられる費用が雑誌並みに高くなっている」状態にあると思いますし、話題のニュースを掘り下げ、専門性の高い記事を提供している「Buzz Feed」は「収益とコンテンツが分離している」状態を目指しているのかなと思います。

このように雑誌メディアのウェブ化とも言えるウェブメディアが増えてきているように思います。私も雑誌世代として育った年代なので、こういうったメディアが増えたほうが、読みごたえがあるなと思う次第です。

シン・ゴジラに見る「そういうことになっている」

バレンタインデーには、チョコレートをあげることになっていて、節分には恵方巻きを食べることになっていて、クリスマスにはクリスマスケーキを食べることになっていて、というのがたくさんあります。慣習的に「そういうことになっている」というのはとても強いです。
バレンタインデーにチョコレートをあげることになっているから、みんな当たり前のようにチョコレートを買いに走った結果、チョコレートの売上が上がりますし、恵方巻きやクリスマスケーキもそうです。
みんな「そもそも、何でバレンタインデーにチョコレートをあげないといけないんだっけ?』とか「何で節分に恵方巻きを食べるんだっけ」とか、なぜやるかを改めて考えたりはしません。いちいち考えていたら、大変だからです。

だから、「そういうことになっている」状況というのは無双なので、企業は頑張って「そういうことになっている」状態を作り出そうとします。これが戦略PRというやつだと思います。バレンタインデーやクリスマスのような行事も、さかのぼると企業のキャンペーンから始まっている場合もあるようです。

最強の「そういうことになっている」のは法律です。むしろ「そうしないといけない」という表現が近いのですが。守らなければ罰せられるので最も強いルールです。法律が改正される時は、関連する業界は儲かる会社が出てくるといいます。

時間が経てば経つほど「そういうことになっている」というのは強固になっていきます。だから、作られてから歴史が長い政府官僚の組織や、大きな会社などは「そういうことになっている」のがんじがらめになります。
映画「シンゴジラ」で緊急事態なのにも関わらず伝言ゲーム状態になるのは、連絡の伝達方法が「そういうことになっている」からです。バレンタインデーやクリスマスと同じく、いちいち「そういうことになっている」ことを疑ってかかっていたらキリがないのです。

先日、近所の小学校で運動会の練習をしている声が聞こえてきました。運動会で隊列を組んで、素早く移動する練習をしていましたが、そういえば小学校の頃から「そういうことになっている」を刷り込まれるのだなあと思いました。
「何で、そもそも隊列なんて組まないといけないんだっけ」と思っている子がもしそこにいたら、生きづらいだろうなあと思います。

しかし、時たま「そもそも、何でそんなことになっているんだっけ」と疑問を持って、そこを破壊しようとするイノベーターが現れます。スティーブ・ジョブズの「Think simple」を読むと、ジョブズはつくづく「そういうことになっている」ことを許さない人物なのだと思います。会議にもし不要な人間が出席していたら、それを許さずに退席を求めます。組織の中に慣例が積み重なり、組織が複雑になっていくことを非常に嫌うのです。

そしてソフトバンクの孫さんも、NTTが提供するインターネット回線の料金が高いと感じ「そういうことになっていた」インターネット回線の価格破壊する「Yahoo!BB」を立ち上げます。

イノベーターは、周囲の人たちは違和感を感じない「そういうことになっている」状況に違和感を感じ、それを破壊しようとするのです。そして私たちは、イノベーターたちの破壊によって、新しい価値を手にしたり、テクノロジーの普及という恩恵を受けることが出来るのです。