アイドルにハマる流れをフローチャートにしてみた

アイドルにハマっている人と話していると、ファンになるまでに必ず踏む手順があることに気づいたんですね。それをフローチャートにした図がこちらになります。
01

これを見たところで、よく分からないと思うのでAKB48を例にかき込んでみたフローチャートがこちらです。
02

1.興味(ひっかかり)
AKB48の場合は「会いに行けるアイドル」というコンセプトでスタートしました。こういったフックを作ることで興味を持ってもらい、来場したお客さんたちはメンバーの一生懸命なステージに感動して、また行こうという気持ちになります。

2.体験の繰り返し
感動をもう一度味わうためにライブに再訪して、感動の追体験をしようと思います。

3.お気に入りの発見
ライブに通ううちに、自分だけのお気に入り、つまり押しメンを発見します。ここで「自分だけのお気に入りを発見した」という一定の達成感を得ます。

4.関係性の考察
5.歴史を学ぶ
押しメンを発見すると、押しメンの仲の良いメンバーの情報や所属ユニットの情報なども収集するようになります。さらに、押しメンのこれまでの歴史(AKB総選挙でずっと圏外だけれど頑張っていた)や、そもそもAKBというグループ事態の歴史を学ぶようになります。

このフローまで進むと完全にコアなファンと化し、アイドルのパフォーマンスではなくてAKBというグループ及び押しメンの歴史などの文脈を咀嚼するようになります。

6.他者へ伝える
AKBやメンバーの文脈を理解すると、それを他者へ伝えたくなります。周りの知人などをライブ会場に誘ったり、押しメンのどこが凄いかなどを歴史事情込みで伝える様になるのです。いわゆるエバンジェリスト化します。

と、AKBを例に説明してみましたが、これは別にアイドルだけではなく他の物にも転用可能です。例えば、野球ファンもこのようになります。
03このように何かにハマる流れとして大切なのは
4.関係性の考察
5.歴史を学ぶ
です。ここまで来ると、対象物にしっかりと心をロックオンされています。巨人ファンと阪神ファンが仲が悪いという話を聞きますが、それはチーム間の歴史を咀嚼しなければ起こらない事象なんですね。

ちなみにこれはアイドルやスポーツのみならず、たけのこの里ときのこの山にも転用が可能です。

04
このファーストステップである1.興味に(ひっかかり)と書いているのは、最初に抱く感情が負の感情(違和感)でも良いからです。例えばまずいお菓子を食べて違和感を感じたら、その不味さを確認したくなります。それを繰り返しているうちに、なんとなく好きなツボを見つけて、そのお菓子を好きになってしまったというのはよくある話です。

さて、逆にこれを仕掛ける側は、この心理導線をよく分かった上で次のステップに進ませるためのトリガーを用意しています。例えば冒頭のAKBについて、各ステップに進ませるためのこのようなトリガーがあります。
05

特に、ファンを固着化を促す以下のステップのトリガーは、入念に用意されます。

4.関係性の考察
5.歴史を学ぶ

EXILEがEXILE TRIBEとして大きなファミリーになっており、各個別グループ間の共演を行なうのも、これらのトリガーを引く土台だと思うのですね。

ということで、人が何かにハマる流れをフローチャートにしてみたのですが、これを書こうと思ったきっかけは先日始めてプロレスを観に行ったことがきっかけです。DDTというインディーズ系の団体さんなのですが、エンタテインメントを突き詰めていて、このチャートを全て踏襲しています。
所属レスラーの人たちには「踊りたくてたまらない」レスラーとか、カワイイを全面に出した外国人レスラーとか、キャラクターが設定されており、さらに団体内でユニットを作るというアイドルみたいなことをしています。
私が観に行った回では、3人の若手(?)レスラーたちがアイドルユニットを結成し、デビュー曲をお披露目していたのですが、それを「踊りたくてたまらない」レスラーが阻むという吉本新喜劇的なことをやっていました。これはまさに関係性のアピールだと思うのです。

さらにすごいなと思ったのが、このアイドルユニットは、団体が主催する音楽イベントに出演するために結成されたのですが、社長が登場して「このままじゃ、イベントには出れないぞ」的なことを通告するんですね。音楽イベントに出演するために結成されたのに、それを阻まれるというハードルを設定することにより物語を演出しているんですよね。

ということで結論なんですけど、DDTのプロレス面白かったなってていうことです!

5分で出来るUIの改善〜リンクボタンのテキストを見直そう〜

UIを改善しようとすると、アナリティクス等の解析ツールでページ間の遷移率などを測定し、ボトルネックを抽出してページの構成を見直す必要があります。

しかし、5分でUIを改善出来るお手軽な方法があります。それは、リンクボタンのテキストを見直すことです。サイトを訪問してくれたユーザーは、リンクボタンのコピーライティングひとつで、積極的にクリックをしたりむしろクリックを止めたりします。大規模なサイトの場合は、A/Bテストでリンクボタンの最適化を図っているかと思われますので、ここでは小規模なサイトで、かつ資料請求や申込みをゴールとしたサイト向けにクリック率を高めるリンクボタンのコツをいくつかご紹介します。

1.みんな大好き「シミュレーション」

サイト内において「見積もりをする」などのワードを使っていたら、一度「見積もりシミュレーション」というワードに変えてみましょう。基本的にユーザーは、リスクテイク派と慎重派の人々に別れます。慎重派の人たちは、リンクボタンをクリックした後の挙動が予測出来ないことを嫌がります。この「シミュレーション」というワードを入れることにより「この先に待ち受けているのは、あくまでもシミュレーションなんだ」という緩和剤になります。

2.「お問い合わせ」よりも「相談する」

申込みや見積もりの機能を備えているサイトの場合、特に扱う商材の単価が高ければ、内容について事前に聞いてみたいという欲求が生まれます。そこで「よくある質問」や「お問い合わせ」機能は必須だと言えますが、慎重派の人たちにとってはこのお問い合わせというワードもやや重く感じるのです。これを「サポートに相談」に切り替えてみると、心理的負担が軽くなり「ちょっと聞いてみよう」という心理的余裕が生まれます。
ちなみに、この「相談する」ボタンは、商品内容の詳細の下や、申込みボタンの手前に配置しておくと有効でしょう。

3.「!」を多用していないか注意

「!」ビックリマーク、通称エクスクラメーションマークは、多くの人にとって「危険だ!止めろ!」を想起させます。このシンボルがリンクボタンの付近にあると、本能的に「その先に進むな!」に見えるのです。ということで、今いちど「!」の使い方を気をつけてみましょう。

ということで、3つほどリンクボタンのテキストに関するコツをご紹介しましたが、全てに共通するのは「ユーザーがリンクボタンをクリックするリスクを下げる」ということです。慎重派の人々は、想像以上に「申込み」や「見積もり」などのワードに敏感になるため、その先へ進む心理的障壁を和らげてあげることが肝要なんですね。

UIUXはワイヤーを作る前に、9割完了している

よくUIUXおいてUIとUXが混同されているという記事を見かけます。UIはユーザーインターフェースですから、サービスの導線設計、UXはユーザーエクスペリエンスですからユーザーにどういう体験をしてもらうかという切り分けです。

私も自社サービスやクライアントワーク含めてUIUXの設計をしていますが、UIUXの設計はパワーポイントでワイヤーを作る前に9割完了していないといけないと思います。UIUXをコンビニに例えて解説してみましょう。

お菓子売り場の棚に、どうお菓子を並べる?


例えば、あなたがコンビニ店長だったとして、お菓子売り場にどのように商品を並べますか?とりあえず入荷してきたお菓子をなんとなく並べるというのは、パワーポイントでなんとなくUIから作り始めるというのと同じことです。
お菓子売り場の棚を作るには、二つの情報が欠けています。まず、売上を最大化するためには売れ筋のお菓子を置くべきです。ということは、今までの売上情報を見て、売れ筋のお菓子は取りやすい目の高さに並べておくということが必要になります。
つまり、お菓子を並べる(UIを設計する)には、過去の定量情報を参照する必要があるわけです。

さらに、定量情報の分析に加えて、やるべきことがあります。実際にお菓子を買って行く人を観察したり、インタビュー(=定性調査)をすることです。よく買われるお菓子はなぜ買われるのか、全く買われないお菓子がなぜ買われないのかの理由を分析し、定量調査と掛け合わせてユーザーシナリオを作成することが出来ます。

例えば、良い位置においてあるのにも関わらず、全く買われないチョコレートがあったとしましょう。実際に観察をして、チョコレートを手に取った人が棚に戻したとします。その理由を聞いてみると「職場で食べるには、パッケージが大きいし、カロリーも高いから止めた」と回答しました。であれば、パッケージが小さめのカロリーが少ないチョコレートを置けば、購入される可能性があるということです。
また「職場で食べるには〜」という回答がユーザーから多かった場合は、オフィスでのおやつを買いに来る会社員というユーザーシナリオを作成し、それに最適化した商品を揃えることが出来ます。(周辺が居住空間なのか、ビジネスエリアなのかも、ユーザーシナリオを作るための定量データになります。)

ということで、お菓子を並べ始めるには、定量調査と定性調査を掛け合わせ、ユーザーの本当のニーズ(ユーザーインサイト)を知った上で、いくつかのユーザーシナリオを作成し、そのシナリオに沿ったUIを作ることが必要なのです。

ユーザーインサイトで本当のニーズを見極めることが大切


ということで、UIUXの設計と言いますが、9割がたは分析とマーケティングに費やすのが正解だと思うんですね。逆に、それをしないと本当のユーザーのニーズがつかめていないため、ユーザーが欲していない機能を前出ししてしまったりするのです。

そして、当初仮説として設定したユーザーニーズが実際には、ずれていることも多々あります。

先日もECの設計をしていたのですが、ユーザーが自由にカスタムして購入したいだろうという仮説に反して、おすすめのパッケージ販売を望む需要の方が高かったのです。
ということは、UIを設計する上ではおすすめのパッケージを全面に押し出すべきという解になり、これはちゃんとマーケティングをしないと浮かび上がってこない事実なのです。

ということで、UIUXを考えるには、その前準備が9割であるというお話でした。

もしも、女性向けファッション誌がなくなったら、失われること

ファッション誌の売上が、ものすごい勢いで急降下しています。

特に雑誌は店頭の売り上げが落ち込み、女性誌ファッション誌が前年比88.2%、ティーンズ誌が同92.3%だった。雑誌の休刊が相次ぎ、創刊91誌に対して休刊177誌になり、販売部数の減少が売り上げ減少に響いた。
出典:https://www.wwdjapan.com/business/2016/06/03/00020687.html

前年比の88%の売上レベルとなっており、毎年この比率を続けたら10年後にファッション誌が存在しているのかと思ってしまうほどです。しかし、ファッション誌(というかCancamなどに代表される赤文字系ファッション誌)がなくなってしまったら、失われてしまうことがあります。

1.ファッションのトレンド発信

シーズンごとのファッショントレンドは、主にテレビ等のマスメディアによって拡散されますが、情報の出所はだいたい雑誌です。シーズンごとに各ブランドが世界各地でパリコレなどのコレクションを披露し、そのトレンドに沿った大量の既製服が作られます。そのトレンドを「今シーズンのトレンドはコレ」といった形でファッション誌が特集し、テレビにも取り上げられるのです。ゆえに、ファッションのトレンドはブランドによって製品が作られ、ファッション誌によって啓蒙されるのです。

最近は、ファッションのベーシック化が進み、シーズンごとのトレンドの差異が少ないように思いますが、それでもファッション誌がなくなってしまったら、1次情報の発信元としてトレンドを啓蒙する存在がなくなってしまいます。
しかし、この点においてはWebのファッションメディアでも代替え可能かもしれません。

2.ファッション誌バズワードの発信

かなり前に赤文字系ファッション誌のWebに関わっていたことがあり、毎号の目次を凝視していたのですが、そのコピーライティングのセンスにはうなるものがあります。一番うなったのはクリスマスシーズンの号に掲載されていた「おねだリング」というワードです。彼氏や旦那に買ってもらいたい指輪のことです。ファッション誌は昔から、アイテムの使用用途に合わせたバズワードを作るのが上手です。ヘビロテ服(ヘービーローテーションする着回せる服)や、こやし靴(安めで使い勝手の良い靴)、最近ではおフェロ顔(チークなどを効果的に使ったフェロモンたっぷりの顔)などなど、トレンドを現すバズワードの発信元もファッション誌です。
エビちゃんが流行していたときは、エビちゃんOLというようなワードもありましたね。

ファッション誌がなくなったら、こういったバズワードはどのように生み出されるのでしょうか。今のところ、Webのファッションメディアは、ファッション誌のトレンドやバズワードを後追いで編集し直している部分が多いかと思います。今後ファッション誌出身の編集者がWebメディアへと移動し、Webメディアからこういったワードが発信されていく可能性はあります。(ただし、社会現象になるほどのワードになるためには、テレビの力が必要ですが。)

ひとつの仮説としては、今後はこういったワードがソーシャル上で強い力を持つ個人から発信される可能性があるのかなと思います。ファッション誌の専売特許といえばモデルやタレントのファッションスナップでしたが、いまやモデルやタレントたちは、インスタグラムで日常的に自身の写真を投稿しています。同様に、ソーシャル上で強い力を持つインフルエンサーによってバズワードが生み出され、それがテレビで拾われる形になるかもしれません。例えば最近「プロ彼女」というワードが流行しましたが、最初のこのワードを用いていたのはコラムニストの能町みね子さんでしたね。

3.赤文字系ファッション誌特有のストーリープレイ

「ストーリープレイ」というのは、私が今名付けたのですが、つまりは赤文字系雑誌にたいてい載っているこちらのページです。

赤文字系雑誌 「赤文字系ファッション誌」にたいてい載っているストーリープレイ。気になる先輩や後輩が出現し、最後には告白されるパターンが多い。

主人公が登場し、1週間のコーデを披露します。そして、その1週間には必ず彼氏や彼氏候補(だいたい職場の先輩か後輩)が登場するのです。
この「ストーリープレイ」が赤文字系ファッション誌を赤文字系たらしめているコンテンツです。このようにファッションに対して、異性の目線を取り入れますよと高らかに宣言しているのです。逆に青文字系ファッション誌は、自分のためのオシャレなので、この「ストーリープレイ」に相当するコンテンツを見たことがありません。少なくともこの20年近くは、ずっと赤文字系ファッション誌に掲載され続けているコンテンツなので、需要はあるのでしょう。

このコンテンツは、上記の2点に比べてWebメディアへの移行がおそらなくないので、もしもファッション誌がなくなってしまったら、このコンテンツもそのまま消滅してしまう可能性があります。

ということで、もしもファッション誌がなくなったら失われる3つのことについて考えてみました。いずれにせよ、紙媒体と比べてWeb媒体は細分化しやすいメディアであり、ひとつの大きなトレンドを提起するには不向きなので、トレンドの提案が今後どのようになっていくのかが気になるところです。

ツイッターでフォローをしてもらう4つの方法

ツイッターで100RT以上される方法に引き続き、フォロワーを集めるにはをテーマに書いてみます。しかし、そんなこと言ってもそもそも自分フォロワー少ないやんけという突っ込みが飛んできそうです。

その1:誰かの役に立つことをツイートする

「スタバなう」とツイートして、そのツイートに価値があるのは芸能人だけなので、基本的に誰かの役に立つツイートをすることが大事です。例えば、ジャニーズファンがファン同士でツイートをフォローし合うのは、出演番組の情報を得ることも目的のひとつでしょう。誰かの役に立つツイートは定常的に見ようと思うのでフォローされやすくなります。

その2:誰が見ているかを意識する

発信するツイートは誰にとって役に立つのかを、意識をすることが大切です。ジャニーズの出演情報はもちろんジャニーズのファンの人に役立つ情報です。このあたりは企業アカウントのソーシャルマーケティングにとって最も重要です。警備会社のセコムは、若い女性やシニア向けの防犯情報を定期的にツイートし、40万人以上のフォロワーを獲得しています。

その3:ブレない

まじめに防犯情報をつぶやいているセコムのツイッターが、突然「きょうはきんきん、きんようび〜ヾ(◍’౪`◍)ノ゙」などとツイートしたら、何事かと思うわけです。フォロワーは、自分に向けた有益な情報を閲覧することを目的としているため、いったんターゲットとツイートの方向性を決めたらブレないことが大切です。
ツイートの内容に一貫性があるというのは、ツイートがバズった際にもフォロワー獲得に繋がります。例えば、以前このツイートがそこそこバズりました。


ツイートアクティビティーを見ると、Profileが62クリックされていますが、フォローは2に留まっています。もしも私のツイートが一貫して「恋愛ネタ」をつぶやいていたら、そういったネタに興味意向のあるこの62人からもっとフォローされていたでしょう。
そう、私のツイートには全く一貫性がないのです。

スクリーンショット 2016-06-13 16.30.05

その4:広告を出稿する

結局広告を出すんかいと言われそうですが、上記の1〜3までが出来ているのであれば、広告でフォロワーの母数を確保出来ればそこから広がりが期待できるので、ある程度ツイートをしたら広告を出稿してフォロワーの母数を広げておいて方が良いと思います。

この他にも企業アカウントであればSHARPやタニタなど、お笑い形のネタに走るという方法もありますが、このあたりは飽和状態(であるのと、お笑い系に走ったところで本業に結びつかない)ため、上記の4つを地道に実行するのが良いかと思います。

仕事が出来る人と出来ない人の違いは、想像力にあった

「体系的思考」のファーストステップは想像力の有無

仕事が出来る人と出来ない人の違いは「体系的思考」の有無にあるというブログを書いたのですが、体系的思考のファーストステップは「想像力があるかどうか」です。

体系的思考とは、下記のように自分で思考の枠組みを作って、要素を当てはめて行くという思考ですが、要素をどのように構成し、枠組みに当てはめるかを決めるキーとなるのは「顧客に対する想像力」だからです。

 
体系思考とは、全体像を把握した上で各要素を分類すること。そして、分類した要素を抽象化して、別の要素と繋ぎ合わせて考えること。
 

この能力がずば抜けて高い人と仕事をすると、非常にプロジェクト進行がスムーズになります。以前一緒にお仕事をさせて頂いたYさんという人がいるのですが、この方はコンサル出身の技術畑の方で顧客に対する想像力が突出している方です。

私はよくテストプロダクトを作って知り合いにURLを送って使ってもらい、感想を聞くということをしていました。たいていの人はこういう返答になります。

相手「けっこう使いやすかったと思うよ」
わたし「どういったところが?」
相手「なんか、ボタンも大きかったし、見やすかったかも」
わたし「逆に使いにくいところは?」
相手「最初のところがちょっと文字小さいよね」

しかし、Yさんにも同じ様に「これテストプロダクトのURLなので、良かったら使ってみて感想をください」と送ったところ、以下のような返信が返ってきたのです。

Yさん「状況から察するに、このプロダクトを使ってどこで詰まったかという情報が欲しいかと推察しましたので、使った経緯とその時の心理をメモしておきました。使ってみた心理導線も含めてレポートします。」

そして、実際に自分がどのようにページを遷移して、その時何を思ったかというレポートをくれたのです。
私は「テストプロダクトを使ってみてください」というぼんやりとしたオーダーをしたのにも関わらず「何を欲しているか」を見抜いて私の需要にマッチしたレポートを送ってくれたのですね。

仕事が出来る人は常に「想像力」で先回りをしている

このように顧客に対する想像力が働く人は、常に相手の需要を読み取って先回りをしています。例えばあなたが広告代理店の営業だったとして、クライアントから「ディスプレイ広告」を配信したいと相談されたとします。ここで想像力が働く営業の場合は、ディスプレイ広告を打ちたいということは「認知を広げたい」のではないかと察することが出来ます。そこで
「もしかして、認知を広げるための広告キャンペーンを実施されたいのではないですか?それでしたらディスプレイ広告と合わせてこういった広告も組み合せると効果が高いですよ」などとアドオンで提案が出来るようになるのです。

ちなみにこの「想像力」が卓越しているメンバーがバックオフィスにいると、とても仕事がスムーズになります。例えばあなたの会社の総務の人が、コピー機から離れたところに積んであったコピー用紙のストック場所を、コピー機の近くに移したりしてくれたことはありませんか?これもコピー機の使用シチュエーションに想像力を働かせた結果ですよね。

さらに契約書や利用規約などを巡って、事業部はよく法務部とぶつかることが多いと思うのですが、もし法務部の人が想像力がある人材の場合は「現状で言うとこの利用規約はNGだけど、このようにやり方を変えて規約を書き直せばOKだと思う」という第3の提案をしてくれるようになるかもしれません。

ポイントは、冒頭のY氏のように顧客の本当の需要を見抜ける「想像力」があるかどうかです。顧客は「ディスプレイ広告を配信」したいのではなく「認知を広げたい」のだということが分かれば、本当の需要を満たすための様々な提案が出来るようになります。

ということで、仕事ができる人は常に「想像力」で先回りしているなというお話でした。

恋愛ゲームに見る、最強モテ術「向井理」理論

以前、恋愛ゲームを作ろうとしていたんですね(完成はせず)。恋愛ゲームのキモは、女子にウケるキャラを作れるかどうかなので、サンプルキャラクターを作って20人以上の女子たちに好みのキャラクターを選んでもらう調査をしていました。その調査を通して、男性がモテるようになる「向井理」理論を発見したのです。
(「スパルタ婚活塾」や「LOVE理論」などで有名な水野愛也先生こと水野敬也先生へのオマージュとして「向井理」理論としてみました。)

「向井理」理論の対局にある理論は「木村拓哉」理論

「向井理」理論とは「とにかく引き算を重ねて、今の自分から色々なものを引く」ということです。味を足していく足し算の豚骨ラーメンに比べて、澄んだダシのみを活かす引き算の和食です。
具体的には、今の自分を見て「足し算」だと思うところがあれば全て引いていき「中立」に戻してみてください。例えば、今ブレスレットをつけてる人は外してください。指輪も外してください。眉毛が細すぎる人は伸ばしてください。とんがったブランドの革ジャンとかを来ている人はユニクロか無印表品のポロシャツを身につけます。髪の毛の襟足を伸ばしていたら、ただちに切り落として黒髪短髪にしてください。

このように無味乾燥に没個性してニュートラルな状態にしていくのが通称「向井理」理論です。しかし、たいてい男性は「モテ」というものに逆の思想を持っています。自分にプラスしていき、かっこいい要素を作ろうとするのです。これを「木村拓哉」理論と呼びます。しかし、女子たちはおしなべて「向井理」を受け入れますが、「木村拓哉」だと好き嫌いがはっきり分かれるのです。

女子は「消去法」で好みの男性を選ぶ

イケメンのイラストを5、6枚並べて20名以上の女子に選んでもらったところ、女子は全員、男性を消去法で選んでいきました。自分にとっての「見た目のネガティブ要因」を持った男性を消去していくのです。髪をカラーリングしているのは嫌だ、タバコを吸うかどうか(キャラクター設定にないことでも口頭でタバコを吸うか確認されます)など、ネガティブ要因に触れたキャラクターを外していきます。けっこう多いのが、男性が腕輪や指輪をしているのが嫌だという意見で、これは男性側からするとファッションの一部という足し算のアクセサリーなのですが、女子にとってはネガティブ要因になってしまうようです。
こうして条件によって消去していき、最後に残った一人を「好みのタイプ」として残していました。男性は消去法ではなく一撃必殺で「この子可愛い!」が発動するため、女子のこの感覚が分かり辛いのかもしれません。

「消去法」で選ぶということは、中立的な人が残りやすい

つまり、消去法で選ぶということは、とんがったところを持っていない「中立的」な人が残りやすいということです。黒髪、短髪、目が大きすぎたり小さすぎたりしない、ファッションも普通という人が最大公約数を取りやすくなります。これが、世の中の多くの女子が向井理を受け入れている理由な気がします。逆に何か尖ったところがある人は、そこが誰かのネガティブ要因に転化する可能性があるのです。

意中の相手がいる場合は、リサーチを

「向井理」理論は、モテの最大公約数をいかに取るかという目的のもと、中立的になると多くの人に好意を抱かれやすいという理論です。逆に、意中の相手がいるのであれば、その人の趣向が木村拓哉好きであれば、革ジャンとか着てしまった方が良いでしょう。
ちなみに恋愛ゲームといえども、女子たちは現実と同じようにかなり真剣に相手を吟味するため、現実の趣向が反映されていると見て良さそうです。例えば年下好きを公言していた人は、キャラクターを選ぶ際も真っ先に年齢設定を確認していました。ということで、気になる女性がいたら、一回恋愛ゲームをプレイしてもらうと好みのタイプを知るきっかけになるかもしれません。

Facebookからディズニーランドまで。ヒットのカギは「終わりが分からない構造」

広場型のmixiとフィード型のFacebookにおける組織の違い

だいぶ前の話になるのですが、「広場型のmixi、フィード型のFacebookと組織の関係」という原稿を書いたことありました。

概要を説明すると、Facebook最大の強みは「タイムフィード」というインターフェースに全てのコンテンツを集約させたことであり、対するmixiは旧来のWebページのように各コンテンツへのリンクが集約された広場型の構造になっている。(そして、この違いは一人の企画者(ザッカーバーグ)の思想をその他大勢が体現するという組織なのか、日本に多く見られる部署間の擦り合わせで決定されていく組織なのかという、構造に違いにあるのではないかという内容でした。)

現在SNSは、ほぼ全てが「タイムフィード」型になっています。タイムフィードの強みは「終わりがないから利用時間が劇的に増える」ということと、「全てのコンテンツをワンフィードに集約させることにより、ユーザーは受動的にコンテンツを体験出来る」ということです。
総務省のレポートによると平成24年のネット利用時間平均は67.3分ですが、2年後の平成26年には73分と伸長しています。ネット利用時間の増加には、この「タイムフィード」型という、終わりのないインターフェースが大きく寄与していると言えるでしょう。

sns利用時間
出典:モバイル機器によるインターネット利用時間の増加
http://www.soumu.go.jp/main_content/000357568.pdf

最近思うのですが、SNSに限らず現実の世の中で成功しているインターフェースはこの「タイムフィード型」になっており、これを言い換えると「終わりが分からない構造」にしていると思うんですね。

動画と動画を繋いで「終わりが分からない構造」に

例えば動画定額視聴サービスのHuluは、ドラマの1話目を見終わった後、自動的に2話目が再生されます。最終話であっても、関連した違うドラマの1話目が自動的に再生されるようになっているのです。

先日フジテレビの「バイキング」を見ていたら、司会者が番組の最後でその後の枠のニュース番組「直撃LIVEグッディ!」の司会者とトークをするコーナーがありました。
これもまた、「終わりが分からない構造」にして、番組と番組の継ぎ目を感じさせずに続けて番組を見させるという造りになっています。(ただ、両方とも低視聴率ですが。)

テーマパークの様に「終わりが分からない構造」になった新宿伊勢丹

ディズニーランドなどのテーマパークはぐるっと園内を一周させる「終わりが分からない構造」になっていますが、小売りにおける店舗作りにも有用だと思います。新宿伊勢丹は2013年に100億円の総工費を投じて改装を図っているのですが、改装後に2Fフロアの集客がとても良くなったと言います。本来20代女性向けのフロアですが、他の年代の客層も2Fを訪れるようになったそうです。

従来の百貨店はショップとショップの境目が分かる構造になっていますが、実際に伊勢丹2Fのフロアを訪れてみると、天井につけられた飾りなどによってゆるく円状に導線設計がされていて、ショップの継ぎ目が分からなくなっています。気づかないうちに、フロアを何週もしてしまう設計になっているのです。(急に目の前にバーカウンター等も登場して楽しいですね。)

さらに、2011年に有楽町西武がルミネに変わりましたが、有楽町の駅を出ると「ルミネストリート」という簡易な店舗が並んでいる通りがあり、ルミネのビルまで案内をするように続いています。これは、駅からルミネまでの継ぎ目を分からなくし、店舗まで誘導するという効果があるのです。
7489出典:http://www.fashion-headline.com/article/2013/03/06/877.html

20代女子たちが変えた新宿伊勢丹の秘密
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20140609/266550/?P=2

「終わりのない構造」で回遊性が確保されている箱根

流行っている観光地も「終わりのない構造」によって回遊性が確保されています。箱根・湯河原地域の平成25年で延観光客数は、3千100万人を超えており、箱根町単体で見ると前年比7.3%増となっている人気の観光地です。

箱根ほどこの「終わりがなく」「継ぎ目もなく」設計されている観光地もないでしょう。箱根を訪れる人の多くはこのような導線をたどります。

index-photo-01出典:http://www.hakonenavi.jp/ticket/before/hakonefree01/ab_hakonefree01/

「箱根湯本駅」→箱根登山鉄道で「強羅駅」まで
→渓谷や山の風景を楽しむ
「強羅駅」→ケーブルカーで「早雲山」まで
→「彫刻の森美術館」など数々の観光スポットが点在
「早雲山」→ロープウェイで「大湧谷」→「桃源台」
→ロープウェイを楽しみながら、黒たまごを食べる
「桃源台」→海賊船で「元箱根」「箱根町」
→海賊船への乗船が楽しい
「箱根町」→箱根登山バスで「箱根湯本駅」へ戻る

このように箱根をグルっと一周出来る導線が設計されており、ロープウェーや海賊船など、乗っているだけで既にレジャーになる乗り物も豊富なのです。
さらに、鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、海賊船、登山バスと全ての交通手段がセットになったフリーパスが販売されており、非常に回遊性の高い観光地になっているのですね。

■平成25年入込観光客数調査(箱根)
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f80022/p839616.html

逆に惜しいのが熱海です。一時期集客数が落ち込んだものの、最近は女性客の日帰りエステや夏場の花火大会等で息を吹き返し平成24年度以降観光客数が増加しています。平成23年度に523万人だった客数は平成26年度には640万人と年間100万人以上も伸びているのです。

ただ、惜しいのは、集客が出来ているのは熱海の駅前から少し離れたホテルのエステなので、駅からホテルまで直行するという導線になっています。これをルミネ有楽町のように、駅前からホテルまで、さらに拡張してその周辺の導線を作り込むことが出来れば、もっと顧客あたりの単価が伸びるような気がします。

■平成27年熱海市の観光
http://www.city.atami.shizuoka.jp/userfiles/495/file/%E2%98%85%EF%BC%A827%E5%B9%B4%E7%89%88%EF%BC%88PDF%E7%89%88%EF%BC%89.pdf

オンライン動画に、字幕をつけるべき理由

動画元年、動画元年と言われつつ、今年こそ動画元年だと言われる2016年。最近はネット上での動画に注目が集っているわけですが、調査をしてみたところ、オンライン動画って普通の動画と全く見られ方が違うんですね。ということで、注意すべきポイントを挙げてみました。

1.動画の尺は5分以内に。短ければ短いほど良い。

視聴者が興味のある動画(海外ドラマやゲーム実況動画)であれば長くて良いのですが、チュートリアル的な動画だったりアテンションを取りたい動画であれば5分以内に納めた方が良さそうです。再生時間を見て、再生するかどうかを決めるからです。

2.起承転結ではなく「結」から入る

映像クリエイターさんは、おそらく起承転結の形で映像を作成するため、冒頭に前置き的な内容を起きがちですが、結論ではないマクラ話が数十秒続くと視聴者は離脱します。オンライン動画は「結論」から入ることが大事です。
ちなみにYoutubeの動画広告は5秒立てばスキップできる広告が主流ですが、実際に5秒後にスキップされる率が大半らしく、最近は冒頭5秒に言いたいことを詰め込むという方向にシフトしているそうです。
最近では開始6秒はスキップできない新広告が登場し、動画広告冒頭の数秒に言いたい事を詰め込むという流れが加速していきそうです。

3.動画に字幕を付けた方が良い

動画の視聴方法を調査している中で、多かったのが「そもそも動画を再生しないで、再生バーを送っていって静止画として見る」というものでした。
なんと動画を「連続した静止画」として見ている人たちがいるのですね。この場合、字幕がついているかどうかが、その動画を見るかどうかの分かれ道になります。字幕がついていた場合、気になるところを静止が的に閲覧するため、動画の尺が長めでも見られやすくなるでしょう。
さらに、動画に字幕を付けた方が良い理由として「スマートフォンでの視聴」が多いこともあります。YouTubeでのモバイルでバイスでの視聴時間は劇的に増えています。

モバイルデバイスからのYouTube動画視聴時間は平均40分にのぼり、1年で50%も増えています。
出典:http://www.movie-times.tv/feature/8024/

スマホでオンライン動画を見る際、街中や電車等の外出先で見るときは周りの音がうるさいのでミュートで字幕のみをおうケースもあるため、字幕をつけて置いた方が外出先にスマホで視聴しやすくなるのです。

ということでオンライン動画が見られやすくなる3つのポイントでした。

参考
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1604/27/news097.html

興行収入は年間1200億円以上!?それでも邦画が面白くない理由

最近、よく邦画がつまらなくなったと言われます。公開される邦画は人気の漫画や小説、テレビドラマなどの原作モノばかりで、出演している俳優はネームバリュー中心で演技力もないという意見が多いようです。しかし、邦画の興行収入は2000代半ばに洋画を逆転しており、2015年は1,204億円と、洋画の968億円を上回っています。「つまらない」と言われつつも、原作モノありきの邦画は、収益が伴うのですね。

5666

出典:http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5666.html

では、収益を考えずに「邦画がつまらなくなったか?」と聞かれたら「つまらなくなった」と思います。加えて、面白い映画を探そうという熱量が人々から失われたような気がします。面白い映画が作られなくなったから探そうと思わなくなったのか、それとも忙しくて映画を観なくなったから面白い映画がなくなってきたのか。これはニワトリタマゴの関係ですが、ミニシアターの減少と都市に根付いた映画カルチャーの衰退が要因のように思います。

ミニシアターの減少と都市に根付いた映画カルチャーの衰退

カルチャーというのは、都市とは切り離せない関係だと思います。お互いに影響を及ぼしながら、カルチャーが根付いた都市には吸引力のようなモノが生まれ、さらに人を引きつけてカルチャーを強固なものにしていきます。例えばきゃりーぱみゅぱみゅを筆頭とするカワイイカルチャーは「原宿」という都市に根ざしています。「原宿」という都市はカワイイカルチャーのシンボルとなり、共感した人たちを都市に引きつけてさらに強固なものしていくのです。
2000年代前半までの渋谷や銀座、新宿あたりにはたくさんのミニシアターがあり、映画ファンの人たちを呼び寄せる映画のシンボル的な役割を果たしていました。

2001年に行定勲監督の初期の長編作「贅沢な骨」をテアトル新宿に観に行った時、満員で立ち見が出る勢いでした。劇場から座布団が配られて、通路に座布団を敷いて見た記憶があります。
ミニシアターにもそれぞれの劇場の色があり、この劇場はフランス映画、この劇場はシュールでアートっぽい作品が多いなど特徴がありました。しかし、2000年代後半以降、ミニシアターはどんどん閉館していき、映画文化圏的なものが失われていくのです。
現在では、以前はミニシアター系の作品はそのまま全国のシネコンチェーンにて上映されているようです。しかし、都市が分散されて中心地が存在しないということは、カルチャーとしての熱量と継続性を持ち辛いのです。

若手映像監督の登竜門の消失

小さい箱で上映するミニシアターが消えるということは、若手映像監督の登竜門の消失にも繋がります。先ほどの行定勲監督も、「贅沢な骨」以降、「世界の中心で愛を叫ぶ」や「北の零年」などの大作を手掛けています。

また、多数の俳優や映画好きから支持をうける監督に岩井俊二さんがいます。「リリイ・シュシュのすべて」等を手掛けている独特の映像美が特徴的ですが、ブレイクのきっかけとなったのはフジテレビのドラマ「ifもしも」内で手掛けたドラマ「if もしも~打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」が高い評価を受けたことがきっかけでした。
この頃は、「if もしも」や「世にも奇妙な物語」など、オムニバスドラマ枠などで若手の映像作家の登竜門が用意されていたのです。「世にも奇妙な物語」からは他にも北川悦吏子さんや君塚良一さんなど多数の大御所が参加していました。君塚さんはwikipediaによると、自主映画を作るようにやっていたそうで、ゴールデンタイムの番組で若手の映像作家たちに大きな「のりしろ」が与えられていたのだなと思います。

1990年代前半に、落合正幸監督とのコンビで『世にも奇妙な物語』を多数手がけた。落合とは「王道じゃなくて、ひねったやつをやろう」という合意があり、「自主映画を作るようにやってた」と後に回想している

人々は「良い映画」を求めていないのか

ミニシアターが閉鎖されていったり、若手クリエイターの登竜門が減っていたりと、ドラマにしろ映画にしろ、確実に当たると思うコンテンツを、確実に当たると思う監督とキャストで提供する姿勢が見え、のりしろが少なくなっているように思います。面白い映画を作るというよりは、確実にヒットをするためのマーケティングの邦画が重要視されるのは、邦画の興行収入が実際に伸びている以上しょうがないのかもしれません。しかし、人々は本当に「良い映画」を求めていないのでしょうか。
先日岩井俊二監督の新作映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」が全国28館で公開されました。これが上映時間3時間という、映画的にヒットしないと言われる長尺の作品になっています。出演しているキャストも他の邦画に比べると地味で、内容も筋書きにしてしまうとすぐ説明が終わってしまうようなストーリーです。しかし、これが割にヒットしていて21館が追加されて全国49館公開になり、ロングランとなりました。私も劇場に足を運びましたが、久しぶりに「良い映画」を観たなあという印象です。観ている間にスクリーンに没入して視点としての自分が「ふわふわ」としているような、これが映画だよなあという手応えがある作品です。
やはり一部の人々は、いまもまだ「良い映画」を求めているのではないかなと思います。